解釈
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「はーい、質問です。記憶を消したら元通りになりませんか?あと、そんな課題なんてさせないで記憶を消してゲームに戻せば良いんじゃないですか?」
やる気の無さそうに奏音が問えば、セアは死んだ目でその姿を見て溜め息を吐いた。
「あのですねぇ…記憶を消したら初期状態に戻り、本来の姿に戻る可能性は確かにあります。ですが、貴女方の場合はこのまま初期状態に戻した所で解決できそうなバグではないのですよ。その程度のバグならこちらだってこんなややこしいことなどせず記憶を消して本来の世界へ返します。それが出来ないからこの場に貴女方はいるのです。ここでバグを失くした時点でやっと本来の姿に戻すことが可能となるということです。もし、ここでの記憶を残したままゲームをスタートさせてしまうと、それはそれで本来のゲームとは異なってしまいます。なので記憶を消すのです、ご理解いただけましたか?」
「分かったような分からなかったような?!」
「すみません、分からない単語が多いので私なりの解釈に変えてみたのですが、この認識で間違っていないか確認をしていただいてもよろしいですか?」
北澤が申し訳程度に手を挙げながら言えば、セアは頭を抱えたままどうぞ、と言った。
「えっとですね、ゲームというのがまず分からなかったので、何かの物語か何かかと仮定しまして、本来の物語に出てくるはずの人物たちと私たちがかけ離れてしまっていて、それを直すためにここに連れてこられた。直す期間として1カ月を今私たちは提示されているという認識で合ってますか?」
「あってます。貴方頭良いですね」
北澤の解釈を聞いて私もある程度分かるようになったのだが、この何もない空間に1カ月もいることになるのだろうか。




