表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
End  作者: 平光翠
第2.5階層ピースの幕間
35/200

第35話 素材集めin2階層

補足のコーナー

〜ドロップについて〜

ステータスのLuck値に依存する。

または、『解体スキル』『生物学スキル』に依存する。

探索者は学習スキルの取得制限がないので解体と生物学をある程度勉強することが多い。

冒険者はステータスの上昇率が高く、スキルの取得制限があるため、Luck値を上げる。

穴が空いた足の部分の鎧を見つめ、ため息を吐く。

ほんの少し触れてみれば、まだ微かに暖かく、ビットの光線の熱量がどれだけ高かったが伺える。


(直しに行くか……。いや、いっそ新しくするか?)


コンコンッ

どうやら誰かが訪ねてきたらしい。木製の扉を叩く軽快な音が部屋に響いた。

「師匠、今ちょっといいですか?」

来訪者の正体はカークスだったらしい。

初めてあった時よりも凛々しく、覚悟に満ちた低い声が扉越しに聞こえる。

「ああ、別にいいけど。あ、部屋片付けるから待って。」


持っていた鎧を、インベントリに収納し、部屋のドアを開ける。


「カークス、なんか用か?」

「いえ、折り入ってご相談がありまして…。」

「ま、とりあえず座れよ。」


カークスを適当なところに座らせ、話を聞く構えをとる。


「で?相談って?」

「使っていた大剣がかなり壊れそうで…。新調しようかと思ってるんですけど、お金が無くて…。」

「立て替えてくれって?幾らぐらい?」

「あ、いえ、素材を買い取っていただければいいです!」


そういってカークスは、インベントリを操作し、いくつかの素材を出す。


「んー、素材の買い取りなら、大倉庫に行った方が確実だろ。」

「大倉庫?」


どうやらカークスは、大倉庫の存在を知らなかったらしい。

一通り大倉庫の説明をすると、納得した様子で、「明日素材を売却してきますね!」と言う。

「明日行くなら俺もついてくよ。ついでに武器屋も行っとこう。」




そんなわけで次の日──

「マーキュリー、俺言ったよな?『こいつ俺の弟子だから、ついでに頼む』って、間違いなくお前に言ったよな?なのにこの値段っての馬鹿にしてんのか?」


カークスが持っていた素材は、プルプルゼリーを10個、ゴブリンの爪が5、牙が2、皮が8、アーチャーゴブリンの弓が1、アントルの硬皮が6個。

当然ながら全て塔のものであり、これだけの素材ともなれば、20万はするだろう。


「それが7万って、ふざけんのも大概にしろよ!」

「分かりました!15万です!それ以上は出しません!」


俺の怒鳴り声に被せるように、マーキュリーは叫ぶ。


ま、流石に20万を貰えるとは思ってないし、それぐらいが妥当だろう。


というか、俺が言うのもあれだけど、ちょっと怒鳴っただけで値上げして大丈夫なんだろうか?


「おいおい、ネーチャンよー?さっきのヒョロっちいガキどもには15万も渡しといて、俺たちに3万ってのは嘘も大概にしとけよなぁ?ああ”ッ!?」


「先程の素材は、全て塔のものです。妥当な金額かと…。しかしこちらは、朱色の森の物ですよね?ステータスウィンドウにも、そう書かれてありますし、鑑定結果の裏付けもとってあります。それと…」


今まで流暢(りゅうちょう)に説明していたマーキュリーが、言っていい事と悪いことを選んでいるかのように言葉を詰まらせた。


「けっして、冒険者さんのプライドを傷つける意思はないことを前提に聞いてくださいね。」

「あ?なんだよ?言ってみろや!」

彼女は少し俯く。

そこそこに髭もじゃで、ガタイのいいおっさんに凄まれてビクビクしているのか?

俺達が蒔いた種…とまでは言わないが、その下準備として『畑を耕す』ぐらいはしてしまったので(主に俺が)、助けるべきかと、少し迷っていると、彼女は俯いた顔を上げてはっきりとした口調で言い放つ。


「けっして、冒険者さんをバカにするつもりはありませんが、素材の解体、運搬が雑すぎて、買取を拒否したいレベルです!せっかく、ホークリザードの眼球がドロップしたんですから、もっと丁寧に持ってきてくださいよ!眼球の水晶体割れちゃってるじゃないですか!網膜も剥がれそうだし!」


マーキュリーが怒鳴る傍ら、ほんの少しだけ『ホークリザード』について説明しよう。

大鷲の蜥蜴(ホークリザード)とは、その名の通り鷲のような目とくちばしを持ち、蜥蜴と言いつつ火を噴き、空を飛ぶ。

リザードマンのように、二足歩行もできるため、なかなかに厄介だ。塔に出てくるやつは、レベル135以上じゃないと戦うことすら出来ない。

塔の外だと、どの程度弱体化するのかはわからんが、群れをなす習性のあるうえ、無尽蔵かと思うほど仲間を呼ぶ彼ら相手に『レアドロップ』が出るほど倒したという、あの冒険者は強いのだろう。

レイがいれば『鑑定スキル』で、強制的にステータスウィンドウを見れたんだがな…。


大柄の冒険者はバツが悪そうにしつつ、マーキュリーから、3万Gを受け取り、どこかへ去ってゆく。


マーキュリーは、ちらりとこちらを見たあと、少し微笑んだ。

まぁ、ほんのちょっぴり見直したな。

〈言いたいこときっちり言う〉

難しいことだが、それが出来るなら大したもんだ。


ま、あとは、笑顔がちょっと可愛かったかもな。


▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪

〈End【2階層・アザピース研究所】〉


資金も手に入れ、ヘーパイストスの店に行き、武器を作ってもらうように頼むと、素材を持ってきた方が安く済むし、塔の素材なら、強さの幅が広がるとの事なので、素材を収集しているところだ。


メンバーは俺とカークスのみ。

女連中は女子会でもしてるんだろ。


「カークス、ゴブ4。行けるか?」

「了解です。他は?」

「距離こそあるがワンチャン6,7。と…多分スラ。Lv2かもしれん。」


「潰しときましょ!」


近くにモンスターの気配がしたなら、素早く情報伝達。討伐対象が被らないように作戦の立案。

そして、躊躇わずに、戦闘開始!


塔で歩く時の鉄則だ。


カークスは、地面がえぐれるように左足で踏み込み、軽く飛びながらも、大剣を振り回す。


本来、狭苦しい塔の中では、大きな武器は邪魔にしかならないのだが、剣のプロである彼にとって、周りの狭さなど気にならないようだ。


薙ぎ払われた小鬼(ゴブリン)達を肉塊に変え、さらにその死体をジャンプ台替わりに使い、高く飛ぶ。


まさに飛翔と呼べるような、高飛び。

重力にその身を任せ、隕石のごとく降ってきた彼が手にしているのは、()()()()()()

先の大剣をそのまま縮めたようなその刃を、ゴブリン共に突き立てる。

速いッ!


着地と同時に疾走する!


「増援、アン5。加勢する!」

「ありがとうございます!」


アントルの硬い皮膚は剣で斬りつけることは出来ない。

斬撃系と魔法系の攻撃に対しての防御力が高いのが特徴のモンスターだ。


「【クラッシュ】!」


ギチギチと歯を鳴らしながら近づいてくる昆虫共を叩き潰す。

硬い皮膚の割れる音、ハンマー越しに感じる破壊の衝撃。

俺は今、塔の中にいる。

この衝撃が、衝動が、衝突が、それを実感させる。


「【アッパークラッシュ】、【クラッシュダウン】【トルネードクラッシュ】!」


〔条件達成:()()()を開始します。〕


【ウォリアー】の最大の特徴、それはコンボである。

コンボとは、決められた順番で決められた技を使用すると、同じ攻撃を先の倍の攻撃力で相手に喰らわせる。


「【クラッシュアウト】!」

コンボの最後。

周りには、赤と黒で描かれた薄汚い死体しか転がっていなかった。


「僕はそこに緑を加えましたけどね。」

カークスのユーモア溢れるブラックジョークに苦笑いしつつも、先に進む。

……To be continued

次回予告

俺とカークスはもう少し素材を集めておく予定だ。

こんなことなら、大倉庫で全部売らなきゃ良かった。

次回

塔でのデート


おい、ホモネタやめろ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ