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華子(なこ)  作者: きりもんじ
11/18

題目

さあ今晩は徹夜でお題目を上げ続けなければ、

気を抜くと酸素の値が急落ということがあるから恐ろしい。


腰を据えてお題目を上げ続ける。種々の雑念とともに妄想が

頭の中を駆け巡る。これは仕様がないことだ、だって凡夫だもん。


真剣にお題目をあげても最初の1時間くらいは妄想ラッシュ。

落ち着いてくるのはそのあとだ。知恵と勇気がみなぎって

何でこんなことに気付かなかったんだろうってことは山ほどある。


S学会がつぶれないのはこういった信心の確信をつかんだ人がごまん

といるからだ。これからも着実に全世界へ広まっていくことだろう。


克彦はこの瞬間何を感じているのだろうか?死の間際に心残りがある

とすればやはりアキコの自死。これは紛れもない事実。残念だったろうな。

さらにもう今は華子とトコのことにちがいない。


千葉松村家の宿業は娘の青春をも食いつぶしてしまった。同志からの借財、

女性問題はご法度だとは十二分に知ってただろうに、なぜだ?

いつからこんなに狂っちまったんだ?信心強情なひろこがついていながら?


お前の望みは何だ?俺にできることは何だ?意識あるうちに間に合わなくて

聞けなかった。夢の中でもいい教えてくれお前の最後の望みを。


酸素は75のままずっと安定している。午後10時、看護師さんが様子を見

に来て、

「安定してますから今晩は大丈夫でしょう。御休みになった方がいいですよ」

と言ってくれた。


『克彦悪い。眠るわ』治はベッドに横たわるとすぐに寝入ってしまった。

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