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173話 化け木

 ホーラルさんが化けきのこを退治して騎士の方々は喜んでいた。だが、そんな喜んでいる騎士の方々に向けてホーラルさんは、神妙な顔でこう告げた。


「喜んでくれるのはうれしいが、化けきのこはこのような毒ガスが降り注ぐ場所でも平気で行動していた。つまりほかの魔物なども生息しているかもしれん。警戒を怠るな!!」


 ホーラルさんが大声でそう告げると、騎士の方々ははしゃぐのを辞め、神妙なな顔つきになり警戒態勢に入っていた。


「よし!! 皆そのまま警戒態勢を怠るなよ!! では、このまま先に進んでいくぞ!!」


「「おおーーー!!」」


 ホーラルさんが進むと、俺達は用心しながら先を進んでいった。


 

 だいぶ進んでいくと先のほうで木が生い茂っていた。これまで毒ガスの影響で、枯れた木々を見たりそもそも何も生えていない場所ばかりだったため、急に木々が生い茂るエリアが現れて俺は不可思議に思ったのと危険な感じがした。


 それは、ほかの騎士の方々やホーラルさんも思っていたようで、より一層警戒感を高めていた。


 用心しながら進んでいき、木々が生い茂るエリアの前に着く。


 すると、ホーラルさんが剣を取り出して、目の前の木を一本切ったのである。すると、どうしたことだろうか!? 斬られた木からうめき声が聞こえてきたのである。


 そのうめき声を聞いて俺はある考えを口にした。


「もしかして、この木は…生きている…のか!?」

 

 するとホーラルさんが俺の発言にこたえるように発言した。


「その通りだカルロス。この木は生きている。しかも動くことができ、毒ガスで道に迷ったもの達を襲うのだ!! この木々が襲ってくる前に斬るぞ!!」


 ホーラルさんがそう告げると、騎士の方々は次々木を斬り始めた。俺も騎士の方々に続いて木を斬っていった。


 なるべく素早く斬る必要があると思った俺は麒麟の力を使い、身体能力を上昇させて、素早く生きている木を斬っていった。


 だがその時であった。斬っている最中に、周りにいた木々が一斉に向かってきて俺を取り囲んだのである。


 そして、先の尖った幾重もの枝で俺を攻撃してきたのである。俺はその攻撃を素早く避け続けていた。しかし、いつまでもこうしている訳にはいかないと思い、ゴーレムの力も行使した。


 すると、木々の下の地面が盛り上がったのである。その後、さらに地面が盛り上がったことで、俺を取り囲むような岩肌ができた。岩の上にいた木々は盛り上がった地面の影響でバランスを崩していた。


 そのすきを俺は見過ごさなかった。俺はすぐさま動き、バランスを崩した木々を迅速に切りさいていった。


 木々は悲痛な叫び声を上げながら、真っ二つになった胴体がその場に倒れこんでいく。


 やがて、俺やほかの騎士の方々が木々を切り裂いたことで、動く木々は一つ残らず斬ることができた。


 俺は、ホーラルさんにこの動く木について伺った。


「ホーラルさん、この動く木は一体何なんですか!?」


 すると、ホーラルさんは俺の質問に答えた。


「この動く木は、化け木と言って、木のような姿をしながら生物を欺いて襲ってくる魔物だ。しかもこの化け木は、このような毒ガスなどがある場所でも平気で生息することができる厄介な魔物だ。お前もこの化け木にはようじんしろよ!!」


「はい、用心します!!」


 俺がそう答えると、ホーラルさんは口元をにこっとした。その後、俺達は再び歩みを進めたのである。

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