設定集2
■ 学園名
王立魔導学府
アルマ=レグリア王国が国家を挙げて管理する最高位の魔導教育機関。王族・貴族・平民を問わず、才能ある者を集めて育てる“魔導の塔”。
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■ 学園の構造・仕組み
◆ 校舎構造(魔塔型・6階層)
1.第1階層:初等課程(10歳〜)
- 魔力の適性検査、基礎詠唱・文字・術式の習得
2.第2階層:中等課程(12〜15歳)
- 魔力制御・精霊契約・初級魔法戦闘演習
3.第3階層:高等課程(16歳〜)
- 特化分野(攻撃・治癒・空間・召喚など)ごとの専門授業
4.第4階層:魔導戦技演習棟
- 実戦訓練。模擬戦場あり。戦争シミュレーションが常設
5.第5階層:禁書図書館・呪術研究棟
- 入室許可制。澪は初等課程の時点で入室許可を得る
6.第6階層:王族・元老魔導専用室
- 表向きは非公開だが、澪はここで“赫刃の伝承”と接触することに
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■ 教員制度・評価ランク
等級
教員名
役職・特徴
S級
アルシェ=グレイヴ
学院長。かつて王国最強の魔導軍師。澪の正体に気づいている
A級
フェリクス=ローヴェ
戦闘魔法教官。王族直属部隊出身。澪に密かに敵意
B級
カリナ=セリス
治癒と結界の天才。澪に憧れている。ティナの味方
C級
ヘンリクス=マージュ
書物魔術専門。禁書図書館の管理者。赫刃を封印した過去がある
■ 学生制度・寮・階級
◆ クラス分け制度
•**《貴族課程》と《選抜課程》**に分かれる
•貴族課程は家柄優遇だが、落第がある
•選抜課程は平民や一般市民でも、才能があれば編入可能
•澪は“特別枠”として両方に属さない異端的立場
◆ 寮制度
•男子寮・女子寮の他、**「特待区画」**という王族・聖痕持ち・特殊契約者用の別館がある
•澪は特待区画で個室持ち。警備は学園最上級(だが意味なし)
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■ 評価制度と進級試験
•3ヶ月ごとの魔導査定(魔力量・制御・知識・戦技)
•年に一度の合同演習大会(王族立ち会い)
•成績上位者は「王都魔導騎士団」内定や精霊遺産の貸与権が得られる
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■ 特殊ルール・イベント
•《精霊契約の儀》(1年目)
→ 精霊との交渉・契約を行う。澪は精霊に“畏れられ、跪かれる”という異例事態に
•《魔導試合制度》
→ 指名制の1on1魔法バトル。勝者は“相手の立場を奪う”権利を得る
→ 澪は一度も指名しないが、逆に何度も挑まれる(全員惨敗)
•《禁書への通行許可》
→ 成績・適性・推薦により5階層の図書館に入る権利
→ 澪は記録にない形で自動通行可能(赫刃の影響)
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■ 澪の学園内立場
•公式には“黒澄公爵家の特例入学生”だが、実態は「誰も触れてはならぬ存在」
•教員ですら彼女の扱いに困り、評価は常に“規格外”
•同級生は恋・嫉妬・恐怖・崇拝が入り混じった複雑な感情を抱く
•ティナのみが、最初から「ただの同級生」として彼女を見ようとする
■ この世界の経済体系
◆ 経済体制:「魔導資本制」
魔法を“技術”として用いた生産と流通が主流の経済体制。
一部は封建領主制(貴族支配)と併存しており、王国全体は「魔導産業国家」とも呼ばれる。
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◆ 貨幣と信用制度
◉ 通貨単位:
•〈テルム〉(T):王国発行の標準貨幣
•1金テルム(T)=10銀T=100銅T
•参考:パン1個=3銅T、一般家庭の月収=600〜800銅T
◉ 補助制度:
•高魔力量者や「精霊適性持ち」には国家奨学金・魔導契約報酬が与えられる
•澪も形式上は“王国魔導資産”として登録されており、**年間120金Tの研究補助金+個人使用権のない資産枠(400金T)**を保有
◉ 信用と貸金:
•魔導商会が独自に運用する「魔力保証付き信用通貨」あり(高位魔導士なら信用倍率10倍以上)
•澪は信用不明で評価不能=「危険につき無利貸し禁止」
◆ 職業・産業
分野
主な職業
説明
魔導産業
魔導鍛冶師、術式設計士
魔導具・浮遊車・結界装置などの製造。高給取り。
軍属・騎士団
魔導騎士、霊装兵
国家直属。高位魔導士は年300金T超の報酬。
商業
魔法商会員、工房主
魔法道具の輸出入。各国間で競争激化。
神職
巫女、神官、祭儀師
ミュエル連邦が主導。教義による課税権を持つ。
闇職
呪術師、密売屋
禁呪・赫刃の噂も流通。地下市場あり。
◆ 社会格差と魔法資本
◉ 【貴族の経済力】
•領地からの税収+魔導技術の独占によって支配的
•貴族階級は「魔力を有する血統」であることが条件
◉ 【平民の格差】
•魔力適性がなければ、労働力として搾取されがち
•一部の才ある者は魔導学園で上級階級へ上昇可能
•ティナはその象徴的存在(平民→特待生)
◉ 【魔力=資本】
•魔力を多く持つ者は、経済的にも圧倒的な交渉力を持つ
•魔導市場では「魔力量」「血統証明書」が通貨のように扱われる
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◆ 澪の“経済的存在価値”
•澪は赫刃という神代遺物を“所持”しているため、「国家的資産」として王国の魔導財務省に登録済。
•本人は一切金銭に興味を示さないが、彼女が一歩踏み出すだけで経済バランスが動くとされる。
•闇市場では「赫刃に触れた者の遺品」「澪の落とした髪の毛」などが極秘裏に数百金Tで取引されている。
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◆ 国際貿易と政治経済
•王国はフォルシア商会連合と“魔導道具”の交易を行うことで技術革新と資金確保を両立。
•ザレク帝国とは長年貿易断絶状態だが、裏ルートでの魔導毒・呪装具の取引が存在。
•澪の存在は「禁呪的兵器」であり、彼女を巡って商会・宗教国家・諸侯が“経済同盟か断交か”で揺れる。
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◆ 澪と経済を結ぶドラマ展開の種
•澪が市場に顔を出すと、経済が3日で10%動く。
•学園祭で「澪の使ったスプーン」が競売に出され、精霊契約者たちが競り合う。
•闇商会が彼女を“商品”として誘拐しようとするが、逆に全滅。
◆ 市場構造
◆ 1. 公的市場(正規流通)
王国が管理・課税を行っている公式市場。主に王都・都市部に存在。
◉ 主な取引物:
•食料・衣類・生活必需品
•初級〜中級魔導具(照明石、浮遊結晶、治癒粉など)
•精霊の欠片や契約紙
•魔法書・術式教本(階位制限あり)
◉ 通貨・制度:
•通貨は「テルム(T)」。価格は品質・階位・希少性で決まる。
•精霊税(使用者に課される魔法行使税)が導入されており、王族・貴族には優遇制度あり。
◉ 市場特徴:
•定期開催の市(週市、月市)がある。
•公認商人は「魔導取引証(刻印付き)」を提示して取引。
•澪はこの市場に入るだけで「人混みが黙る」ほどの存在感。
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◆ 2. 私的市場(貴族・魔導商会主導)
公には流通しないが、貴族や魔導企業が取引を行う上位経済圏。
◉ 主な取引物:
•高位魔導具(飛行杖、属性鎧、封印呪具)
•霊獣・魔獣の卵・角・核
•魔導研究成果(術式特許、幻晶触媒)
•古代遺物(神代文明の欠片)
◉ 特徴:
•取引単位が「金テルム」または「契約(血判書)」単位。
•商会連合や諸侯が「信用」や「魔力量」で価格を操作する。
•澪の存在は“市場参入者すべての神経を狂わせる変数”。
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◆ 3. 闇市場(非正規・禁制流通)
国の監視外で動く地下経済。魔導都市の“影”に広がる。
◉ 主な取引物:
•禁呪・血呪の断片
•呪物・呪眼・死者の魂片
•精霊を強制契約する「黒契」
•澪に関する噂・使用済みアイテム・幻影記録
◉ 特徴:
•通貨以外に「命・記憶・魔力」などが代価として用いられる。
•「赫刃を模倣した刀」など危険な贋作も流通。
•澪がこの市場の噂に近づくだけで、組織ごと壊滅する事例あり。
◆ 【主要商会勢力とその特徴】
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1. 【グラン=フォルシア商会連合】(最大勢力・表の支配者)
•本拠地: フォルシア商業連邦(独立経済都市群)
•得意分野: 魔導具・浮遊装置・結界技術・情報ネットワーク
•体制: 複数の都市国家と銀行・商会が組んだ連合体(資本民主制)
◉ 澪への立場:
•澪の“存在価値”を最大限に商業利用しようとする現実主義者。
•「澪を偶像化して経済圏の中心にする」戦略を取り、祝賀記念貨幣・香水・幻影劇などを裏でプロデュース。
•赫刃の再現や模造研究も進行中(外法すれすれ)。
◉ 他勢力との関係:
•レギオン商会とは表向き連携、実は技術盗用合戦。
•シェイド商会にはスパイを送り込む。
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2. 【レギオン王立魔導企業組合】(王国直系・国家系商会)
•本拠地: アルマ=レグリア王国・王都
•得意分野: 軍用魔導兵器・国軍への供給・術式設計
•体制: 国軍・元老魔導会・王族が出資する半官営組織
◉ 澪への立場:
•澪を「国家兵器として囲い込むべき存在」と見なす。
•赫刃は「魔導物理学の根本を否定する危険因子」とし、隔離・分析・管理を望む。
•澪本人の意思を軽視し、“管理対象”と見ている。
◉ 他勢力との関係:
•フォルシアと政治的駆け引きを展開。
•闇市場への関与を隠れ蓑に実験を進めている噂も。
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3. 【シェイド=ヴェール密商組合】(影の市場支配者)
•本拠地: 魔導都市“ヴェール=ネブラ”
•得意分野: 禁呪・呪物・霊装・幻術技術・記憶改竄
•体制: 血族による秘密結社。構成員の素性は謎。
◉ 澪への立場:
•澪を「世界の記録を塗り替える鍵」と見なし、信仰と商業の境界で崇拝と取引を同時に行う。
•赫刃を“神話の復元素材”として扱い、死者との対話に用いようとする。
•澪に“恋心”を抱く幹部すら存在。
◉ 他勢力との関係:
•フォルシアに表の顔を提供しつつ、裏で禁呪と影市場の流通を掌握。
•レギオンとは全面対立。
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4. 【聖銀財団】(宗教系・超保守派)
•本拠地: ミュエル神聖連邦
•得意分野: 神聖魔具・神の名を冠する遺物・封印具・浄化装置
•体制: 大聖堂を中心とした僧院共同体・資本家連合
◉ 澪への立場:
•澪は「終末を告げる“堕天者”」と見なし、**“封印”か“神聖転化”**を企図。
•赫刃を神殺しの器とみなし、聖遺物化して信仰対象に組み込もうとする。
•澪本人に近づこうとはせず、遠隔的に囲い込む戦略を取る。
◉ 他勢力との関係:
•フォルシアには表向き協力、だが内部的には軽蔑。
•シェイド=ヴェールとは思想的に敵対、禁呪を断罪する。