162話 乾燥の谷
案内板に記されていた峡谷に向かう道を俺達は進んでいった。
俺達は峡谷に向かう道を進んでいくが、野原がただただ広がっているだけであった。
しかし、進んでいくと、ささいなことではあるが変化があった。
それは、広がる野原に咲く草や花の量が進んでいくたびに少なくなっていたのである。
さらに進むと、草や花の種類が変わり、暑いところにしか咲かないような草や花が咲いていたのである。
温度も変化しており、進むたび蒸し暑くなり、汗の量が増えていった。
俺達はそのささいな変化を目撃して、峡谷までもう少しであると感じたのである。
さらに俺達は進んでいった。魔物なども相変わらず襲ってきたが全員で対処して襲ってきた魔物を駆逐していった。
魔物に襲われながらも、前を進んでいくと、辺りに咲いている草や花がところどころしか生えてはいなかった。
さらに暑さもピリント街にいた頃より格段に暑くなっていた。
峡谷に近いと判断した。それはホーラルさんも同じだったようでこのように言ってきた。
「皆の者。だんだんと蒸し暑くなり、さらに生えている草木が少ない。これらのことから、峡谷まであと少しと考えられる。より一層心してかかるように!!」
「はいっ!!」
俺達は峡谷までもう少しであると気を引き締めながら進んでいった。
さらに進んでいくとさらに暑くなり、視界が歪んで見えるようになり、汗が流れはじめていた。
俺達は猛暑の中を進んでいく、すると、目の前にあるものが見えた。
草木が生えていない大きな二つの山に挟まれた谷底の道が見えたのである。
俺達が今回通る峡谷に間違いない。俺達は、その峡谷をみて、覚悟をより一層決めて進んでいった。
やがて、峡谷の出入口に着いた。両側は険しい崖となっており、とても暑く視界はさらにぼやけて見えていた。
すると、ホーラルさんは峡谷を前にして皆に語りかけてきた。
「皆の者。ようやく峡谷に着いた。この峡谷は乾燥の谷と言われるほどの地獄のような暑さとなっている。より一層心してかかるように!!」
「ははっ!!」
こうして俺達は覚悟を決めて、乾燥の谷に入っていったのである。
乾燥の谷に入ると、さらに暑くなり、少し歩くだけで汗がダラダラと流れ落ちる。また、草木がひとつも生えておらず、魔物もいなかった。
生き物が生きていけにくいほどの暑さがあるこの谷は乾燥の谷というよりも死の谷という名前のほうがふさわしい。
俺達はその谷をただただ歩いていく。
魔物が襲ってこないのはいいが、草木が生えておらず生き物もいない殺風景な景色が延々と広がっており、猛暑で意識が朦朧とするなか進むので、俺達の疲労度は計り知れないものとなっていたのである。
果たして、俺達は無事にこの峡谷を抜けることが出きるのであろうか。