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第一話 ロリコンとロリっ子

さあ、前作が煮え切らなくかつえげつない内容だったのでこんなほわほわした内容になっちまったぜ……。

気長に見てください。

更新ペースはランキングにでも乗らない限りボチボチと言った感じです。

作風はえげつなくなることはないので安心して読んでください。

詳しい説明とかはしないので適当に解釈してください。

 俺は今事情聴取を受けていた。理由は簡単でロリコン誘拐犯と勘違いされたからである。


「だから俺はそう言う節操のない輩ではなく、この子の親的な存在でだな……」


「ぶーぶー!」


 隣ではブーイングをしているくそ生意気な何とも美しい見た目のクソガキが座っていた。今回の冤罪の理由を作った張本人である。

 俺は抗議の声に思わずいつもの調子でデコピンをくらわせそうになったが我慢。ここで手を出して話をさらにやかましくするわけにはいかないのだ。俺は急ぎ用事があるのだ。俺はというよりも、二人はであるが。


「……まあ、いいか。いや悪かったな、疑っちまって」


「いえ、大体うちが悪いのでお気になさらず」


「急いでるんだろ? セントラルバーナシティに行くんだろ? 送ってくよ」


 突然の嬉しい申し出に俺は警官の目を見た。突然冤罪を掛けられたときは殺意すら湧いたが、今この瞬間は言いようのない友情を感じていた。


「あ、ありがたいっす!」


「え? 歩かなくていいの? おじさんありがとう!」


 俺たち二人はそろって頭を下げる。ここ数日は汽車に乗り遅れたためずっと歩きでシティを目指していたため足は棒のようになっていたのだ。

 普段は生意気なクソガキも今回ばかりはお礼の言葉を口にした。


 ~~


 セントラルバーナシティまでの道のりは残り五十キロと言ったところなので馬車を使えばすぐにたどり着く。ということはつまりおよそ二百キロ近く歩いたことになるがよくここまで歩いたものである。自分でも感心するほどだった。


「俺はコウタ。元軍人で陸軍省からここまで歩いてきたんだ。軍を退役したんで療養地に行く途中でな」


「へえ、軍人さんだったのか。陸軍省からよく来たな。それで、こちらのお嬢さんは?」


「元国家特殊兵器部隊陸軍管轄支部、通称虐殺隊所属のミシャルリコットだ」


「フエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!? あの虐殺隊の人間兵器ですか!? 私はそんなお方にとんだ御無礼を……」


「元だ元。今は怪我が理由で能力を失ってるよ」


 警官のおっさんはそれを聞くと安堵の表情を浮かべた。その安堵がまだ能力者たちへの差別が消えていない実情を現しているようで俺は少しだけ苦しくなる。俺たちが退役する理由となった中央協定・南部連合戦争においてこの国を勝利に導いたのはこのあどけない表情の少女だというのに、人々はこの子たちをひどく忌み嫌っているのだ。ミシェルもいつもの生意気そうな表情ではなく悲しそうに、しかし諦めたような悟ったような、そんな様子だった。


「ミシェル、こっちこい」


 俺はそんなミシャルを呼ぶとあぐらの間に腰を下ろさせた。


「気にすんな。他人がどう思うか勝手だが、俺はお前のパートナーであり続ける」


 頭をわしゃわしゃと撫でまわし、おっさんに聞こえないくらいの声で俺はミシャルにささやいた。普段干し草を乗せているであろう馬車の荷台から漂う干し草の心地よい香りが静かに俺達を包み込んだ。


「当たり前だ。私たちは二人で一人、夫と妻だからな!」


「クソガキが……、ませたこと言ってんじゃない」


 ミシェルもいつもの調子が戻ったようでいつも通りの生意気な態度を見せた。

 そして、おっさんはその様子を馬車を操りながらちらちらとみていた。


「……コウタさん、あんた本当にそっち系の人じゃないんだよね?」


「違います信じて!」


「そっち系って何のことだ?」


「小さい女の子が好きなロリコンってことだ」


「そっち系だろコウタは」


 ミシェルは胸を張った。俺がロリコンだとさも当然のように思っているようだが、そんな彼女に俺はつらい現実を突きつけなければならなかった。


「俺は胸が大きくて包容力のあるお姉さん系美人が好みなの。お前みたいなクソガキ違う」


「クソガキとは失敬な! 同世代では発育はいいほうだと思う!」


「お前同世代の発育状況とか知らんだろ。このマセガキめ」


「あ、あと八年もあればボインボインのすーぱーおねえさんになるもん!」


 ミシェルは俺の胸ぐらをつかんで揺さぶる。顔は怒りで少しだけ赤くなっていた。

 俺はそんな怒りと希望に燃えるミシェルの戯言をハイハイソウッスネと一蹴した。


「……バーカバーカ! 死ね! いや死なないで適当に苦しめ! 紙のないトイレで悶え苦しめバーカ!」


 ついにミシェルの怒りが噴出し暴言が飛び出した。しかし基本的にいい子なので死ねという言葉には修正が加わった。

 ……と、そんな様子をおっさんはさらに怪しいものを見る目で怪しむ。完全に怪しまれているな……。


「お、見えてきたぞ。水と芸術の街、セントラルバーナシティだ」


 たわいもない話をしていると目的地にたどり着いたようでおっさんが馬車の前の方を指さした。そこは小高い丘になっており、町らしき物は見えなかった。


「なんもないぞ。幻覚でも見えてるんじゃないか?」


「失礼だぞ。あの丘の向こうですか?」


「ああそうだ。丘を越えたらすぐだから準備しとけよ」


 その時馬車の走っていた道の隣にある線路を汽車が走った。それは陸軍省のある町から出ているセントラルバーナシティ行きの汽車であり、俺達が乗ろうとしたが歩いた方が早く着くと思って諦めた汽車だった。

 つまり、わずかではあるがこの汽車を待っていた方が早く着いたということである。

 俺はすぐに隣のミシェルの方を見た。気が付いていないようで丘の方を楽しそうに見ていた。

 良かった。気が付いていたらブーイングからの無理難題コンボで非常に困った事態になっていたところだった。

 ミシェルはこちらをくるりと向くととてもいい笑顔で首を傾げた。


「さっきの汽車に乗った方がよかったね」


 しかし現実は非常である。気が付いていた。


「そうだなあ……、町に付いたら今日から住む屋敷に付くまでお姫様抱っこね」


「いや、それはその……」


「ん? 私は次の汽車待った方がいいんじゃないんかなっていったよね♪ 抱っこ!」


「……サー。お嬢様の仰せのままに……」


 結局町についた後は一通り店を見て回った。お姫様抱っこで。

 その日から俺はセントラルバーナシティでロリコンと言われるようになったとさ。

さて、寝るか。物語の構成でも考えながら。

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