144話 王国の手形を受け取る
エマさんがお目当ての本を見つけた頃、俺ことカルロスはセントルイス街に入っていた。
セントルイス街に到着した後、俺はホーラルさん達と別れてすぐに財宝を預けに、エマさんと一緒に前回行った財宝保管場所に向かい、財宝を預けてきた。
エマさんと前回一緒に行き、俺達の分の財宝を預けたため、信頼されていたのか、すぐに手続きが終わった。
財宝を預け終わった俺は、東のエリアにあるホーラルさんが駐屯している屋敷に向かう。
屋敷の門の前には相変わらず赤いフードを被った門番がいた。毎日門番を務めていて大変な仕事だなと思った。
俺は門に近づくと、赤いフードを被った門番に、「”王国の闇を払わん”」と言った。
すると、門番二人は目を合わせ、その後、門を開ける。
「どうぞ、お入りください」と言われたのでそのお言葉に甘えて俺は中に入っていく。
門の先に話には広い庭園があったのである。草木がきれいに整い心地良い庭園であり、美しい花壇や花壁がありカラフルな花が咲いていて非常にきれいだった。また、庭には道があり、石畳でできていて、石がきれいに敷き詰められていた。
俺はきれいに敷き詰められていた石畳を歩いて行く。
歩いて行った先に木造建築の建物で豪華な屋敷があった。
俺はその屋敷の中に入っていく。
中に入ると、ホーラルさんの配下の人たちがいた。
「やあ、カルロスさん!! お待ちしてましたよ。ホーラル様はこちらです。ついてきてください」
ホーラルさんの配下の人がホーラルさんのいる所まで案内してくれるようだ。
「分かりました。では後に続いていきますね」
俺は、案内してくれる配下の人の後に続いていく。
そして少し歩いた先で案内してくれた人が立ち止まる。
「この部屋でホーラル様がお待ちです。どうぞ中にお入りください!!」
俺は促されるまま部屋の中に入る。
中には、ジーメン村で一緒に同行した方たちがいた。最初にこの部屋に入ってきた時とは違い明るく出迎えてくれた。
ソファーの上座にはホーラルさんとボーランさんが座っていて、下座にはショウカさんが座っている。
「カルロス、財宝は預けたようだな。さあこのソファーに座れ!!」
ボーランさんがソファーの下座に指をさして座るように促してきたので、俺はショウカさんの隣に座った。
「それで財宝は無事に預けられたのか!?」
「財宝保管場所に預けてきたました。これでもう安心です」
俺は笑顔で答えた。
「そうか。無事預けられて何よりだぜ」
「では、今からお前の報酬について話してもいいか」
ホーラルさんがジーメン村での活動に対する報酬について話し始めた。
「はい。大丈夫です」
「お前は、我らと共に行動して、スイダークの悪い活動を阻止した。さらにスイダークの頭であるヨルドを倒すという大活躍を果たした。お前がいなければ我らはさらなる甚大な被害を出していたことだろう。本当に感謝する!!」
ホーラルさんは俺に礼をした。周りの配下の者達も一斉に礼をした。
ホーラルさんが頭をあげると、皆も頭をあげた。そして、ホーラルさんは続きを話始める。
「そして、お前は任務を達成して、私の信頼にこたえて見せた。約束通りお前が王国から追い出されたものとは王国には報告しない。それと、これをお前に渡す」
ホーラルさんは木製の手形を差し出してきた。
「これは‥‥‥!!」
俺は驚きながら聞いた。
「これは、報酬の王国に出入りするための手形だ!!」
俺はホーラルさんが差し出してきた手形を受け取った。
これで俺は追い出された王国に出入りできると大いに喜んだ。
「ホーラルさんありがとうございます!! これで王国に出入りできます」
「うむ。喜んでくれて私も嬉しいぞ。ただし、お前は王国より追い出されているからくれぐれも目立つような行動は控えるのだぞ!!」
「分かっています」
俺は、返事をした後も喜んでいた。
「おい、ホーラル、あのことについても言わなくていいのか!?」
「そうだな。そのことについても言わないといけないだろう。カルロス!! 今から重要な話をするから聞いてくれないか」
「えっ‥‥‥重要な話」
俺は重要な話をすると言われ喜ぶのをやめた。
「重要な話とはなんですか!?」
「それは‥‥‥お前に関わる重要な話だ!!」
俺に関わる話と聞いて俺は神妙な顔になっていた。