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23話 商人との取引場所

 幹部のミジョンが今日の作戦の内訳を説明しようとした。だがその前に、司会者がその場にいる全員に、話す内容をしっかり聞くよう命じた。


 組織の連中は一同静かになり、聞く姿勢になっていた。


「ここに集まってもらったのは、捕らえた娘達を奴隷商人に売買する際の護衛に参加してもらうためだ。集まってくれて本当に感謝する。では、早速、今回の件の説明を始める。」

 

「では、奴隷商人に売買するための女性たちを、連れて行くときの手順について説明する。まず、女性たちはこの地下の牢屋にいる。牢屋から女性たちを出した後、全身を布で覆い隠す。そして、外に出た後は、決められた配列で娘たちと私を護衛せよ。その護衛の配列の図は今配る。」


 すると、司会の者から護衛の配列の図が配られた。俺とディーラーもその図を受け取った。

 

 配列は、女性たちが縦に何列か並ぶ。その女性たちの列の間に、組織の者達が縦に並ぶ。

 そして、前方と後方は横一列に組織の者が並ぶ。俺とディーラーは、一番右側の縦の列に並ぶ。しかも、前後同士であった。


「これは、捕まっている女性たちは抜け出せないな。」

「ああ。しかし俺とカルロスが前後で助かったぜ。おかげで行動しやすい。」

 

 俺とディーラーが話をしていると、ミジョンが説明の続きを話し始めた。


「配った図の通りに並んでほしい。では、続きの説明をする。配置通りに並んだ後は、女性たちを連れ街の外に出る。その後、街を出て東側にある川まで連れて行く。そこに、奴隷商人がいる。着いたら交渉を行うため、少しの間、何事もないように警護を務めてもらいたい。」


 どうやら、女性たちを引き渡す場所は、軟聖のスライムに出会ったあのきれいで大きな川らしい。


「交渉が何事もなく終われば、女性たちを奴隷商人に引き渡す。お前達は、女性らが何事もなく、奴隷商人に渡るように警戒を怠るな。それと、女性を売りに出して貰う金が無事俺の所に届くように警護しろ分かったな。」


「「おう!!」」

 男達はおうと言ってうなづいた。


「その後、金をもらったらこの建物まで引き返す。金と俺が無事この建物に着けば、任務は終了となり解散だ。報酬は、解散した後、ここで配る手はずになっている。では、お前達、報酬が欲しかったらしっかりと警護にはげむように!!」


「「おう!!」」


「ミジョン様一つお伝えしたきことが‥‥‥」

 司会者が発言した。


「どうした。何かあったのか?」


「それが‥‥‥配置のためにここにいる人数を確認したのですが、ここにいる人数は配置の図に記された人数よりも少ないのです。」


「なにっ‥‥‥それは本当か?」


「本当です!! 何度も確認しましたが‥‥‥ここにいる人数が少ないです。もしかしたら、どこかの勢力に捕まっているのかも‥‥‥」


「いや、それは考えられないな。この街の警護の者らは俺達と癒着している。他の組織も俺達とは敵対したくないはずだ。恐らくだが、そいつらは最近現れているゴブリンの討伐に失敗して死んだんだろう!!」


「しっ‥‥‥しかし!!」


「な~に、下っ端の奴らには大事な情報は教えていない。もしつかまっていても大したことに発展はしないさ!!」


「な‥‥‥ならいいのですが‥‥‥」


 司会者とミジョンは今いる人数が少ないことに気づいたが、今から行われる取引を中断させるわけにはいかず、不穏に思いながらもこの作戦を実行に移すことにしたらしい。


「お前達話がそれてすまなかった。今、俺は司会者と今回の作戦の確認をしていた。何も問題がなかったので、先ほど私が言った手はず通りに行動してほしい。では、早速、作戦開始だ!!」


「「おおう~~~!!」」

 こうして、組織の作戦が決行された。


 手はず通り、牢屋にいる女性たちを牢獄から出して、大きな布を一人づつかぶせた。その際、女たちは悲鳴を上げていた。


 だが組織の連中は気にすることなく、女たちを外に連れ出し、配置の通りに並んだ。


 人数は少なくなっていたので、ミジョンが少なくなった所は間隔を少し開けるようにいった。


 俺達は命令された通りに並びなおした。こうして、準備が整い、街の外に出た。その後、打ち合わせ場所の川に着いた。


 ミジョンは、俺達が川に着いた時の時刻を告げた。現在は1時30分であると告げた。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


「面白そう」「続きが気になる」と感じましたら、「ブックマーク」と「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」にしていただけると嬉しいです。


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