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エクリプス  作者: 元蔵
第3章 全身全霊をかけてあなたを祝福します
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97.誰よりも努力した。内容は良かった。けれど、結果に繋がらないってこと、あるよね。

 チャイムが鳴り、一斉に席を立つクラスメートたち。

 2日間続いた期末テストが今終わった。



「どうでしたか?」


「ダメ。頑張ったつもりなのに」



 エイミーの言葉に私はがっくりと頭を落とし、答えた。



「まぁ、リリアーナ様が弱音をおっしゃるなんて驚きましたわ」


「そう? 最近は弱音ばかり言ってる気がするわ」



 本人だったら完璧な侯爵令嬢だから、弱音も吐くことがなかったのでしょうけど、私はそうじゃない。

 極々普通の女子高生なのだから。

 突然、ライバル令嬢になってモンスターに襲われたり自分がモンスターになりかけたら、平静でなんていられないよ。


 エイミーと最後に受けた歴史の答え合わせをしながらカフェに向かう。

 変だなぁ。

 答えがエイミーと全然合わないんだけど?



「せっかくですし、何かお菓子も一緒に召し上がりましょう」


「そうする。それにしても、人が多いわね」



 カフェには、私たちと同じようにテスト明けの放課後を過ごそうと思った生徒が多く、待ち合わせているシャムエラとメリッサの姿が見えない。



「皆様、テスト明けを満喫されているようですわね。……あちらにいらっしゃいましたわ」



 エイミーが指差す方向を見ると、シャムエラが大きく手を振っていた。

 私たちが座るのも待たずにシャムエラが話し始める。



「テスト、どうだった?」


「自信がありませんわ」


「そうなんだ。私は結構、簡単だなって思ったんだけど」



 驚いた様子で言うシャムエラに、メリッサ様も頷く。

 エイミーも難しかったとは言ってなかったし。



「きっと、リリアーナ様は完璧にされたいから、難しいと思われたのですわ」


「きっとそうです。何問か、回答に困る問題があったですから」


「そのようなことはないのですが……」



 翌日。

 テストの結果は、すぐに掲示板に張り出された。


 全教科満点が2人。

 アレフ様とシャムエラ様だ。

 次点がロイク様。

 主要メンバーの名前はあるのに、リリアーナ・ベンフィカは見付からない。

 全校生徒が張り出されるんじゃなかったの?

 もう1度探し始めた私の耳に、周囲の囁き声が聞こえてきた。



「シャムエラって誰?」


「華組にいる一般入学よ」


「気に入らないわね。一般入学にデカい面されるのも」


「一般は成績が悪いと退学させられますから必死なだけですわ。それに、3年生のプラセミノ侯爵令嬢が……」


「それなら私たちが手を下す必要も無いわね」


「あの方に関わると厄介だわ。面倒に巻き込まれるもの」


「ええ。行きましょう」



 (そら)組かな?

 女子3人が掲示板から遠ざかって行く。


 プラセミノ侯爵令嬢。

 関わると厄介って、どういう意味なの?

 エイミーなら知ってるかもしれない。

 聞いてみよう。

 校舎へと歩き出すと、向こうからクリフ様とロイク様がやってきた。



「おっ! リリー、結果はどうだったんだ?」


「どうもこうも、私の名前はありませんでしたわ」


「そんなことが?」



 驚いたロイク様が掲示板を探し見て、クリフ様は怒ったように言い放った。



「マジかよ、お前。名前が無い奴って、補習コースじゃねーか」


「えっ? 補習?」



 そうだった。

 天組のちょっと不良っぽい彼との出会いイベントがあったんだ。

 補習を受けなくても1年の2学期に、別の出会いイベントがあるからすっかり忘れてた。

 ヤバ、名前なんだったっけ?



「なんだよ? 知らなかったのか? 右端に書いてあるじゃねーか」


「本当ですわ」



 クリフ様が指差した部分に、名前の無い者は来週から天組の教室で補習を行うって書いてある。

 がっくりと肩を落とす私にロイク様は慌てて言葉を掛ける。



「リリアーナ嬢、落ち込まないでください。調子の出ない日もありますよ」


「ケッ。だから俺が教えてやるって言ったのに、断ったからだろ」


「努力はしましたわ。けれど、結果に繋がらなかっただけです」



 なぜかクリフ様に怒られながら、私たちは校舎へ向かった。

お読みいただきありがとうございます。

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