148話 本から霊力についてほんの少し理解する
俺ことカルロスが魔刀を買ったころ、エマさんは霊獣のことが記されている本を読んでいた。
「なるほど。霊獣は普段は神聖なる場所に過ごしているけど、ダンジョンの宝物庫のあのボタンを押したときに呼ばれるのね」
エマさんは、本の一部に記載されていた箇所を読んでいた。どうやら記載されていた内容に納得しながら読んでいるようだ。
さらにエマさんは本を読んでいく。
「なになに、霊獣に力を与えられた者は、霊力を身に着けることができる。ならびに霊獣の属性の魔法の力などが上昇すると書かれているわね。じゃあ私が火の魔法を使えば普段よりも強化されているということよね。今度試しに魔法が強化されているか試してみようかな」
エマさんは、本を読んで火の魔法が強化されていると思い、今度試しに火の魔法を放ってみようと考えていた。
「カルロスは雷の属性の魔法をあまり放っていなかったわよね。そういえば本人から魔力はないと言っていたわよね。でも、雷の霊力を使い体を強化していた。ということは、霊力で魔力を少しだけ補うことができるということかしら。なら霊力を少し混ぜれば使う魔力量を抑えることができるわね」
エマさんは本と俺ことカルロスの戦い方を見て霊力の使い方を少しだけ理解したようである。
「さらに本にはこう書かれているわね。霊力を帯びたものが子を成せば、その子孫に霊力の力が受け継がれると。だけど、その霊力の量は霊獣から霊力を受け継がれている者の10分の1しか受け継ぐことはできないらしいわね」
つまり、生徒会長のアイリスは、俺やエマさんの10分の1しか力を受け継いでいないということになる。
エマさんは霊獣に関していろいろな情報を入手出来て少しだけ満足していた。しかし、不満な点も少しだけあった。
「でも、この本にはなぜ霊獣がダンジョン攻略者に霊力を分け与えるのか記載されていないわね。また、霊力と魔力との関わりも記載はされていない。その点も知りたかったのに残念だわ」
霊獣のことに関して記されていない点があり、エマさんは不満を少しだけ感じていたのである。
「でも、不満ばかり言っても仕方ないわ。今は知りえた情報の中で試せるものを試していくしかないわね」
エマさんは、本の中に記載されていた霊力を分け与えられし者は、魔法が強化されるということを試そうとしていたのである。
その後、エマさんは本を閉じた。しかも疲れていたのかそのまま眠ってしまった。
起きたのは、6時間後くらいでもう外は暗くなっていた。エマさんはその日、試しに魔法を放つことができず眠ってしまい後悔したらしい。