第二十二話 真実
酒に酔った状態で書いたので誤字脱字あるかもしれません。後で読み直さないと……。
まだ足りない。
この世には悪意も殺意も足りていない。前大戦では多くを殺し、憎しみと殺意に世界を満たしきったかのように感じていたが、それは錯覚であった。
世界にはまだ血の歴史が足りていない。私は深く思う。
アドルフと言う名を父親からもらったあの日からずっと、私はこの世界が流血で満たされることを願っている。
なぜならば私は悪意の固体であるからだ。
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「……来たか。再び……、見慣れないお客様もいるようだがな」
アドルフは椅子に座り込み下に向いていた視線を上げた。その視線の先には俺達が立っている。
俺達はアドルフの元に舞い戻った。多くの武器弾薬を携え、新たな仲間と共にやって来た。
「そこのフードの人、君とは初対面だな。初めまして」
「俺はそうでもない。アドルフ、お前と会うのは二度目だ」
「……私は君に名を教えた記憶はなのだが、なぜ知っている? そこのみすぼらしい吸血鬼から聞いたのかな?」
軽く煽られたラビーは表情をしかめる。しかし、グッとこらえて殺し屋とアドルフの会話を見守っていた。
「お前の名は彼女から聞くより前に知っていた。そして、私は知っているがお前が知らないのは当然というものだろう」
「ほう。……なかなか興味深い事を言うじゃないか」
殺し屋はアドルフをかなり前から知っているという憶測は確信に近いものになった。やけにアドルフに詳しいところもどこかから仕入れてきたデタラメの可能性もあったが、今ではその可能性は払しょくされていた。
「こっちでは、ミシェルリコットやその他の人間兵器を使わず自分一人ですべてを成そうとしているのだな。随分と気の長い事をしているじゃないか」
「……お前の話は理解しかねるな。何を知っている?」
アドルフは不機嫌そうに目を細める。しかし、殺し屋は何も語ろうとはしない。
沈黙が流れた。
「……なるほどな。自分で確かめろという事か」
アドルフはそう言うと腰を椅子から上げた。アドルフが椅子から腰を上げると椅子だった者は黒い物質となって虚空に消えた。
「ミツイコウタ、ミシェルリコット。手筈通りに動けよ」
「分かってるが、お前ひとりであいつを抑え込めるのか?」
「知らんな。お前らがどれだけ早くあいつの動力を潰せるか次第じゃないか?」
「……分かったよ」
俺は不安な気持ちを押し殺して作戦成功のために持ってきた油入りのタンクを手に持った。
すると、ミシェルが殺し屋に話しかけた。
「おい殺し屋、死ぬなよ? 後で絶対、名前を教えてもらうからな?」
「……ミシェルリコット、それは私に言うセリフではないな。だが、肝に銘じておこう。あいつが死ぬまでは死なんよ」
殺し屋はそれだけ言うとアドルフに視線を戻した。
「秘策ありか? 言っておくがやっても無駄だな。私を殺しても私が作った世界のシステムを壊すことはできない。無意味だ。私の目的は達成される」
「そうでもないさ。少なくとも今日中にお前を殺せば未来は変わる。革命は失敗し多くの死と引き換えに安定は戻るだろう」
「未来を知っているような口ぶりだな。どうも、私は時計盤をいじり過ぎて要らぬ人物を別の世界から招いたようだ」
「俺にとっては僥倖だよ。果たせなかった約束を、果たす機会が出来た。少なくともこの世界のお前を止めることはできる」
俺とミシェルは顔を見合わせた。あの会話から推測するにあの殺し屋を名乗る男はこの世界の人物ではないという話である。
(コウタ、どういうことだ?)
(分からない。けどあいつが自分の名前をかたりたくない理由はそこにあるのかもしれない)
(……もしかしたら、あいつは私たちの知っている人物なのかもな)
ミシェルはそう言うと俺の持っているタンクを掴んで走り出した。
知っている人物の可能性はあるかもしれない。最初からミシェルの事を知っていたこと、あいつの持ち合わせていた拳銃が俺たちのよく使っているものであったこと、俺達の周りの事情に妙に詳しいことなどから見てもその可能性に行きつくのは自然なことだ。
まして、今この状況が異常事態であり普段はあり得ないもしもがありえてしまうという点もこの知っている人物かも知れないという予測を確実性のある事実にしているように感じていた。
「コウタとミシェルリコットはいるようだが、ほかにも二人いたはずだが。どうした? あの二人もなにやら企んでいるようだが」
「心配するなアドルフ。ここにいない二人には別作業を頼んでいてな。怖気付いて逃げたわけではない。お前の望む通りあの二人は流血を持って目的を達するだろう」
「……どこまで知っている? なぜ知っている? どうしてそれを、知っている?」
アドルフの表情は変わった。殺し屋が何か特別なことを言ったわけでもないというのに、先ほどまでの余裕ある表情から険しい表情に変わった。
殺し屋はアドルフの問いかけには答えない。アドルフはそんな態度が気に食わないのか、悪意の固体を噴出した。そしてそれは真っ先に殺し屋を襲った。
殺し屋はそれを間一髪でかわしアドルフから距離を取った。
と、その時殺し屋のフードが破れた。先ほどの攻撃で破れたのだろう。
「……そうか。なるほどな」
アドルフの前に素顔が明かされた。そして、彼はそれを見て納得の表情を浮かべた。俺達の位置からでは見えないがアドルフにとっては自分の疑問の答え足り得る人物だったのだろう。
「……納得できたか?」
俺達も気になって仕方がなくなり、顔の見えそうな位置まで急いで走って行った。
……そして、俺は絶句した。
その面影には見覚え、と言うよりもぴったりとあてはまる人物がいたからだ。
「……コウタ? どうしてコウタが二人も……」
ミシェルは呟いた。俺はその言葉を聞いて俺の感覚がおかしいのではなく、誰が見てもあの殺し屋を名乗る人物がミツイコウタそっくりであるのだと確信した。
実はここからは戦闘と言う戦闘もなく終わる予定です。
元々人間兵器の設定が対策をしていれば簡単に勝てる相手と言うものなのでアドルフも例にもれません。
ちなみに、アドルフの名前の由来はお察しの通りアドルフ・ヒトラーです。もっともヒトラーはこの作品のアドルフのように極悪人と言うわけでもなく、ホロコーストもナチス党員の暴走という事実だったりします。でもパリは燃えているか? のセリフで有名な焦土作戦をパリでやろうとしたのは本当らしいので極悪人ではないにしても、頭がおかしくなった人ではあるかもしれませんね。
……私からしてみればトルーマンやスターリンのほうがよっぽど悪人ですね……、おや? この時間に誰だろう?




