24話 商品との取引成立 急げカルロス
奴隷商人はまだ来ていなかったので、ディーラーと話を始めた。
「奴隷商人はいつ頃来ると思う?」
「あと、20分くらいしたら来ると思うぞ。取引は深夜2時から始まるだろうな。」
「交渉と引渡しが終わるのはいつ頃だと思う?」
「深夜2時30分くらいじゃないかな。」
「なるほどな、それくらいかかるか。なら、終わったあと、奴隷商人たちはどれくらいの速度で帰ると思う?」
「ゆっくり帰るんじゃないか‥‥‥女性たちを引き連れていることだし。」
「それなら、一度組織の建物に帰っても大丈夫か」
「ああ、でも怪しまれる行動をすると、ミジョンが黙っていないと思うぞ。」
「交渉を行う幹部のことか。彼は交渉ごとや財務管理などが得意じゃないのか?」
「ミジョンは、脅しも得意と言われている。また、戦闘も得意といわれていて、召喚もできるらしい。」
「召喚とは?」
「召喚液を飲んだものは、化け物が霊体化したものを背後霊みたいにして出すことができるんだ。しかも、その化け物はとんでもなく強いときく」
(まじかよ~。そんな化け物を出す技術があることは知らなかったぞ‥‥‥それにミジョンが使えるとなると幹部連中は全員使えるかもしれないな~‥‥‥要警戒だ!!)
「で、隠しているやつはここにいるのか?」
「ああ、この近くに隠しているぞ。そいつは俺のいうことしか聞かないから大丈夫だと思う。」
一応念のために、偵察用のゴブリンを茂みに隠れさせている。
俺達は話を終らせたが、その後も待機していた。かれこれ20分くらいが経った。そしたら、奴隷商人がやって来た。
奴隷商人側の人数は、20人ほどだった。すると、ミジョンが前にでた。そして、奴隷商人に挨拶をした。
「どうも。ミジョンです。いつもお世話になっております。」
「こちらこそ、いつも人を提供していただき、感謝しています。」
二人は挨拶を終え、本題について話始めた。
「それでは、例のものを見せていただけますかな?」
「分かっています。こちらでしょう。」
すると、布をとり、女性たちの顔が見えた。
「お~まさしく、その通りです。」
奴隷商人は満足な顔をしていた。
「あなた方も金の用意は?」
「ええ、できております。」
奴隷商人は近くの使用人を呼び寄せた。その使用人は、アタッシュケースを持っていた。そのなかには大金が入っていた。
「まさしく。確認いたしました。」
ミジョンは大金を見て満足した。
金を見せた後、奴隷商人がもうひとつ確認しようとした。
「例の召喚液はありますか?」
「はい、これでしょう。」
懐から赤い液体が入ったビンを見せた。
「おお、間違いなく」
「では、確認も済みましたし、交換いたしましょうか」
「ええ。」
こうして、女性たちと大金を交換することになった。
交換する際、女性たちは護衛をつけず、商人の方へ歩かせた。その際、一人の女性に召喚液を持たせた。
大金は、使用人がミジョンの元へ運んできた。
無事に両者は互いのものを受け取った。こうして、交渉は何事もなく終わった。
その後、両者は挨拶をしてその場を去った。俺たちは、最初の配置で、建物まで帰った。
帰る道中で、俺はディーラーと歩きながら話をしていた。
「あのミジョンが持っていた赤い液体はなんだ。」
「おそらく例の召喚液だろう。商人はあの液体も購入したんじゃないか。」
「なるほどな~。」
「ところで、偵察用のやつは無事なのか。」
「ああ、まだ見つかっていないから無事だ。それに、俺の予想通り商人たちは、北の方へ、遅い進行速度で進んでいるらしい。」
俺はショウカの家に戻った時に、魔物と念話できることをゴブリンから聞いた。
その念話で状況のやり取りもしていた。俺とゴブリンが念話できることは、ショウカの家に行った時に同行していたディーラーにも伝えた。
「なら、建物についてから奴隷商人の元へ向かってもギリ間に合うか?」
「ああ、恐らく間に合うと思う」
こうして話をしながら歩き、やがて組織の建物についた。
ついた後、ミジョンが皆に感謝を伝えた。
「こうして無事取引も終わり、戻って来ることができた。護衛についた皆には感謝する。では、報酬を受け取ってくれ」
こうして、護衛についた俺たちは報酬を受け取った。一人、1000ゴールドほどだった。
報酬を全員が受け取ると、ミジョンが話をまた始めた。
「報酬を皆受け取ったな。では解散の前にひとつ聞いておいてもらいたいことがある。」
「「なんだ、なんだ?」」
「実は明日の昼頃に、ある任務がる。その任務については明日の11時頃にここの建物に集合した時にまた説明する。皆明日の参加よろしく頼むぞ。では、解散!!」
こうして、解散となった。
俺としては明日の昼頃にどんな任務を行うのか気になるところだが、奴隷商人のところに向かわなければ行けないので、建物を飛び出した。
俺はすぐに向かおうとした。が、その時、ディーラーが訪れた。ディーラーは俺にあることを頼んできた。
「俺も奴隷商人の元に向かいたい。同行してもいいか。」
「構わないけど、危険があるかもしれないぞ。」
「構わない。女たちを解放して、今までの罪滅ぼしができるのなら俺はやる。」
「分かった。じゃあ連れていくぜ。」
俺は、ディーラーを脇の下でつかみ、霊力を発して勢いよく走った。
「うっ‥‥‥うわああ~~!!」
ディーラーはあまりのスピードに泡をふかしそうなほど驚いていた。
カルロスはその時、心の中であることを思った。
(悪事を働くものは成敗してやるぜ。待ってろよ、奴隷商人ども!!)
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