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無限のゲーム - 絶望の先にある勝利』  作者: Marukuro Rafaella
第2章:新たな世界の始まり
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迫る敵の影

細い雨が庇から滴り落ち、

重い水滴となってアスファルトに「プチュ」と音を立てて落ちていく。


二人の警備員は大きな門の前に立ち、

無気力そうに何も起きていない通りを眺めていた。


「西の埠頭でまたトラブルがあったって聞いたか?」


最初の男が低い声で言った。

顔に硬い顎と一週間のひげをたくわえた、背の高い男だ。


「どうやら、変な奴が肉屋みたいに人をナイフで切り刻んでたらしいぜ。」


「はっ、ナイフ?」


二番目の男が返事をした。

若いが、目が常に周囲を探っているような、警戒心の強いタイプだ。


「弾に対してナイフなんて自殺志願者の道具だろう。」


少しの沈黙。


「ところでさ、そっちは合併に金をかけたか?」


二番目の男が続ける。


「株価、あっという間に上がるって話だ。」


最初の男は眉をひとつ上げ、軽く唸るように答えた。


「株か… 大きな金が動いてるらしいが、どうも臭いがする。」


一瞬の間。


「お前も知ってるだろ、うちのボスのこと。血を流さないと動かない。」


「まぁ、我々はいつでも仕事があるさ。」


二番目の男が笑いながら言った。


「金がきちんと払われれば、それでいいんだよ、あとはどうでも。俺たちは背景で、どこかで祝砲一発撃って、それで終わりさ。」



鋭い乾いた音が彼の言葉を断ち切った。


振り向くと、仲間が一瞬体を震わせ、目を虚ろにしたまま、糸が切れた人形のように背中から倒れた。


その額には小さな穴が開き、そこから赤い血がゆっくりと滴り落ち、雨と混ざり合っていく。


「クソ…」


彼は息を呑み、無線機を掴んだ。


「襲撃…」


明るい閃光が灰色の霧を突き抜け、まるで電流が空気を貫いたかのようだった。


痛み—鋭く、焼けるような—が脇腹に突き刺さり、呼吸を断ち切った。


警備員はよろめき、しかし手足はもう言うことを聞かない。


胸の中で、温かな血が重く、焼けるような感覚を与えていった。


背後から足音—猫のように柔らかい音—が響く。


暗闇から人影が現れ、まるでそれら自体が冷徹で無感情なこの世界の幽霊のように、影と一体化していった。


顔はマスクで覆われ、動きはあまりにも滑らかで自信に満ち、まるで凡人とは思えないほどだった。


最後の息が雨の中で消え失せたとき、特別部隊の一人がゆっりと手を上げた。


まるで、死の交響曲が終わった後の指揮者のように。

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