第34話 カークス&キュレー
また、投稿を再開します。
それと、個人的な都合で塔の階層名を変えます。
(今までは、できる限りクトゥルフ系の名前を使ってたんですけど、にわかの自分ではすぐに底をついたので…。)
薄暗い塔を【塔内転移】で抜けると、カークス達も塔の外に出ていた。
「あれ?お前ら2人って…」
「ええ、塔の外に出られませんよ?…いえ、出られなかったです。」
やはり、アザピースが関係しているのだろうが、どれだけ、考えてみてもそれは所詮、推測でしかない。
ここは素直に2人に事の真相を聞くことにする。
「僕達が、本当に幼かった頃のことです─
父の顔はわからず、母は僕達を連れて塔で無理心中しようとしたのが、塔生活の始まりでした。
母は、最初から死ぬ気だったので、服毒自殺をしましたが、僕達の分の毒を用意しなかったのか、出来なかったのかも知れませんが…とにかく、僕達は生き残りました。
妹を守るために必死に生きようとしたのは覚えてます。でも、キュレーが産まれた時のことも、母が毒を飲んだ時のことも覚えていません。それが、6歳か、7歳の頃です。
まだ、3歳だった妹は僕のあとを付いてきて、ヨタヨタ歩いていたのは覚えてます。
母が死んでからしばらくさまよっていました。
そんな、塔生活に慣れてしまいそうになった頃のことです。
アザピースと名乗る研究者が、僕達を保護しました。
彼は、塔に住んでいるEnd研究者らしくて、その頃は塔の中では普通に面倒を見てもらったのですが、ある日なにかの研究に失敗したのか、博士の姿は、いままでと打って変わってしまいました。
変わり果てた姿になった博士は、僕達に呪いをかけました。
僕達だって馬鹿じゃありません。最初からなにか目的があって僕達を保護したのは分かっていました。
ある種の利害関係でしたが、突然の裏切りにより、僕達は塔の外に出られなくなりました。
これが、塔で彷徨い続けた僕達の話です。」
カークスは、ひとしきり話し終えると、俺たちの家を見て目を見開く。
「師匠も研究者かなにかなんですか?」
ほんの少し警戒混じりにこちらに聞いてくる。キュレーの方も兄の服の裾をぎっちり掴んで、微かに殺気を漂わせる。
「博士ってのは違うな。『チート』の一種だと思ってくれればいい。」
これは嘘ではない。
事実俺のステータス欄には、『非戦闘スキル』の所に『発明』や『研究』、『製作』というスキルがあるし、『非戦闘ジョブ』の欄には『科学者』や、その他もろもろがある。
非戦闘系のスキルやジョブは、勉強しだいでいくらでも取れるし、ランクアップのスピードは下がるが、兼業も可能だ。
レイは、勉強が好きなのか、非戦闘ジョブの殆どを持っている。(それも、究極の一歩手前までランクアップしてある。)
「……『生物学スキル』がカンストしてるから、もう、『アルティメットな生物学者』になってるけど…?」
ナチュラルに心を読まれたな…。
「クエイフ様は顔に出やすいですから。」
…マジか。
気を取り直して、家に入る。
「カークスとキュレーは同じ部屋でいいか?2階の右の方の部屋が空いてるけど…?」
「え!?僕達も一緒に住んでいいんですか?」
俺が言うと、カークスは驚いたような声を出す。
「ずっと、って訳には行かないから、ある程度まとまった金が出来たら、出てってもらうけどな…。」
「わぁ!ししょーありがとう!」
…グフッ!可愛すぎる!
カークスの方も、なんだかんだ嬉しそうだ。
「……1番のライバルはイヴ姉じゃなくてキュレーちゃんだった!?」
「完全にノーマークでしたが…ロリコンのクエイフ様なら有り得る……!?」
いや、ロリコンじゃねぇよ。まぁ、たしかに初恋は、シリーズ6作目であり、俺が最初にプレイしたEndシリーズの、『End〜地獄から伸びる塔〜』に出てくるドット絵のキュレーだったけど!
ドット絵であの可愛さはやばい。でも、リアルのキュレーの可愛さもやばい。妹力が高すぎる。
……何を言ってるんだ俺は?
「とりあえず、夕食にしよう!」
強引に話を進めて、イヴに夕食を用意してもらう。毎回頼り切りで申し訳ないが、こればっかりはしょうがない。
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〈End【二階層 アザピース研究所・狂科学者の機密研究室】〉
「ねぇねぇ、魔王様ー。」
小馬鹿にしたような甘ったるい声で魔王を呼ぶのは、絶世の美女と言って差し支えないような抜群のスタイルを誇る魔女であった。
「なんだアスモデウス?」
不機嫌そうに、小さくヒヒッ!と笑うと、作り物のような造形の顔に目を向ける。
事実作りものであるその顔をだらしなく歪めながら、1枚の紙を摘んで、魔王に見せる。
「ねぇねぇ、これヤバくない?ねぇねぇ私すごいもの見つけちゃったんじゃない?ねぇねぇ…!?」
アザピースの研究資料と思われるその紙のページを記す箇所の表記は『-1/100』となっていた。
-1が何を表すのか…。
それは、アザピースが生涯を賭して創り上げようとした、『アブ・ホース』という、人造モンスターのルーツである。
「見せろ…!」
先程とは目の色が変わったかのように、その資料を読み込むと
「アバドン」
「ん。」
アバドンの能力により、その資料を奈落の底に叩き落とした。
「ヒヒッ!なんて作り笑いが出ないくらいにやばい資料だったよ。……『31作目』は、シリーズ全ての謎を解いてしまう、正真正銘、『最後のEnd』なのかもしれない。となると………」
「シャド…。魔王。……変?」
アバドンは、親にあたる魔王に対し、言葉を選んだためある程度意味の通じる発言となった。
シャドモルスよりも、アスモデウスはその問いに答える。
「ま、たしかにブツブツ言ってて気持ち悪いけど、ねぇねぇ、いつもの事じゃない。」
「なぁ、その不自然なまでに『ねぇねぇ』っていうの辞められないのか?」
影の、影ながらの質問に魔女は静かに首を振る。
「私の意思じゃないようなタイミングで、でちゃうのよ。ねぇねぇ、これ癖なのかしら?」
「可愛い。それ。すき。」
極限まで爪を噛み、こぼれるほどの血を流しても、なお、爪を噛み続ける魔王を3人共無視して、くだらない雑談に興じていた。
……To be continued
次回予告
久しぶりのクエイフだ!
今回からは投稿時間も変わって心機一転、新章突入!という感じだな。
さて、真面目に次回予告をするか…。
次の話は平和半分、戦闘半分ぐらいの話になる予定だ。
次回、
素材集めin2階層
カークス、強くなったな!




