表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無限のゲーム - 絶望の先にある勝利』  作者: Marukuro Rafaella
**第12章: 日本最強のSランク**
62/105

「世界最強の誕生」

運命の眼 — Sランク覚醒


タクミが一歩踏み入れた瞬間、空気が緊張感を帯びた。


広大なホールは、まるで古代の神殿のようだ。青白い光が溢れ、中央には巨大なプラットフォームの上に浮かぶ運命の眼があった。


世界が変わったとき、各国の政府はすぐに対応しなければならなかった。


モンスターが現れ、人々が覚醒し始めた。


だが、普通の戦士と歩く災厄をどう区別する?


その答えが、「運命の眼」プロジェクトだった。


魔法の核と繋がったスーパーコンピュータ。


生体データ、オーラ、エネルギーの波動を使って、個々の力を評価し、ランクを決定できる。


だが、問題があった。


技術は人間によって作られたが、ランク付けのアルゴリズムは自ら変化し始めた。


最初は戦闘能力を基準にランクが決まったが、次第にシステムは未知の要素を考慮し始めた。


「隠れた潜在能力」


「現実世界への脅威」


「異常な存在」


一部のプレイヤーはテストを二度受け、異なるランクを得ることがあった。


そして、他の者は… システムを破壊していた。


そして、今、彼の前に立つのはタクミ・ナラ。


だが、彼一人ではなかった。


壁際には人々が立っていた。この国で最強のハンターたち。


何人かは順番を待ち、他の者は腕を組んで見守っていた。


その中には、初心者でも名前を知っている有名なSランクもいた。


— 見てみろ、新入りが来たぜ。


— なんだか、妙に冷静じゃないか?


— ドラゴンを数匹倒したくらいで、大したことないだろ。


— 今度は、その自尊心が数字で潰されるのを見られるかな?


皮肉な冗談が飛び交うが、そこには憎しみはなかった。むしろ、楽しんでいる様子。


ここでは、強者たちの中で、弱者は尊敬されることはない。


タクミは何も言わずにプラットフォームに向かって歩き出した。


スーツを着た男が頷く。


— 手を置け。


その瞬間、指先が冷たい石に触れたとたん、運命の眼が目を覚ました。


ホールは光の閃光で照らされた。隅々で暗闇が震えた。そして、始まった。


囁きが空気を裂いた。まるで千の声が一度に話し始め、反響しながら広がっていくようだった。


轟音。


光の渦。


現実そのものが震えるような振動。


— 何だ…?!


何人かのハンターたちは無意識に後退し、拳を握りしめた。アーティファクトの光は眩しすぎて、みんなの目に火花が散った。


そして…


Sランク。


タクミの上に浮かび上がった文字は、あまりにも鮮烈だった。


まるで、その威圧感だけで空気が震えているかのように。


静寂。


誰かが、ゴクリと唾を飲み込んだ。


— 冗談だろ…?

— Sランク? こいつが?

— そんな…あり得ない!


観衆の中には、最強クラスのSランクハンターもいた。


彼の表情が驚愕に歪む。

しかし、すぐに薄い笑みへと変わった。


— ほう…


— 今日は、面白くなりそうだな。


タクミは何の感情も見せず、ゆっくりと手をプラットフォームから離した。


彼のステータスは、正式に認められた。


だが、彼は分かっていた。


これは、まだ始まりに過ぎない。


Sランクハンターは、極めて希少な存在。


モンスターが現れてから数ヶ月――

国内でこのレベルに到達した者は、ほんの一握りしかいない。


Aランクですら驚異的な存在であり、その数が一人増えるだけで国中の注目を集める。


だが、Sクラスとなると話は別だ。


それは、まったく異なる領域。


人智を超えた力を持つ者。

たった一人でモンスターの大軍を殲滅できる存在。

その破壊力は、核兵器に匹敵する。


そんな存在は、ほんのわずかしかいない。


だからこそ、新たなSランクハンターの誕生は、国家の祝祭となる。


それは、世界における新たな切り札の誕生を意味していた。


Sランクを多く擁する国は、世界に対して優位に立つ。

政治の地図が塗り替えられる。

力の均衡が崩れる。

政府、企業、秘密組織――


すべてが彼らを狙う。


なぜなら、力を持つ者こそが、世界を支配するのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ