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落ちこぼれの少女②

◇◇◇◇◇◇



ーー戻って現在




「てことが、入学早々にあって友達がいないの」

「…」

「ねえ、カイル聞いてる?」

「いちいち確認しなくても聞こえてる」

「急に黙り込むから…とにかくここから出ないと!」



私は立ち上がって、術式が組まれている扉に目を向ける。


確か術式は、その術式に込められている魔力より多い魔力を使った魔法なら解除できるって、試験の問題に出題されていた。多分、私が魔法を使えないのを知っている人間だから魔法さえ使えれば…



「カイル、どうしたらいいかな?」

「時間になれば誰かくるだろ」

「それじゃあ、授業に間に合わないよ」

「別に俺は元々サボるつもりだし関係ねえよ」



私に背を向けて目を瞑ってしまうカイル。どうにかしようって頑張っても、私1人では絶対に不可能だ。



「私に魔力の出し方を教えて」

「だるい。勝手にやってろ」

「お願いカイル!このままだと退学になっちゃう」

「知るかよ、諦めろ」

「…諦めるのは簡単だけど、ここで諦めたら私は一生孤独になる」



魔力がない=魔法は使えない。


それによって今のように学園でも、家に帰れば親からも魔法を使えないだけで、心無い言葉を放たれる。


『アルディア家に生まれて、魔法が使えないなんて存在価値がない』

『今日もなんの成果がないわけ?恥を知りなさい』



など、顔を合わせるたびに言われていて、最近では私の存在が元からなかったかのように、無視を貫かれている状態だ。


私は私の存在を認めてほしい。皆が憧れる大魔法使い様になりたい。



「魔法が使える可能性が0%でないなら、その可能性を信じたいの」


そのために、出し惜しみなく頑張る。

私は、落ちこぼれじゃないって証明するんだ。



「…魔力の流れは、血液が流れているのと同じイメージだ」

「え?」

「諦めたくないんだろ」



背を向けていた彼は、いつの間にか切れ長の瞳が真っ直ぐ私を見ていた。



「ありがとう、カイル!」



まずは、私にも血液と同じように魔力が流れていると意識する。


落ち着いて、扉の前に手をかざして放つように。




✳︎✳︎✳︎




随分と試したけど、一向に魔法が使えない。

術式を解除して穏便に済ませたかったけど、物理攻撃で扉を開けるしかないと思った。



私の馬鹿力舐めないで…!



「え…?」

「お前…!属性は!?」

「魔力がないから測定器で測っても、何も出ないの」



なぜ急に、そんなことをカイルが聞いたのかー


それは、さっきまで開かなかった扉が突然淡い光を放って、術式が解除され開いたから。

正確には、解除されて粉々にドアが壊れた。



魔法が使えない私が、扉を蹴っただけで解除されるはずがない。


てっきり私は、彼が魔法を使ったのかと思っていたけど、使った様子はなくむしろ、術式が解除されてひどく驚いている。



「なんで開いたの…?」

「実はお前が魔法を使えるからじゃねえの?」

「え、私が魔法?」

「説明は気が向いたら教えてやる。授業、出るんだろ?」

「カイル、本当にありがとう!大好き」

「早く行けバカ」



耳まで赤く染めたカイルにぶんぶん手を振ってから、急いで私は教室へ向かった。



「あいつの属性って…まさかな」



その後の彼の意味深な発言が、私には届くことがなく…


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