表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無限のゲーム - 絶望の先にある勝利』  作者: Marukuro Rafaella
第8章 世界を繋ぐ扉、突如開かれる
47/105

「時が止まることなく、ゆっくりと進む。静かな変化の中で」

――放せ、パンダ!


カイオの声には、怒りと必死の懇願が入り混じっていた。

もがいても、がっちりと掴まれた腕はびくともしない。


――あいつが一人でいるんだぞ! わかってるのか!?


――落ち着け、カイオ。


タケシの声は冷静で、しかし揺るぎない強さがあった。


――落ち着けるわけないでしょ!

あいつが……あいつがたった一人で、あの化け物たちと戦ってるんだよ!?

このままだと……殺されるかもしれないのに!


カイオは必死に叫ぶ。


タケシは深く息を吐いた。

だが、腕の力を緩めることはなかった。


――先生ははっきり命令した。


その声は平静だったが、目には確固たる意志が宿っている。


――学校の敷地内で待機しろ。

もし襲撃があった場合、生徒を守れってな。

俺たちが命令を破るわけにはいかない。


――命令なんて知るか!


カイオはタケシを睨みつけた。


――わかってないの!?

今あいつが戦ってるのは、ただの敵じゃない……

あいつなんだよ!

このままじゃ……!


声が震えた。

でも、すぐに唇を噛みしめる。


タケシはじっとカイオを見つめた。


そして、ゆっくりと首を横に振る。


――忘れたのか?


口元に、ほんのわずかに微笑が浮かんだ。


――あいつは最強だ。


カイオの呼吸が一瞬止まった。


最強。


それは知っていた。

わかっていた。


でも……それでも……


――もし……もし今度ばかりは……


カイオの呟きを遮るように、タケシが言った。


――ない。


その声は揺るぎない自信に満ちていた。


――あいつは勝つ。

いつだって、そうだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ