デレ変換
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「はいその次!手錠をどうにかしようとしている貴方です!何をどうしたってここから抜けられませんし、手錠も外れないんです。諦めてください!」
「諦めたくない」
「ぐっはぁ!言われたい、そのセリフ!ねぇ、千智君、もう一回あたしの顔見て同じこと言ってくれない?」
手錠を引っ張りながら奏音が言えば、千智は顔を背け口を閉ざしてしまった。
これは言いたくないということだろう。
それにしても奏音は何に興奮しているのだろう。
興奮するようなセリフがあっただろうか。
「どうしてそっぽ向くの?!言ってくれてもいいじゃない!」
「もう、話がそれてしまいました……貴方には女心を理解し、デレるとはどういうことなのか、どういう行動を貴方にとって欲しいのかというのをこの一週間で学んでいただきます」
「何だその意味の分からない課題は」
「貴方の本来あるべき姿にはそれらが備わっているんです。備わっていない部分を取り上げるとそういう内容となるわけです」
「俺は俺だ。あるべき姿なんて知ったことか」
「その考えではいつまで経ってもその手錠は外せませんよ」
「え、もしかして、これはあたしと離れたくないから態度を変える必要はないっていうデレ?!」
「どんだけプラス思考何ですか、貴女は!しかもツンの部分を自分なりにデレに変えるのやめてもらえませんかね?!皆が皆デレたと理解できるようなデレじゃないと意味がないんですよ!」
千智の話をしていたはずなのに、奏音が割込み過ぎて話が次々と脱線していっている。
これではいつまで経っても私や北澤の課題の話に行きそうにない。
「いやぁ、もうこれはこっちが千智君のツンをいかにデレに変換するかが重要になってくるのではないかと思いましてね」
「変換しなくていいです。貴女が彼に慣れないでください。それでは全く意味ありません」




