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魔王の為なら働ける!  作者: ちょせ
9/16

9話 思惑と占いと魔女と。

領主を倒し、ひとまず家へ帰ると俺達は、逮捕されてしまった。

罪状は領主殺し。

当然である。

だが、その日の調査ですぐに釈放された、まあ、調査協力をさせられた訳だが。


あの領主ーディビット・ウィスは、

この街を訪れた小さな女の子、魔族も人族も関係なくさらって殺害していたらしい。

最近発生していた誘拐事件の犯人だった




地下室で見たあの白骨が、証拠となった。


領主による殺戮行為はまだ、皆には明るみにされていない。

その被害を確認中だからだ。

少なくとも十数人、殺害されていたようだ。


「はい、この子の親はまだあきらめずに探しています。事件を公表すればすぐに名乗り出ます。」


水田はその占いスキルにより、捜査協力している。

彼女は、あの人見知りの激しかった水田は、

助けたあと、俺に抱きついてひたすら謝って、泣きじゃくった。


理由も、だいたい聞いた。


だが、水田は謝りながら、強くなった。


以前は山根が居なければオドオドしていたのに今はしっかりと、調査している兵士とやり取りをしている。




「そう言えばさーあのスキルなんだったの?」

柊が聞いてきた。

「わからない。だけど勇者のスキルだった。」

俺もよくわからない、そしてあの時に目覚めたスキルは未だに俺の中にある。

「勇者、、か。天堂だけだったよね。」


異世界に来たときに天堂が得ていたスキル。それが「勇者」のスキル。


「そうだな。」

「まだ使えるの?」

「多分な。」


「勇者」のスキルは最強レベルで強い。

しかも、元々持っていたスキルもまだ使える。


「魔法も使えんの?」

「多分な。」

「まー、いっか。強いスキルは持ってて損しないし」

「スキルって増えるのか?」

「んーそのあたりは先生が調べてたはずだよ。」

「田中先生かあ、、」


田中先生は、この世界に一緒に来た1人。

先生の所持スキルは、あの時不明だった。

ただ、生存に長けたスキルであったことは間違いない。


「先生、探すか・・・・」



そんな話をしていたときだった。


兵士と話をしていた水田がこちらへ走ってきて、




「た、大変よ!アスカさんが倒れたわ!」






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マーストの町


上山は先日のことを思い返す。

西郷のスキル。。。

あれは一体なんだったのか?

スキルは今まであんな進化はしなかった。

たとえば、自分自身のスキル「商人」

これは金儲けに長けたスキルというだけではない。

ー幸運ー

ー珠算ー

ー交渉術ー

ー真贋の目ー


いくつかのスキルその、交渉術と真贋の目は後に取得したものだ。

取得したとき、その使用法が頭に流れてきた。

そして、「商人」のその「イメージ」から逸脱していない。

当然、剣術や魔法などは覚えない・・・・ハズである。


「武神」の場合も同じだろうと考えている。

つまり、「技」といえるスキルを、修行の結果や思いつきで取得していけるはず。


だが西郷のスキルは、そもそもからしておかしい。

「石を飛ばす」「穴を掘る」

こういう、役に立ちそうに無いスキルは幾人かが持っていたが、

冷静に、今考えると、「超能力」といったスキルになるような気がする。

所謂、エスパー・・・・

そもそものスキル、それは王国に召還された際に、鑑定され判明したはずだ。

その時に、そのスキル名を聞いたときに頭の中に、使い方が流れ込んできた。


それと・・・・


こういうスキルは俺たち、召還されてきた人間が持っていただけではない。

商売をするうち、この世界の人間、魔族もなんらかのスキルを持っていることは確認されている

だが、進化するといったことは聞いたことがないし、確認したことも無い。


だが、西郷のは明らかに違ったのだ。

完全に別のスキルになっている気がするのだ。

自分でそのスキルを取得したのか?

そのあたりのことは西郷に聞かないとわからないな・・・・


モヤモヤした感じが、この数日体に纏わりついてくるようだった。


「確か、先生が調べていたな。」


独自に調べているはず・・・

上山はその商業によって、広い人脈を得ている。

先生が今近くの町にいることは聞いているので、ひとまず、このことを相談しようと手紙を出すべく筆をとったのだった。







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「アスカ!大丈夫か!」

ドタドタと、埃を巻き上げ部屋へ入っていく。


「ちょっと、西郷君静かに。」

山根は唇に人差し指をあてて、しーっと、静かにのジェスチャーをする。


はっと、そうか、倒れている人間に対して大声は良くないなと思い、山根に事情を聞く。

昨夜の事だったらしい。

俺と柊が領主の屋敷にはいって、しばらくは外で待っていた。だが、ひとまず家へ帰ろうということになって帰宅。

何があったのか急に苦しみだして、倒れてしまったということだ。

そしてそのまま意識を失い、熱が出ている、ということだ。


「あ、蛍ちゃん帰ってきた。」

「ただいまー。アスカさん大丈夫?」

「うーん。何が原因か分からないんだよね。これ、治す方法って占える?」

「そうね、やってみる。」


そういって水田は水晶の玉を取り出し、覗き込むように額に当てる。


そうか、治す方法・・・とかで占えるのか。・・これけっこうチートスキルな気がするな。

占いって・・・


「うん、分かった。」

「ほ、本当か!?」

「うん。でも、なぜこうなったかとかは分からないんだけど、治す方法なら分かったよ。」

「ど、どうしたらいいんだ」


俺は冷静さを欠いていた。

アスカを拾ったとき、その時はなんとも思わず介抱をした。

死ぬかも知れないとか、病気だとか考えもせず。

でも、今はもう、それだけではすまない。

心配で心配で仕方がないのだ。


「ここから、少し北に森があるの。そこの入口に魔女がいる。その魔女に会えば、治す方法がわかるわ」

「そうか、じゃあ、行って来る。水田、山根、アスカを頼めるか?」

「うん、わかった。気をつけて行って来てね」

「柊、一緒に来てもらえるか?」

「おっけよん。アスカちゃんの為ならどこだっていくさ」

「ありがとう。早速で悪いけど、行こう。」


水田に地図をもらい、食料などを用意して馬車を受取りに行く。


そこで、「おい」と、声を掛けられた


「お前ら、大変だったようだな。」

あ、この街に来たときの金髪だ。確か、大使館の人間だったよな。

「ああ、今急いでるんだ。」

俺は相手をしている場合じゃあないと、この場をさっさと後にしようとする。

「まて、お前ら何処に行く?」

金髪はお仕事熱心だ。

「北の森だ。魔女を探しにな。」

俺は正直に答えてやった。

すると金髪は

「そうか、魔女か。あの人は人間だ。行くのなら、この酒を持っていってくれ。世話になってるんだ」

そういって俺に酒を手渡す。

最初は何ついでにみたいな、お使いさせようとしてるんだと思ったが、この酒が手土産になるのならそれはそれでいいか、と思う。良く考えたら手ぶらでいこうとしてたしな。

「わかった。預かってく。」

「すまないな、気をつけていけよ。北に向かう道はモンスターもでるからな。」

「ああ、ありがとう」


礼をいうと、柊と共に馬車に乗って、この街を出た。

馬車で3日

それが北の森までの距離である。











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