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雨上がりを待つ君とひとつ屋根の下で  作者: 秋日和
第一章 創部編
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8.日々を過ごす

 少しでもこの部室が櫛芭(くしは)の望んでいるような部室になったら、とそんな調子でテスト習慣を過ごし第一回定期テストは終わった。

 部室でテスト勉強するの普通に良いな、なんか普通に集中できた。


 櫛芭はここに用が無くなったはずだが、

「他に静かな場所もないし」

 と、この部室に居座ることになった。

「金曜日以外なら手伝うことはできるわ」

 なんて、こっちが頼んでもいないのに曜日指定してまで部に入り込んできた。

 いや、うん、気に入ってくれたなら嬉しいよ?

 嘘じゃないようん……はい。


 戻ってきた久米(くめ)と櫛芭が初めて会った時。

「誰?依頼の人?」

 と久米は聞いてきた。

 でも数日経ったら二人は仲良さそうにくっついている。

 いや違うな久米が一方的に腕を回しているだけだ。

 櫛芭はかなりめんどくさそう。

 久米も仲良くなろうと必死だ、ここで会ったのが初見の反応だったのに。


 久米はリストバンドを付けた方の手をこちらに向け、

「これからは三人の部活だね!」

 と、すごく嬉しそう。

 久米のリストバンドがトレードマークで良さそうだな。

 残りの二人にも付けて……それどこのスケット団だよ。

 そんな感じで三人で部活は回すことになった。

 櫛芭の提案で、

「曜日で仕事を分けた方が良いんじゃないかしら」

 と自らに予定がある金曜日を例に挙げて言っていたが、

「三人で一緒にやろうよぉ!」

 久米の猛抗議が入ったため、それは無くなった。


 なんでこういう人って一緒にやることが好きなんだろう。

 でも櫛芭が早く帰る金曜日、久米もそれに合わせて仲良く一緒に帰るんですよね。

 結果的に俺の仕事が一番多いじゃねぇか。

 三人一緒はどこに行ったの?

 俺も帰ってアニメ見てゲームして良いですか?


 部長だから仕方ない、とそう思っていたが最近は櫛芭の方が依頼も綺麗に捌けるし、久米もなんだかんだいって顔が広いし気も利くから、俺の存在意義………無くなってきましたね。

 日が経つにつれて二人の距離は縮まり、俺の居場所が無くなった。

 なにこれ?助けるってこういうことなの?

 自己犠牲なの?

 いやまぁたしかに男子と女子で距離ができることは前々から予想できたがまさかここまでとは……。


 ………せめて部長らしく、一番早く部室に入ろうと思いました。

 この部室の席順は細かく決まっていないが、早くきた人から奥に座るようになっている。

 つまり、毎回俺が窓側の奥の席に座れば良いということだ。

 なにこれ!部長ってこんなに楽だったんだ!


 まぁ、俺は誰も気にしていない皆勤賞とか気にするタイプだし?

 ちょっとやそっとのことじゃ部活は休みませんよ?

 休んだら誰かに怒られるとかじゃないからね?

 菊瀬(きくせ)先生に呼び出されるとかそんなんじゃないからね?


 あと最近ちょくちょく山内(やまうち)が来るようになった。

 おめぇは、さっさとバスケ部に行けよ!

 と思ったが、バスケ部の経過報告らしい。

 まめなやつ、だと思ったけどそれはただの建前で、部活中は言えない彼女欲しい、という願望をここに吐き出しているだけだった。

やっぱ帰れよお前。

 田中(たなか)にチクりてぇなぁ。


 陽悟(ひご)に続いてまた変な関係が出来てしまった……。

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