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End  作者: 平光翠
第二階層 アザピース研究所
26/200

第26話 新装備

一通り作ってもらう武器を決め終えると、素材をどうするのかが問題になる。


一つの案としては、金をかけて、鍛冶屋の方で素材を用意してもらい、装備を作る。

もう一つの案は、こちらで素材を取り、それを使って装備を作る。

ゲームでも、装備を作る方法といえば概ね、この2つに絞られた。


「俺たちとしては、自分で素材を取ってきて、それで作ってほしい。その方が、探索者らしくてかっこいいと思うんだ。」


ヘーパイストスは、ニヤリと笑って激励してくれた。


「素材は…この紙に書いてあるのを一通り集めてこい。一階層に出てくるやつだけで作れる。まぁ、あとは鉱石系だ。それは、塔の中にはアレだろうから、こっちで用意する。」


幸いにも、紙に書かれた素材類は、レイのインベントリに残っていたため、塔の中に潜ることなく、その場で作ってもらえた。

ちなみに、種明かしをすると、二階層に入る前のレベリングの最中、ゲームでどの素材を使ったかを思い出しながら、ちまちま集めていたものを、大倉庫に持っていかずに、残しておいたのだ。


「さすが呪い子だな…。よし!おい、キュロクス、お前この子のアレ作れ。全部な!」

「え!?僕がですか?」

キュロクスと呼ばれた巨人族の青年は、レイの装備を作ることになったらしい。


そんなこんなで、鍛冶屋の2人は仕事を始めたので、こちらは待ち惚けているしかなかった。


〔『鍛冶』のスキルの取得条件を満たしました、それにより【スミス】のジョブを解放しました。〕

『医術』スキルや『制作』スキル、『解体』スキルなどと違い、『料理』スキルや、『鍛冶』スキルは実際にそのジョブに就いている人の技術を見なくては、取得出来ないようで、使ったことは無いが、『料理』スキルはイヴのを見ていたし、今回ヘーパイストスの仕事を見て『鍛冶』スキルを取得出来た。


因みに、最初に言った3つは、『本』を読むだけでいいらしい。運良く、異世界に来る前に、それらに関する本を読んだことがあったので、すぐに取得出来た。


そして、6時間ほど待つと(途中でイヴとレイは昼食と夕飯の買い物に行った。)装備が完成したようで、ヘーパイストス曰く、

「まだ、細かいアレをしてねぇからアレしろ。」

「……師匠は、細かい調整が済んでないので、また明日、朝一番に来てほしいそうです。その時に、1度装備してみて合わなかったら作り直すことになります。」

キュロクスは、自慢げに「合わなかった事は、イチャモンつけられたことを数に入れなければ無いんですけどね。」と、付け加えた。



次の日……

「おう!もう出来てるからアレしてみろ!」

くどいほどの口癖にうんざりしつつ、鎧や武器をを受け取る。

ふむ、申し分ないどころか、想像以上の出来栄えだった。


イヴの杖は、今までの何の変哲もない木とは違い、こんどは、魔力伝導率の高い杉の木に、ほぼ魔力で出来たスライムの体液を染み込ませた、魔法使いのための杖である。

防具も、スライムをベースとしているため、魔法に対する防御力も、物理防御力も、格段に上がっている。


レイの装備は、ゴブリンの皮で物理防御を上げ、スライムを混ぜ込むことにより、魔法防御も上げておき、物理防御力はさらに上げている。

武器の方もゴブリン牙と、ダイヤモンドよりも硬いロンズーデライト鉱石を混ぜ合わせた特別製の短剣である。投げナイフは、失くすことを想定し、量産しやすいもので作ってあるが、【パラライズ】などの状態異常付与が、通りやすい素材を使っているそうだ。

解体用ナイフは、どんなに硬い皮もぶった斬れるらしい。(それで戦っちゃダメなの?)


俺のは…なんか、普通だった。ちょっと期待してたのにな…。


……To be continued

次回予告


眠い…。つか、この武器強い。


次回

哀れな盗賊


…?ごめん急になんの話になるの?

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