プロローグ3
「そうですね、ではまず基本的なことからいきます。」
「お願いします、先生 笑」
「笑はいらないです。
コホン、まず世界の名前はヴァルナトル
その世界で唯一神をしているのが私マルフォートです。
私の世界は地球でいう剣と魔法の世界で人族だけでなく、獣人、エルフ、ドワーフ、ドラゴニュート、鬼族、魔族と様々な種族があり、私の世界ではこれら人型の知的生命体を総じて人類と呼びます。」
フンフン、なるほど定番っていちゃあ定番だな。
「ここまではいいかと思います。
それでは次、ウァルナトルにはステータスがあります。これは、世界の人々も勿論知っていることですが、簡単に言えばその人物の能力の一覧といったものです。
これについての説明はしません、なにしろウァルナトルでは常識ですから。
ここで教えなくても、ご両親が教えてくださるでしょう。」
「まぁ、それなら別にいまじゃなくてもいいかな。」
「すみません。その代わりと言っては何ですが、貴女のステータスに貴女が望むであろうスキルをあらかじめ与えます。
地球でいうチートというやつですね。
一つ一つは珍しくないスキルですがそれら全てを持っていれば最強クラス、と言えるかも知れませんね。」
「それはありがたいね。
もともとウァルナトルの人間として造られているとはいえ、生活的には地球仕様になってきてる筈だし、もともと体力もない方だしね。ありがとうございます。」
「いえいえ、どういたしまして。
あと、ウァルナトルは地球とは違い天動説の世界。大地が平面で、世界の果ては無限の奈落になっている世界です。
幾つかの大陸に分かれていますが、全ての国、種族で言語と通貨は共通しています。」
「いいね。それは嬉しい。
何よりも外国語の勉強をしなくていいのが最高だね。」
そうじゃなかったら、俺は自分の国から出ないところだったよ。
「まぁその方がいい何かと便利ですしね。他にもウァルナトルにはダンジョンと呼ばれる迷宮があります。
ダンジョン世界各地にあり、その内部には多くの魔物が生まれ住み、ダンジョンコア、又はダンジョンマスターによって様々なレアアイテムが宝箱からでることもあって冒険者の経験値と金稼ぎのばとなっています。」
今、新たに魔物がいて、冒険者という職業があり、ステータスに経験値というものがあってしかも、それがきちんと稼ぐものだと認識されていることがわかったな。
「あとあまり関係はないとわ思いますが、魔王や勇者といった存在もいますのでご注意を。
他にも異世界から勇者を召喚することも何百年に一回の確率であるため、地球の文化や食、衣服を見かけるかも知れませんよ?」
勇者召喚行われてるんだ・・・
かわいそうに、報酬が名声の戦闘奴隷〔仮〕にされて・・・
「酷い言い草ですが、そうなることも確かにありますねそうなると悲惨ですが、多くの場合権力者が勇者の力を縛っていられなくなるので最後はハッピーエンドですよ。終わりよければ全て良し、ですよ。」
でも、始まりは全体の半分って言葉もあった気がする。気にしない方がいいな。
「それで?説明は終わりですか?」
「そうですね。世界の最も常識的な話はしました、因みにお金の単位はウァルナトル独自のレピ、金貨や銀貨などを使います。それ以外の単位はmやg、地球と同じですからわざわざ覚え直す必要はありませんよ。
あと、もとの世界での貴方は寝ている時に死亡したことにしていますよ。」
そっか、死んだことになんのか。
・・・マァイイや。
そんなことより覚え直さなくていいのは嬉しい。やっぱりめんどくさいからね。
「ふふ、それではこの辺りで貴女をウァルナトルに送ることとしましょうか?」
「ああ、そうですね。一般常識をわざわざ、ありがとうございます。
助かりました。
因みに、ウァルナトルでこれをして欲しいとか、指令はないですよね。」
それをされるとちょっと萎える。
「ええ、ありません。貴女なりに幸多き人生を送って下さい。」
「じゃあ、そうさせてもらいますね。
あぁ赤ん坊からやり直すのが少し憂鬱だが、性別を男と女コンプリートとしたみたいで少し面白いな。」
「そういう考え方ができるなら、大丈夫でしょう。
では、亜原義仁さん。いってらっしゃい。今度がいつか分かりませんが、お幸せに。」
「はい。マルフォート様もお元気で〜。ありがとう。」
こうして俺は、地球で死に、ウァルナトルで新しく女として転生するのだった。
自分のステータスがどのようなものなのか期待に胸をふくらませながら。