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初めての実践授業は最悪です



慌てて教室へ行ったものの、すでに手遅れで授業が始まっていた。



「1番勉強しなくてはいけない人が遅刻って…退学になりたいのかしら」



このクラスの誰よりも私を退学させたいらしい、公爵家のご令嬢シルビアさんから冷ややかな視線と共に、皮肉な言葉を放たれる。


その言葉に、シルビアさんの周りにいる人たちも、クスクスと笑い出していたたまれない空気になった。



「アルディアさん、早く席に座りなさい」

「は、はい。すみません」



女性の先生は、欠けている眼鏡をクイっと上げながら言う。

私の席って、成績順(主に魔力量)になっているから、最下位である私は1番後ろ。


座ればなんともないけど、そこに行くまで視線を感じて気まずいんだよね…。


座ってからチラッと周りを見ると、私と対比…最上位の人が今日も咳を外していた。

入学してから一度も見たことがない。



「ーじゃあ、今のことを踏まえて2人1組で実践にやってみましょう」



突拍子もないタイミングで先生が絶望的なことを言う。

クラスは、1クラス40人で1人いないことをすでに確認している。



あの、私1人になるのでは…?




***




嫌な予感はやはり的中して、1人となった。


実践の内容は防御魔法。攻撃を回避しきれない時に、ドーム型の膜を張る練習で実際に攻撃をして防げるかをやっている。


属性によって膜の色が違い、膜を張れても攻撃を受けると魔力が安定しなくて、ガラスを落としてしまったかのように壊れる人もいた。


まずは、私も膜を張れるように部屋の隅で1人黙々と練習する。



「んー、ドーム型ってアーチを描くようにすれば良さそうだけど、難しいな」



そもそも魔力があるのかもちょっと怪しいのだ。

けど、私はさっき術式を解除することができたから、ないことはないと思うんだけど…



そんな独り言を漏らすと、いつから近くにいたのかシルビアさんとその取り巻きが、見下したように笑っていた。



「アルディアさんってこんな簡単なこともできないの?ああ、そっか。魔力がないからできないのでしたね」



彼女は、艶のあるブロンズの毛先をくるくると弄びながら、更に近づいて来る。

その取り巻きである2人も腕を組んで、私を見下ろす視線は明らかに軽蔑。


嫌ならほっといてくれればいいのにと思う。


けど、彼女は私と同じ公爵家の生まれで将来私たちは、王太子妃候補である。

そして、その候補達の中で一番優秀な人が選ばれるという意味のわからない噂が流れているのだ。


ちなみにその王太子妃候補は、この学園には私とシルビアさんしかいないから彼女は私を、目の敵にしている。

落ちこぼれと罵って自ら私がこの学園を去るように。



その授業は、ずっと嫌味を言われながら過ごしたのだった。


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