雨降る日
朝、雨が降っていた。
休み明けの学校は怖かった。特に今日は。
昨日の夜、久しぶりにあいつとメールしたから。あの日以来、私がメールしても全部無視するのに、昨日は無視しなかった。
私はあいつに会うのが怖かった。
部活の朝練習が終わりクラスへ向かうと合唱祭が近いからか、たくさんの歌が聞こえた。
私のクラスも合唱の練習をしていた。それを仕切っているのはテノールパートリーダーの昂平だった。
教室のドアを開けると同時にチャイムが鳴る。それと同時に昂平と目が合う。
でも、私はすぐに目をそらしてしまった。
急いで席に向かうと彩(彩加)が先に私の後ろの席に座ってた。
「おはよッ」
「悠里、今日は少し遅くない?」
彩は小声で聞いてきた。
「ぅん、ちょっとパートでいろいろあってね」
私は笑いながらそう答えた。
「クラパって大変だね」
「まぁね」
その時まだ私は気付かなかった。彼が近くにいることを。
ホームルームが終わり、廊下で他クラスの由希の元へと向かう。
由希はいつものように私のクラス(2組)の前にいて、いつものように同じ人を見ていた。
「もぅ告っちゃいなよー」
私のいつもの由希へのあいさつはこれだった。
「えっ、ムリムリ!!」
由希は顔を赤くする。
「行けると思うのにー・・・。だって絶対に気付いてるよ?」
「そんなことないよ!!」
由希はすぐ顔を手で覆って赤面を隠す。
「呼ぶ?」
チャイムが鳴った。由希は走って2階へ向かう。
昂平はこっちを見ていた。
きっと、昂平は由希の気持ちに気付いているのだろう・・・。
そう思うと、なぜだか心のどこかがモヤモヤしてきた。
1時間目は国語だった。
今日の国語の授業は割と楽で、ずっと彩と話していた。
でも、気が遠かった。話していても、考えていることはまったく別だった。
そして、チャイムが鳴り席を立った。
「ねぇ彩、今度って三泊四日だよね?」
「ぅん、そうだよ?」
「なに持ってけばいいのかなー!?」
私は少し大きな声で言ってしまったからか、気付かなかった。隣に昂平がいるなんて。
きっとさっきからいたんだ。でも私は知らないふりをしていた。
「全国、俺も三泊三日だったー!」
私と彩は目を合わせた。だって、日本語がおかしい。
それに、なんで突然話に入ってくるの・・・?
私はそう思う方が強かった。
「東京だろ?」
私は無視していた。
「東京行くんだろ?」
何回も聞いてきた。私は無視できなかった。
「ぅ、うん」
彩は気付いた。私はそれでも焦って、隠そうとした。
「てか、三泊三日ってなにー!?」
私は偽の笑顔を作る。けっして昂平の顔は見ないで彩か、下を見て言った。
「はっ?俺、そう言ってた?」
「ぅん、言ってたよー」
なんで私はあんたのために笑ってなきゃいけないの?
私は昂平を嫌いになろうと必死だった。
私は気付いていなかった。閉めたはずの扉が開きかけていることを。
まだ、気付かなかった。気付いても、気付かないふりをしていた。
これからどうなるかも知らないで・・・。
なんか、ちょっと間違えちゃって、これ、書き直したのです・・・。
なので思っていたのと少し違くなってしまいました。
えっと、これからも読んでいただけるとうれしいです。
応援よろしくおねがいします。