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造語ばかり出てくる回です。
教室に入るとクラスメイト達は昨日の騒動の噂話で盛り上がっていた。
私を見つけるとクラスメイトが寄ってくる。
「ミカドさん、昨日、大丈夫だった?!」
「Y.O.K.A.I化した式神がいたってマジ?!」
「RAVENも出たんだって?!」
などと友人やあまり話したことがないクラスの子たちからも次々と質問を投げかけられる。
アカリやミナトに助け船を出してもらおうと二人のほうを見るが、アカリは私以上に人に囲まれていて、てんやわんやに、対するミナトは机に突っ伏して狸寝入りを決め込んでいる。
適当に質問をいなして居るうちに時間が経ち、朝のチャイムがなり教師が入ってくる。
「はい、全員席につけ~」
そう言うとみな慌ててガタガタと机の音を立てながら座りだす。
教師が深刻そうな顔をしながら続ける。
「みんな知っての通り、昨日近隣でY.O.K.A.I化の事件があった。うちのクラスにも事件の関係者がいる」
そういい教師はこちらに目配せをしてくる。
「非常に危険な事案だったため本日は予定変更が入り、六時限目が全校集会に代わり、一時限目にあった
体育が無くなり、一時限目に六時限目のA.I史が入ることになった」
教師がそういうとみな口々に「えー」とか「マジかよー」と残念がる。
アカリに至っては絶望し顔が青ざめている。
朝礼が終わると私とアカリとミナトが教師によばれ軽く注意を受け、放課後に校長室に来るようにと言われる。
アカリは「昨日、行くんじゃなかった」とぼやいていた。
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チャイムが鳴り、教師が黒板の前に立ち授業を始める。
「本日のA.I史の授業を始める。テーマは『A.Iと二ホン国』だ」
教師が黒板に簡単な二ホンの地図を描く。
「歴史の授業で習ったと思うが、過去にはこの二ホンは47の都道府県というもので分かれていた、地方行政の簡略化や効率化がA.Iによって容易になり「第二次廃藩置県」と呼ばれる「廃県置都」により本来はトーキョーのみが存在するはずだった。」
そう言いながら、二ホンの真ん中を電子ペンで線を引き二分割する。
「現在の二ホン国は人類の生存圏である機械都市トーキョーとY.O.K.A.Iの支配する新人類都市キョートに分かれている。新人類都市ってのはY.O.K.A.I達が勝手にそう名乗っているだけなんだがな。」
教師は地図内にさらに書き足す。
「人々とY.O.K.A.Iの争いが絶えないのを見かねた管理A.I『オラクル』はフクイ区、シガ区、ミエ区から東側をトーキョーとし、キョート区、ナラ区、ワカヤマ区から西をキョートとして制定している。」
前の席に座っている男子が「ガチで〇ーミネーターじゃん...」と小声でつぶやくと、周囲が小さく笑う。
でも、私はその空気で笑えなかった。昨夜見た式神と人間の戦いの光景を思い出して背筋が凍る。
教師が生徒たちの反応を気にすることなく、さらに説明を続けようとした瞬間。
ピシャ っと教室のドアが勢いよく開かれ、全員の視線がそちらに向く。
そこには白い制服を着た二人の男女が立っていた。
女性のほうは、制服をかっちりときて背筋もピンと伸びていて無駄のない立ち振る舞い。
男性のほうは対照的に気だるそうにしていて、制服を着崩していて咥えたばこが目立っていた。
「な、なんだね君たちは!」
教師が慌てて声を上げるが、女性がそれを無視して切り裂くような冷たい声で告げる。
「オラクルの指令により、ハル・ミカドを拘束、及び連行する!」
その声は教室に響き渡った。




