表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
End  作者: 平光翠
第二階層 アザピース研究所
23/200

第23話 二階層アザピース研究所

休暇といった一週間はすぐに過ぎ去り、今日から新たなるステージへ向かう。


朝刊には、俺達がホブゴブリンを倒したことにより、一階層を〈人類未到達区域〉から外すことを政府が決定したことを大きく報道している。


メディアのいらない活躍によって、そこそこ名は売れたが、街で時たま声をかけられる程度で、特に変わったことはない。

普通の人たちは、それだけEndが怖いのかもしれないが…。


「イヴ、レイ、準備出来た?」

「OK」

「はい、戸締りも終えました。」


塔に向かい歩き出すと、

「え?あの瞬間移動で行くんじゃないの?」

…そうでした。


では改めて、

「転移!〈End正門〉」


転移した先では、何人かの冒険者がEndの前で準備の最終確認をしていた。

「…クエイフ、なんで正門に来たの?小鬼獣(ホブゴブリン)の小部屋じゃないの?」


ホブゴブリンと一緒に戦ったイヴとレイも、【塔内転移】は使える。それがゆえに、2人は転移先の候補も知っているため、純粋な疑問をぶつけてくる。


「ああ、いや、一週間も休んだら、感覚掴めなくなってきてるでしょ?だから一応。3時間ぐらいはレベリング兼ねて、体慣らしておかなきゃね。」


ちなみに、2人に言ったこの理由は、半分嘘だ。

ゲームにおいて二階層の適正レベルは15。

それに対し俺らは11。命のやり取りということもあり、安全マージンを考えると、20、最低でも18ほどまでレベルを上げておきたい。

つまりは、体慣らしなんていうのは全くの建前で、本来の目的は、レベリングである。


そして、きっかり三時間後…


「クエイフー。大体3時間たった…。二階層行こう?」

「二人ともレベルどのくらい?」


所有権があるせいで、自分のステータス欄を見る時一緒に見えるが、こう言ったコミュニーケーションに憧れがあるので、あえて聞いてみる。


「私は21です。」

「20。あとすこしで21。」


俺のレベルも23なので安全マージンは十分にとってあるだろう。運良くゴブリンばかりが現れたので、簡単にレベルが上がったし、お互いの連携も確認出来た。


二階層への階段を登っていると、先程までの洞窟ならではの石や岩のような地面から、整備されたコンクリートのような地面に変わっていく。



〈End二階層【アザピース研究所】〉


アザピース研究所は、ゲームの中の話になってしまうが、両親の友人が住んでいた研究所である。

そこでは、非合法の研究や魔物の錬成などなど、人類の為にならないような研究が進められており、そこかしこの小部屋に、それらをほのめかすような研究レポートが残されていた。

更には、両親(母親)がその研究に加担していたという書類まで見つかる。(シリーズによってはカットされてる。)


ここの敵は、新しくアントルという、アリのような魔物が出てくる。混合種であり、今までの敵とはまた違った対策を取らなくてはならない。

他には、弓矢を使うゴブリンアーチャーや、魔法を使うゴブリンメイジなんていう、ゴブリンの亜種が登場する。もちろん、今までの奴らも少しは出てくる。

詳しい話はのちのち分かるだろう。


「アントルは、体の皮膚がすごく固くて、普通に斬っただけだとダメージが入らない。でも、刺突系の武器に弱いから、弓矢を打つ時、貫くことを意識して打ってくれ。魔法は風が有効だったはず。」


「…わかった。」

「分かりました。」


「ゴブリンアーチャーとかゴブリンメイジは、麻痺と右肩が弱点で、ゴブリンと変わらない。ホブゴブリンと違って避けたりはしないから、普通に攻撃して大丈夫。」


「「…了解」しました。」


新しく登場するモンスターへの対策を一通り話していると、近くでモンスターの反応がする。


「1ゴブ…終わり」


これは、レイに教えた、モンスターの伝達方法だ。

この場合、『一体のゴブリンが接近中、それ以外は来てない。報告終わり』という意味である。

鼻のいい彼女に、伝達係を任せている。

と言っても、俺は何となく予想がついているし、イヴに教えるだけなのだが、イヴも、『魔力の違い』で、なんとなく察しがついているらしい。

なので、どちらかと言えば、確認のために言ってるだけだ。


「落とします!【ウォーター】」


イヴの言う通り、ほんの少し高い所からこちらを見下ろしていたゴブリンは、突如として後ろから現れた水流に流され、こちらに落ちてくる。


「イヴ姉、ナイス!」

ヒュッ!と風を切り裂くような音を立て、レイの鋭い矢はゴブリンの右肩に突き刺さる。

イヴが落としたタイミングと、レイの矢を放ったタイミングが絶妙に噛み合わさり、その一撃で絶命する。


俺たちはレベルが上がっていることもあり、それなりに余裕だった。

しかし、そんな()()な考えこそが、あの事態を引き起こしたのだろう。


倒した後の事後処理も終えて、散歩でもするように歩いていると、またモンスターの気配がする。


「ゴブリンアーチャーか…?」

「ゴブッ!グッ……ハァ!」


弓の弦を引くような音がすると同時に、少し前を歩いていたレイは腹を撃ち抜かれ血を流す。


「な!?クソ!」

何が起きた!と叫ぶよりも前に、懐から魔法瓶を取り出す。

もちろん、こんな時に水分補給という訳ではなく、特別製の()()()()()()ガラス瓶である。


前も説明した通り、魔法を込めておき、瓶を割ることで、詠唱もなく魔力消費もなく、込めておいた魔法を使える特殊な瓶だ。


レイに向けて、それを放り投げる。

中身は、イヴが詠唱付きで唱えた【ハイ・ヒール】だ。

もちろん、チートによるものなので、唱えてもらったその日は一人で寝ていた。


しかし、そのビンを投げたのはいいが、異常なほど左手が軽くなる。

違和感を覚え、レイを見ていた目を、自分の左手に向ける。

しかし、()()()()

俺の肘から先には、()()()()()()


「ぇ!?あ…」


意識は朦朧とし始める。

生きることを諦めた目は、最後に、俺たちをこんな目にあわせた敵を見る。


(ゴブリンアーチャー…と、()()()は誰だ?影が異常にでかいあの女は?どこかで見覚えが… )


もし、あの時の傲慢さが、少しでも別なものであったなら、こうはならなかったのか?

そんな後悔ばかりで、先程の一瞬の思考は消し飛ぶ。


〔【勇気】のスキルを獲得しました。これにより『勇者』のジョブを解放しま………


謎の声をかき消すように、イヴの声が響く。

お前が無事でよかった…。


「【塔内転移】ッ!」


……To be continued


次回予告


カークスです。

えっと…クエイフさんは気を失っていて、レイさんは死んでしまっていて、イヴさんも2人の蘇生と回復に忙しいそうなので、代わりに僕が次回予告をします。


お兄ちゃーん。はやくー。お風呂入ろー


……こんな感じで、塔の中でもお風呂に入れるぐらいには強くしてもらったり、設備をもらったりしたので、クエイフさんにはぜひ生きてて欲しいです。


次回

油断は勇気へと


お兄ちゃーん!

今行くよー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ