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ブラックストーンの謎

「んーとだな…頼み事というのはだな…」

「うむ」

ごくり…

謎の緊張感に唾を飲む。冷や汗が頬を伝う。

「人間界にあるブラックストーンを探してほしいのだ」

俺は聞き慣れない単語に首を傾げハテナを浮かべた。

「ブラックストーンっていうのはだな…黒い石のことだ」

「え…」

あまりにも漠然とした説明に俺はあんぐりと口を開け硬直した。やはり魔王という身分でも子供は子供なんだと自分に言い聞かせた。

「まあそんなこと言われても分からないだろう。実物がある、見せてやろう」

あるならば最初から見せた方が話が早いと思ったがあえて口には出さなかった。

怒ると面倒くさいしな…

「ほれ…これがブラックストーンだ」あれこれ考えている間にもマリアはブラックストーンを持って来て俺に軽く投げた。

「あっ…ぶね。そんな扱いでいいのかよ」

俺はギリギリキャッチしたのだが危うく落とすところだった。

「それにしても小さいな…本当に黒い石だ。名前もそのまんまだしな…」ブラックストーンはチャーミングな星形で表面に光沢があり直径僅か1㎝程でまじまじと観察しないとよく見えないほどの大きさだった。

「まあな…でもそんなんなのに魔界や人間界を滅亡させるくらいの魔力はあるぞ」

それを聞けば俺は慌ててその石を地に起きさっと身を引いた。

「その魔力をあやつは悪用しようと計画している。だから、ブラックストーンを探し出しその計画をお前に止めてほしいのだ…」

マリアは深刻そうに俺を見た。その目は真剣そのものだった。

「あやつ?」

「嗚呼…隣の魔界の恐ろしい魔王だ」

そして間を置き、

「お前も死にたくはないだろう?」と言った。

「そりゃそうだけどさ…俺にそんな大きなことできねえよ。」

そう言うのも当たり前だ。だって自分にそんなリスクを負うことはできない。「そうか…ふーん?ならばお前を殺すしかないな」

マリアはそう言い放った。

「何でそうなるんだよ!!」

「だって知ってしまったじゃないかブラックストーンの存在を」


「無茶苦茶な…」

俺は酷く後悔した。

頼み事を簡単に承諾してしまったときのあの馬鹿な自分を


でもここまで来て死ぬのも嫌だ。

「嗚呼もう!やるよ…」

仕方ないと思い投げやりにそう言ってしまった。

「本当か!!有り難な本当に有り難な」

マリアはパアッと笑顔を輝かせるなり俺の両手を掴んでブンブン振った。

本当…可愛いな…ったく。

俺は気恥ずかしく、頬を赤らめながらそっぽを向いた。

「じゃあ説明した通り人間界にあるブラックストーンを探し出して此処に持ってきてねー!宜しくチャン☆」

ざっくり説明するとマリアはスタスタと何処かへ行ってしまった。

「え!ちょ…宜しくチャン☆って何だよ」

苦笑しながらそう呟いた。


ふと、辺りを見回すといつの間にか理科準備室の中だった。

「げほっ…げほっ…それにしても理科準備室ってこんなホコリまみれなのか…」

理科準備室は長年使っていないせいなのかホコリまみれで蜘蛛の巣が張っていた。「それにしてもブラックストーンなんてどこにあるんだよ…」


独り言をぶつぶつ呟いていたためか俺は微かな声に気がつかなかった。

「ブラックストーンを知っているだと?」


密かに隠れていた黒い影に…


そして、またそいつもブラックストーンを探していた事に…

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