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悪魔の嘆き

作者: 朱雀桃子

鈴木小太郎は、突然死んだ。

いつものように、朝会社に行く途中に心臓発作によって、ころっと死んでしまった。

小太郎は、意識が無くなっていく中、

【あぁ・・つまらない人生だったな・・】

とポツリ言った。


そして小太郎が死を覚悟し、目を閉じたとたんに悪魔がやってきた。

小太郎がたまに読む漫画にでてくる、羽が生えてて、牙が鋭くて、爪が長い、小太郎の知っている悪魔だった。


悪魔はニヤっと笑い、目を閉じながら小太郎にこう言った。

【お前は宮城県仙台市青葉区の鈴木小太郎で間違いないな?お前は今日死ぬようになっているのだが、お前が私と契約すれば、生き返らせてやろう。なあに、ただお前が、契約する、と言えばそれで終わりだ。契約さえすれば、生き返る事はもちろん、悪魔の能力もお前に授けよう。悪魔の能力とは、人間には無い様々な能力。たとえば、人間や動物、そういった者を操る事もできるし、空も飛ぶこともできる。その他にも、人の夢に入り込んで、いたずらするなんて事も可能だ。どうだ?面白いだろう?悪魔の能力は無限だ。お前が望めば望むほど形になる。お前が知っている偉人でも、悪魔と契約した者が多数いる。歴史の教科書に載っている奴らなんざ、大抵契約しているもんだ。そこで気になるのが、リスクだ。お前も今気になっているのだろ?契約したら、自分は何をしなければいけないのか?そんな事を考えているのだろ?しかし、そんな事は考えなくていい。リスクなんてものは無いのだ。どういう意味かわかるか?お前が想像していたのは、こうだろう?契約する代わりに、魂を売るだの、死後に永遠の苦痛を味わうだの・・そんな事を考えていたのだろ?だが、心配しなくても大丈夫。俺ら悪魔は楽しめればそれでいいんだ。お前が俺と契約し、思う存分人生を満喫してくれれば、いいんだ。お前の興奮やスリルやエネルギーが俺の楽しみなんだよ。だからお前は何も俺の事は考えなくていいんだ。生き返ったら、思う存分、今までできなかった事をすればいいんだ。俺は悪魔だが、けして嘘はつかない。どうだ?これで契約の意味がわかったろ?どうする?契約するか?鈴木小太郎!】


と長々の台詞と言った後に、目を開けた悪魔の前には、小太郎ではなく、悪魔がいた。

そして、目の前の悪魔がこういった。

【あんたの話が長いから、先に俺と契約したぜ。】

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― 新着の感想 ―
[一言] 好きな文体だったので、私は読みやすかったです。ただ、悪魔の勧誘が必死なのは分かるのですが、少し長いと感じてしまいました(途中で一呼吸入れて欲しかったかも)。 オチは面白かったです。でもやはり…
2009/08/05 17:55 退会済み
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