バグです
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「はい、次は貴方です。彼女を見て何か感じませんか?!」
セアが北澤を見ながら奏音を指させば、北澤は奏音とセアの指を交互に見た。
「何か、とは何のことでしょう。特別何も感じませんが?」
「まぁ、ちょっと、いえ、かなり変わった主人公なので彼女を対象にしたのが間違いだったかもしれませんが、本来の貴方は主人公に一目惚れして男前になっていく流れなのに貴方は全く恋愛の方に進まず、ルート何かあるのかと呼ばれるレベルにまでなってしまったんです!ただの友達ルートなんて誰も望んでないのです、貴方と恋愛するのを楽しみにしているんてすよ、プレイヤーは!」
そう言われましてもね、と悩む北澤の姿を見ていれば、次にセアは私を指差した。
「最後に貴女です!何主人公と普通に接しているんですか?!貴女、悪女だという自覚はありますか?!」
「悪女?」
とは何のことだ。
「それと、この人を見て何か思いませんか?!」
セアは北澤を指さしているが、北澤がどうかしたのだろうか。
特に思うことはないが。
「何も…思いませんけれど?」
「それが可笑しいのです!良いですか、貴女は彼に一目惚れして、主人公と彼が仲良くしているところに腹を立てやりたい放題にことを進める悪女なんですよ。それなのに何故主人公と普通に接しているのか、彼を見ても何も思わないのかが謎なのです!」
一気に捲し立てたセアはぜぇせぇと息を吐き、息が整った所で再び口を開いた。
「今のがバグと呼ばれるものです。皆さんにはここでその問題を解決して貰うため、いくつかの課題をクリアしていただきます。長々とやるつもりはないので、その課題にも期間をもうけます。
期間は約1か月。この1ヶ月の間にバグを解消させることが出来れば本来のゲームの世界へ戻ることができます。ちなみにゲームの世界へ行ったとき、ここで過ごした記憶はリセットされます」




