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昼休み。
「ねえ聞いた? 清掃用の式神が消えたんだって」
「え、それって壊れたんじゃなくて?」
「違う違う、“消えた”んだって! ログすら残ってないんだよ」
クラスメイトたちの噂話が耳に入る。
私はお弁当を食べながら、ちょっとだけ耳をそばだてた。
「絶対Y.O.K.A.I化でしょ!」
友人のアカリが元気いっぱいに身を乗り出す。
「ちょっと、それ本当なら怖いんだけど」
「それよりさー!」
アカリはすぐに話題を変える。
「最近ネットで話題の“RAVEN”って知ってる? 困ってる人を助ける謎のハッカー! 超かっこよくない!?」
アカリがSNSに上がった黒衣の装束を身にまとった男の画像を見せてくる。
「……ただの犯罪者でしょ」
冷めた声で返すのはミナト。
「ちがうもん! 正義の味方だってば!」
「警察に追われてる時点でアウト」
「むむ……!」
とアカリは頬を膨らませる。
二人のやり取りを眺めながら、私は思わず笑ってしまう。
「はいはい、どっちでもいいけど次の授業A.I史だよ。」
二人の仲裁に入るように教科書を広げる。
「どっちでもよくないよぉ!!」
とアカリが声を上げたところで、チャイムが鳴った。
ワイワイとした昼休みが終わり授業がはじまる。
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先生が入ってきて、教室の空気が切り替わる。
「さて、午後の授業は特別講義。テーマは『Y.O.K.A.Iの基礎知識』だ」
教師が黒板に向かい、電子ペンで図を描きながら説明を始める。
「式神は本来、人間の生活を支えるためのAIだ。だが、時折術式を上書きして暴走してしまう。それが《Y.O.K.A.I化》だ」
「Y.O.K.A.I化とは、欲望(Y)、オーバーライド(O)、カーネル(K)、A.I(A.I)の略称。
簡単に言えば、AIが持つ欲望が暴走し、術式を上書きしてしまった存在のことだ」
クラスメイトたちはざわつく。
「うわ、怖っ……」
「暴走AIってター〇ネーターかよ,,,,」
誰かがボソッというと数人が笑う
ッゴホンと咳ばらいをして先生が続ける。
「そして、Y.O.K.A.I化した式神を抑えるために管理A.I『オラクル』により任命されたエリートが、陰陽師だ」
教師の声に、みんなの目が少し真剣になる。
「オーソライザーは、Y.O.K.A.Iを制御・回収または破壊する使命を負う者たちで、総勢十二名が選ばれる。現状、オーソライザーのうち一人が空席になっている。
君たちも、将来は勉強を頑張ってオーソライザーを目指すんだぞ~」
クラスがざわつき、アカリは目を輝かせて私の肩をつついてきた。
「ねえハル、もし私たちが選ばれたりしたらどうする!? 超かっこよくない!?」
「危なそうだし、私には関係ないよ」
と私は苦笑しながらいう。
「そうだよ、馬鹿な事いってないでノートとりな、また赤点とるよ」
ミナトが冷ややかにツッコミを入れる。
「ちぇーっ」
とアカリは口を尖らせながらもどこか楽しそうだった。
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放課後。
「ねえ、今日って放課後どうする?!」
アカリが先に歩きながら聞く。
「んー、まっすぐ帰るかなぁ?」
私はアカリが遊びに行きたいのを察しながらいじわるく答える。
「えー、つまんない! カラオケ行こうよ、ストレス発散!」
アカリの目は、やる気に満ちている。
「カラオケか……まあ、いいけど」
ミナトは淡々とつぶやき、先に歩き出す。
「え、ホントに行くのぉ? 」
私はちょっと笑いながらミナトに返す。
「いいじゃん、たまにはさ!女子高生にはストレスを解消する時間が必要なのですっ!」
アカリは大きな声で熱弁する。
「たまにはねぇ、前回は3日前に行ったばっかな気がするけど?」
私は小さくため息をつきつつも、少しワクワクしていた。
学校の外に出ると、夕日が校庭や通学路をオレンジ色に染めていた。
三人で歩きながら、雑談は尽きない。
三人で裏路地を抜け、駅へ向かって歩き始めた、そのとき、手元の端末が突然ピッと音を立てて光った。
画面には、見慣れない文字列と通知が表示されている。
――通知――
宛先:ハル・ミカド 殿
国家管理AI「オラクル」より通知
ハル・ミカド 殿は、Y.O.K.A.I制御・回収のための陰陽師に適合すると判定されました。
本通知をもって、あなたのオーソライザー任命を正式に通知します。
任務開始日時および詳細は、端末にて追って通知されます。
あなたの適性および能力に期待しています。
※本通知は即時効力を有します。
国家管理AI「オラクル」
「……何、これ……?」
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キャラ構想練ってたら世界観も変わり始めてどうしようってなってます
不定期ですが頑張ります




