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精神世界

 暗い夜、月夜の明かりだけを纏ったバルコニーで企みは明かされる。

 黒猫を中心にして輪になるような形で話は始まった。



 少女、紅葉とその母親は今日のハロウィンをとても楽しみにしていたこと。

 その母親が突然倒れある病院に入院をしていること。


 

 「で、それでなんだって言うんだい?」



 「だからさ、彼女と母親にハロウィンをさせてあげようって言ってるんだよ」



 「……何で私達がわざわざそんな事しなきゃならないのさ」



 クレアを始めその場にいた誰もが理解できないといった顔をした。


 

 「単なる気まぐれだよ、このまま帰るのも面白くないだろ」



 瑛はふっと鼻で笑って言いのける。

 そんな理由では誰も賛同しないだろうと思われたが、意外なことに一番賛成しないであろうと

思っていた椿が、いいじゃない面白そうでと声をあげた。



 「あんた本気!?私達には何の得にもならないんだよ?」



 「こんな所に呼ばれて、何もしないで帰る方が損でしょ」


 

 そうだ、確かにハロウィンでお菓子を集める為に来たクレア達はまだお菓子という

“儲け”がある。

 しかし椿は瑛の気まぐれの為だけにここにいる。

 確かに何もしないで帰るのでは何の得も無いのだ。


 

 「それもそうだ、で、椿をここに呼んだ理由は?」



 今まで成り行きを見ていた匡が口を挟む。


 

 「椿は夢に入れるだろ、だからさ」


 

 夢魔は人間の夢に入ることが出来る。

 そしてその夢を人間から盗んで自身の糧とする。


 

 「入ってどうする?病気が治るわけでもないだろ」


 

 「馬鹿だなぁ、ここの娘と母親を精神世界で引き合わせる。

そこでハロウィンパーティーの始まりってわけさ」



 夢に入れるだけでなく、夢から夢へわたることが出来る夢魔の特色を生かして

未だ目覚めない母親と紅葉を引き合わせようというのだ。



 「うまくいくかねぇ」


 

 「成功させるにはあの娘にも寝て貰わないといけないわ」


 

 「その辺の問題はこれから打ち合わせるよ」



 どうやらこの計画は実行決定らしい。

 夜はまだまだ続く。 

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