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華子(なこ)  作者: きりもんじ
2/18

危篤

翌日また同じ時間にケータイが鳴った。


「お医者さんから話があり、今痛み止め、モルヒネを打ちました」

「そうか」

「今は昏睡状態です。あと4日だそうです」

「わかった。明日の昼までにそちらに着くように行きます」

「すみません。よろしくお願いします」


ついにきたか。お前の方が先に逝くなんてなんてこった。

この信心を教えてくれたのはお前だったじゃないか。

不可能を可能にする信心。宿命転換、人間革命のための信心。

数々の奇跡を体験させてもらった。


入信して100日目、右目を失明する大事故を起こした。

言われたように真面目に真剣に実践してるはずなのに三障四魔は

起きないじゃないかと食って掛かっていた時だ。

この時は正直驚きもしたが不思議な歓喜を体験した。これは本物だと・・・。


それからの離婚。二度にわたる倒産。右足骨折。そのたびに題目で立ち上がり。

いつの間にか酒もたばこもやめて諸天に守られよき人と再婚し太秦に店舗を構えて

この19年。娘は結婚し孫は二人。息子と三人で幸せに生きてきた。


ところがお前の方は年に一度の連絡も取れなくなり5年前に久しぶりの電話。

「金銭トラブルで組織を除名になっちまった。入信40年目だっていうのによ」

という悲しい報告だった。


そして三年後。

「長女が睡眠薬を飲みすぎて死んじまったよ」

「おれの方も太秦の店舗を来年で出て行けということになった。お互い踏ん張り時だ。

お前が教えてくれたじゃないか。俺たち今試されてるんだよ。難来たるをもって

安楽と心得べし。賢者は喜び愚者は退く、今こそお題目をあげきって頑張ろう!」


これが克彦との最後の会話になった。

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