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第二十話 異変

ハーリーハーリー!

滅茶苦茶急いで進めていくで~

 山のふもとまで降りてきた俺たちはまず最初にアメストール陸軍駐屯基地を目指していた。


「駐屯基地の軍隊に救援を頼むのね。でも信じてくれるかしら?」


「分からない。でもやるだけやってみないといけ、な、い……。何あれ」


 駐屯基地を目指す道すがら、俺はとんでもない光景を目の当たりにした。

 川が宙を浮いて流れているのである。

 俺は目を擦ってもう一度その光景を見た。ミシェルやノア、ラビーも目をパチパチとしていた。

 明らかな異変である。それがさも当然のように起こっているのだ。


「そう言えば、あのフードに襲われたときも風呂でシャボンが突然発生したりいきなり地震が起き、地割れが起きたりしたな」


「世界が、おかしくなっているのか?」


 ミシェルはそう呟いた。


 ~~


 その後俺たちは町の至る所を走り回った。

 そして異変は至る所で起こっていた。

 宙に浮く現象が最も多かったが、建物がまるで鉄塊に潰されたかのようにぺしゃんこになっている所もあった。どうも宙に浮くのも潰されるのも重力が狂った影響であるらしい。

 そして、駐屯基地にたどり着いた俺たちはその光景に絶望した。


 駐屯基地一帯は人の死体が折り重なるように転がる、地獄と化していたからだ。


「……これは、どういうことだ?」


 死んでいるのは軍人が多い。さらに戦闘の後もある。


「コウタ、もしかしてこのタイミングで他国が進行し始めたとか……」


「ない。町の方は比較的無事だし、ここに転がっている死体は全部アメストール陸軍の兵士のものだ。……ただ、何かは起こっている」


 俺は拳銃を構えた。そしてラビーに血を吸えとアイコンタクトを送る。ラビーは無言で俺の首にかぶりつき血を吸った。


「準備はいいな」


 俺は姿勢を低くしながら建物に近づき内部への侵入に成功した。その間に攻撃は受けず、中に入ってからも誰とも会わない。あまりにも不気味であった。

 本当は少女たちは安全な所に連れていきたいがと俺は唇を噛む。現状は幼女の手も借りたいくらい切迫しているのだ。

 拳銃の残弾もあとわずかなのも切迫具合を現していた。


 ~~


 俺達は結局誰とも会わないまま建物の中をくまなく捜索した。結果は、ものけの殻であった。


「……武器はたくさん残されていた。しかし人だけいない……。まさか拠点を放棄したのか?」


 だとすれば最悪である。

 アドルフのような能力者は人と見るのではなく、城とみるのが普通であり倒すためには火力が必要。そしてそれを手っ取り早く補うには軍隊の力を借りるのが一番なのだが……。


「……いないのならしょうがないか。武器だけ拝借してここから出よう」


「コウタさんいいんですか?」


 良いも悪いも、それ以外にやることがなかった。それにそろそろ日没、この不安定な状況で夜で歩くのは危険だ。

 町は明らかに混乱している。今は静かだがいつ暴動が起きるかもわからない。


「帰るぞ。今は休もう」


 俺はそう言って外の沈む夕日に目を向け、絶句した。

 俺の様子に気が付いた三人もその現象を目の当たりにして目を見開いていた。


「た、太陽が……青く光っている?」


 沈みゆく太陽はいつもの美しい夕焼けから、徐々に青みがかった色へと変貌していった。そして完全に青色に変わると世界は青い夕焼けに包まれた。


「こ、コウタ……。怖い」


「コウタさん……」


 ミシェルとノアは怯えていた。

 ラビーも困惑を隠せず、動揺が明らかに顔に出ていた。

 まるで世界の終わりが近いかのような異変、数々の戦場を走った俺ですら寒気が走った。


「これも、あのアドルフとかいう老人がやっていることの一つなのか?」


 あの老人が関係しているのか、俺にはわからない。だがそうだと考えないとやってられなかった。もしもこの現象があの老人と関係なかったとすると、打つ手がなくなる。それはあまりにも恐ろしかった。


 ~~


 俺達は必死の思いで屋敷に飛び込んだ。すると、屋敷の奥の方からメイドさんが駆け寄ってきた。俺はその姿を見て安堵を覚えた。


「ぶ、無事でしたか! 良かった、本当によかった……」


 メイドさんはそう言うと二人の幼女を抱きしめた。


「心配かけた。が、安心ばかりもしてられない。俺たちがいない間に何が起こったのかメイドさんは知っているか?」


「そ、それが……、分からないんです。山から戻ってきてすぐに異変が起こって、屋敷でも家具が浮いたりしたのですべて片付けました」


 メイドさん曰く、あまりにも唐突だったという。


「くそ……、あのクソ野郎を倒すチャンスだって時にこんな異変が起こるなんて……」


 あの戦争犯罪者を生かしておくのは忍びないが、今はそんなことを言っている暇ではなくなってきていた。動くにも失踪した陸軍の行方が分からない事にはどうしようもない。


「どこから手を付けるやら……、あの老人に異変の事、陸軍の謎の失踪……、問題が山積み過ぎて……」


 俺は頭を抱えた。訳が分からない。どうしてこんなことになっているのか、どうして一度にこんな異変が起こっているのか、考えると頭がパンクしそうだった。未来から事情を知ってる人を連れてきたいと思うほどに俺は混乱していた。


「……随分と困っているようじゃないか」


 聞いたことのある声に俺は顔を上げた。声の方、廊下の向こう側にあのフードを被った男が立っていた。


「どこから入った! まだミシェルを殺そうと……」


「いや、もうその心配はない。もはやミシェルリコットを殺すのに意味はなくなった。が、お前たちに協力する意味はできた」


 フードの男はそう言うと拳銃を向ける俺に対して両手を上げて攻撃の意志がない事を示した。


「……なにか、知っているのか?」


 俺のただ一言の問いかけに、フードの男は頷いた。


過去にエタった作品の扱いをどうしてやろうか……。

全部俺たちの戦いはこれからだ的な終わり方かもう進めませんで完結文章を出すか、それとも思い切って消去するか……、悩みどころですな。

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