プロローグ
はぁ…はぁ…
足が震え、息が続かない。
廃墟の瓦礫の上を必死に駆け抜ける。背後からは、追ってくる式神の重い足音が響いてくる。
「ふぅ…」
一息つく間もなく、足首が熱く刺すように痛んだ。血が靴下を染め始めている。
治さなきゃ…
取り出したのは、市販の低級術式の紙.。
「術式起動…回復式」
紙がほのかに緑色に光る。温かい光が傷を包み込み、じんわり痛みが和らいだ。
これで怪我はなんとか大丈夫だろう。
だが、安堵は長くは続かなかった。
「術式ヲ検知、右後方25メートル」
「嘘っ!!バレた!?」
心臓が跳ねる。式神は、私の術式も動きも、すべて感知できるのだ。
迫る気配に、私は再び走り出す。
息が切れ、鼓動が耳をつんざく。
だが相手は生体をもたない機械。こちらがどんなに疲れていようとお構いないのだ。
不意に視界が反転する。
瓦礫の間に足を取られ、転んでしまったのだ。
「私、がんばったなぁ」
式神を相手によくここまで逃げたものだ。
もしこの状況から逃げおおせてたらアスリートを目指してもいいんじゃないかと、
何度か頭によぎったものだ。
そんなことを考えてる間にも式神があと数歩のところまで迫っている。
しかし、もう私は動けない。
動けたとしても攻撃をかわすこともできないだろう。
式神の巨駆が大きな腕を振り上げる。
私は次の瞬間を悟り目を閉じる。
「・・・・・・・?」
覚悟を決めてから数秒経ったと思う。
一向に腕が振り下ろされる様子がない。
私はもう死んでいるが、目を開けたら天国で痛みもなく死ねたのでは?
という最悪の楽観視とともに恐る恐る目を開ける。
最初に目に留まったのは夜を飲み込むような「黒」
真っ黒な外套を着た男が私の前に立っていた、彼の前で式神は腕を振り上げたまま
硬直していた。
「術式介入成功」
それが彼との出会いだった。
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小説を書くのが初めてなので拙い文章ですが、ゆっくりと自分のペースで書いていきたいと思います。




