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【第五部完結】2万PV突破 勇者パーティーをリストラされた俺(モブオ)はC級スキルをどんどん集めて、ざまぁ無双する。  作者: 虫松
第五部 修行編

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第7話 魔法は、怖くなくていい

モモは、杖を握る手が震えていた。


戦場ではない。

敵もいない。


それでも――

詠唱の最初の一音が、喉で詰まる。


「……っ」


思い出す。


噛んだ詠唱。

暴発した炎。

味方を巻き込みかけた、あの日。


魔法は危ない。

その恐怖が、まだ消えていなかった。


「無理に撃たなくていいよ」


ノエルが、そっと声をかける。


「モモの魔法は、もう“派手”じゃなくていい」


モモは、顔を上げる。


「……でも、威力がないと」


「違う」


ノエルは、首を振った。


「魔法はね」


「続けられることが、一番の力だよ」


その言葉が、

モブオの胸にも刺さる。


+は量の技術。

ノエルは意味を重ねる。


そして

モモは、安全を重ねる。

モモは深呼吸をする。


詠唱を、短く。

区切って。

噛んでも、止まらないように。


《灯り》

《風起こし》


別々に。

確実に。


モブオが、+を添える。


《灯り+風起こし》


光が、揺れる。


だが以前のように、

暴れない。


風は強くない。

炎もない。


代わりに

視界が、安定する。


煙を押し流し、

影を消し、

敵の輪郭だけを浮かび上がらせる。


「……これ」


モモは、気づく。


「戦うためじゃない」


「戦場を壊さない魔法だ」


《灯り+風起こし》


魔法名が、変わる。


導光風どうこうふう》(C級→進化中)


・煙を散らす

・視界を確保

・魔法暴発率を低下


事故を、起こさせない魔法。


派手さはない。


だが、

味方が倒れなくなる。


応援の変化

その背後で。


ノエルが、静かに旗を振っていた。


「大丈夫」

「今の、すごくいい」


声は小さい。


だが、

モモの集中が、切れない。


詠唱が、続く。


モブオの+が、安定する。

デブリの防壁が、揺れない。


重なっている。

意味が。


ノエルのスキル欄が、

淡く光る。


《応援》(C級)


補足表示。


士気維持効果、上昇

集中阻害低減

支援範囲、拡張兆候


その頃。

焚き火の前。


モモは、小さく笑った。


「……私」


「やっと、魔法が怖くなくなりました」


モブオは頷く。


「それでいい」


「壊すのは、俺たちの役目だ」


「モモは――」


「続けさせてくれ」


炎が、静かに揺れる。


それは、

事故らない魔法の光だった。

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