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166話 村の宿へ!!

 俺たちは子供たちに案内され、木造の建物がいくつもある村についた。


 村の周りには先が尖っている柵がいくつも並んでいる。そのため、柵が立っていない入口に向かおうと、柵に沿って歩いていきやがて入口についた。


 子供たちは「早く早く」と言いながら急がせるように手招きしていた。俺たちは疲れていたため、足取りは重かった。だが、騎士であるほかの人たちは誇りからなのだろうか、子供たちにかっこ悪いところは見せられないと無理をいって急ぎ足で村の入口に向かっていく。


 俺も負けじと、急ぎ足でほかの人たちと同じように村の入口に向かう。ただ、あまりにも疲れていたので、勘弁してくれと心の中では思っていた。


 そうしながら急ぎ足で進み、少しして村の入口についたのである。


 村の入口近くには武装した大人の男が複数人いた。だが、男たちはやせていて、強そうには見えず、門番としては心もとない感じがした。

 

 恐らくこの心もとない男たちが、村に入ろうとする俺たちを検査するのだろう。そう思っていると、村の入口にいた男たちが、俺たちに近づいてきた。



 俺たちの前に立つと、男たちは焦った表情でこういってきた。


「そのお姿……あなた方は……ガリエント王国の騎士様ですね。よくぞあの峡谷を抜けられました。さぞお疲れでしょう。どうか宿で休んでくださいませ」


 俺たちの身体検査をするものと思っていた俺は予想と違い、身体検査を行わず宿に案内してくれるということで少し驚いた。


 しかし、身体検査を行わないのは疲れている俺にとってはうれしい誤算で心の中でたいへん喜んでいた。


 

「おじさんたち、騎士様だったの!! そんなすごい人たちを僕たちは村まで案内していたのか!!」


「「すごいや!! すごいや!!」」


 子供たちは騎士たちを案内できて誇らしかったのか大変喜んでいたようで、はしゃいでいた。


 そんな子供たちの姿を見ていた俺たちはほほえましくなっていた。


 

 しかし、騎士たちの前ではしゃいでいる子供たちを見て、無礼を働いてしまったと思ったのか男たちが子供たちに大声でこういった。


「こら! お前らなんて無礼なことを……今すぐ騎士様たちに謝るんだ!!」


 男たちはおびえた表情で子供たちの頭を押さえて、無理やり謝らせようとした。


 

「いや、子供たちのおかげで村までたどりついたんですから、謝る必要はありませんよ。むしろ感謝しているくらいですから」


 ホーラルさんがそのように言うと、男たちは子供たちを押さえつけている手を離したのであった。


「そうだったのですか……子供たちが無礼を働いていなくてほっとしました」


 男たちは安心したのか顔からおびえた表情は消え、安堵した表情をしていた。


 

「はははは、安堵されたようでよかったです」


 ホーラルさんは笑っていた。男たちは恥ずかしそうな表情で自分の頭をなでていた。


 

「こちらがいらぬ心配をしていたようですみません。では、宿までご案内します」


「よろしくお願いします」


 ホーラルさんがそういうと、男たちは、宿まで俺たちを案内してくれたのであった。


 宿は村で一番大きな建物であった。俺たちは疲れていたので宿に入ると、自分たちが泊まる部屋へとすぐに向かっていったのである。


 


 


 

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