3.5
片頭痛でしんでました
街の外れに残された病院。
外壁はひび割れ、窓ガラスはほとんど砕け、夜風に吹かれたフェンスの軋む音が耳に障る。
今や人の立ち入りを拒むかのような雰囲気を醸し出している。
本来ならここは、かつて人々の命を支える病院だった場所だ。
だが健康管理AIと《回復式》の普及によって、中規模以下の病院はほとんど役割を失った。
病気や怪我を家庭で処置できるようになった時代にわざわざ病院に通う人間などいない。
そして、ここも例外なく閉院になったのだろう。
「今じゃ、死体も寄り付かないってわけか...」
そう呟き、闇に包まれた病院を見上げる。
耳元のイヤホンからヤタの声がする。
「おいドーマ、ドローンからのスキャンが入った。廃墟内部に動体反応がある....全部で四つ。三つは人間、一つはスクラップだな。あン?それと...」
一瞬の沈黙が流れる。
「こいつァ...おそらく犠牲者がでてやがんな、どうする?」
ヤタの問いに答えず、俺は無言で病院に向かって歩きだす。
「チッ....甘ちゃんがよォ、仕方ねェな。内部映像出してやるよ」
内部映像がドローンによって、投影される。
女子高生が三人、二手に分かれて逃げている、二人は出口方面に向かっている、残り一人は真逆の廃病院の奥に向かって式神に追われ逃げている。おそらく囮になっているのであろう。
「近道をする...病院の中庭までドローンで運んでくれ。」
そう言ってヤタのドローンにつかまる。
「おい!ふざけんなッ!重量オーバーだッての!あとこいつはお前が思ってるより高ェんだぞ!!」
怒ったヤタが声を荒げる。
「命より高いモノもないだろ?」
俺がそう言うと、イヤホンの向こうから大きなため息が聞こえ、続けて言う。
「ぶっ壊れたら、テメェが弁償しろよなッ!!」
人に甘いといいながらも彼も相当に甘い男だ。
そういう彼の優しさに頼っているのも俺なんだが。
そんなやり取りをしながら俺は夜の空を駆けるのだった。
今日は二連続ですき家で、昼はキムチ牛丼、夜はフリスビー丼たべました。




