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136話 宝物庫の霊獣 ゴーレム

 俺は目の前にたたずむ大きな宝物庫の扉を開けた。


 ぎぎぎぎぎぎ〜と音をたてながら重たい扉が徐々に開かれていく。


 扉を開けると中は、昼間のように明るかった。そのため、宝物庫の中にたくさんある黄金がさらにまばゆい光を放っていたのである。


 俺は黄金の中にある道を進んでいく。


 すると、少し先の方に四角い柱が見えた。その柱の上には丸いボタンのようなものがあった。


 あのボタンを押せば霊獣が現れるはずだ。だが、その前にやるべきことがある。


 四角い柱の近くに木製の荷台があった。その荷台を発見した俺は、財宝を腕一杯に抱え込むと、荷台の上においた。


 それを繰り返し行い、荷台に財宝をできるだけ積み上げた。


 その後、俺は四角い柱の近くに行き、丸いボタンを押す。



 すると、急に眩しい光が放たれた。その光は、部屋全体に広がった。


 あまりにも眩しかったので、俺は一瞬目を閉じた。


 少しして目を開けると、目の前に巨大な土の塊が現れたのである。


 その土の塊は硬そうでゴツゴツした見た目をしていた。


「うわ〜!! 何て大きいんだ。一山ぐらいの大きさがあるぞ!!」


 俺はあまりの大きさに大声を上げて驚いた。


 驚きながら上の方を見上げた。すると、黒目がぎょろぎょろと左右に動いたのだ。


 (もしかすると‥‥‥)


 

 すると、巨大な土の塊が急に話しかけてきた。


「よくぞ数多くの困難を乗り越えて、この宝物庫にたどり着いた。ここの宝物庫はダンジョンを攻略したものしかたどり着けぬ場所である。よってお主をこのダンジョンの攻略者とみなす」


「ありがとうございます。ところでひとつ伺ってもよろしいでしょうか!?」


「うん‥‥‥何を聞きたいのだ?」


「霊獣様の正体についてお聞きしたいのですが‥‥‥」


「ああ、そう言えばまだ名乗っていなかったな。俺はゴーレムだ。土を操る霊獣である」


「ゴーレム様ですね。教えてくださりありがとうございます」


 どうやらこの土の塊をした霊獣様は、ゴーレム様というらしい。


 俺はゴーレム様の名前を伺った後、授かる力について聞いた。



「あの‥‥‥差し支えなければ‥‥‥ゴーレム様はダンジョン攻略者に特別な力を与えてくれるのでしょうか?」


「おお〜!! 俺がダンジョン攻略者に霊力を授けることを知っているとは! さてはここ以外もダンジョンを攻略したな」


「はい、2つ程ダンジョンを攻略しました」


「ガハハハハ!! 左様か。だったら説明を省いても構わないな」


 ゴーレム様は大笑いしながら言った。


「はい、構いません!!」


「そうか。では早速力を授けるぞ!!」



 すると、ゴーレム様から土色のオーラのようなものが現れた。


 その土色のオーラは俺にももたらされた。


 とてつもなない力がみなぎった。


 その後、少しして力を授ける儀式が終わったのか、ゴーレム様と俺からオーラが消えた。



「これで特別な力を授ける儀式は終わった。お前に俺の霊力が備わったが、くれぐれも悪用はするなよ!!」


「はい、いたしません。この力はいいことのために使っていきたいと思っています」


「うむ、いい心がけである。では、特別な力を授ける儀式も終わったことだ。お前を外に転移する。財宝は‥‥‥荷台に集めてあるようだな。しっかりしている。では、荷台ごとお前を外に転移するが、よいか!?」


「はい、お願いします!!」


「よし! では転移を始めるぞ!!」


 ゴーレム様は巨大な力を使い転移を行った。


 俺はその瞬間目をつぶった。



 そして、目を開けると、そこは地上だった。入っていった裏側にどうやら転移したようである。


「転移に成功した。ダンジョンのそとについたようだな。では、これで俺の任務は終わったので消えることにする」


 任務を果たしたゴーレム様はどこにいこうとしていた。


「では、これで失礼する。ダンジョン攻略に幸加護があらんことを!!」


 その一言を言い終わると、ゴーレム様は目の前から消えた。

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