プロローグ1
プロローグ
「今日は、あなたにこの地球とは異なる世界へ転生していただくため呼び寄せさせていただきました。」
俺が金髪碧眼の女神の様な大人の女性に、謎の周りがボヤけて見える、何となく白っぽく感じる空間で、そんなことを言われたのは俺が大学生になってから二ヶ月程経った日の恐らくだが、寝たあとの事だった。
一旦、この混乱した頭で情報を整理しよう。
普段はこんなメンドクサイことはしないのだが、俺も相当テンパっている。
俺の名前は、亜原 義仁18歳。今年大学生になったばかりだ。性格は自他共認める面倒くさがりやで、ヤル気が自分でも引くほど湧かない。
一度も試験勉強したことがなく、高校は偏差値が県一低い所に定員割れで入学。大学は指定校推薦で入学した。人生とうしてのあだ名は低燃費か、省エネ。
昔から体は弱かったが、勉強は出来た。しかし、やはりヤル気がなく中学時代に親に諦められた。というより、諦めさせた。
悩みは、腹が異常に下ることと、半日に一回は自殺を考えること。あとは人が争っている、喧嘩していると混ざりたくなるぐらいうずうずする事。
うん、客観的に見なくてもそこそこヤバイ奴だな。これが俺だ。
現在の状況としては、いつもの様にネットを見たりしてから深夜2時頃に寝たはず。それ以降の記憶はない。といことわだ、これは夢であるという事だろうなぁ。異世界転生に憧れすぎて、とうとう夢にまで見ちまったか。我ながら現実見ようぜって感じだわ。
「ご心配なさらず。これは夢ではありませんから。
言うなれば、あなたの精神を私のいる空間に呼び寄せたのです。」
とか言ってる。
イヤイヤ、呼び寄せる前に呼んでいいか聞こうよ。
「申し訳ありません。
ですが、貴方には決して断られないと考えたので、私の独断で呼ばせていただきました。」
まぁ、そもそも断り方知らないしどうせ夢だし、夢だろうからナチュラルに俺の思考読んでくるんだろうし。
「いえ、ですからこれは夢ではありませんよ。現実に、実際に、貴方は異世界転生をする直前にいます。」
直前なんだぁ。
喋るのメンドクサイけど、礼儀としてするか。いちおう。
俺が今言いたい事は、
「なぜ直前と決めつける?」
俺は人にこうしろ、ああしろと言われるのがとても嫌いだ。