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135話 VS ストーンラウンド

 俺ことカルロスはダンジョンの最下層に到達した。


 最下層には硬い岩盤に包まれ、大きい目をぎょろぎょろと動かす魔物がいた。


 その魔物は、"ストーンラウンド"と呼ばれている。



 ストーンラウンドは大きい目で俺を視界にとらえると、回転しだした。


 そして回転しながら、ものすごい速度で俺に襲いかかってきたのである。


 俺は早い速度で急に向かってきたストーンラウンドを避けるのは難しいと判断して、持っている刀で防御した。


 しかし、回転の速度も迫りくる速度も速かったので、俺は押されまくって後退していた。


 もし、力を抜けば回転にあわせて刀がぶっ飛んでしまう。


 俺は踏ん張りながら、刀に力をいれる。そのせいか、刀とストーンラウンドがぶつかっているところから火花が散る。


 ストーンラウンドは俺が耐えているのをみて、さらに回転数を増やした。


 その結果多くの火花が散るようになり、俺は押されまくり、だんだんと後退してしまう。




 このままではまずいと俺は焦りだし、刀の鞘をストーンラウンドに向かって押し上げた。


 すると、ストーンラウンドは刀の反りにあわせて天井にものすごい速度で向かっていく。


 しかし、髪に少しだけ当たってしまう。そのため髪がすこしぱらぱらと落ちたのである。


 俺は焦りとともに冷や汗をかきながら、「危なかった。もう少しずれていたらヤバかった」と思いながら心臓がばくばく鳴っていた。



 再びストーンラウンドの攻撃を受けたらまずいと判断した俺は、攻撃をくり出す前に襲いかかっていく。



 ストーンラウンドは天井にぶつかった後、地面に落下していた。


 その反動で動けないようすだった。



 俺はそのストーンラウンドに向かっていき、動けないストーンラウンドの目に刀を刺そうとした。


 しかし、ストーンラウンドは硬い岩盤に覆われたまぶたを閉じていた。


 そのため刀は火花をあげながらストーンラウンドのまぶたにあたる。


 その瞬間俺は反動で仰け反ってしまう。


 その間に、ストーンラウンドは体勢を立て直している。


 このままではまずいと思った俺は一旦距離をとった。



 距離をとりながらあのストーンラウンドのことについて考えていた。


 (あのストーンラウンドの岩盤をどうにかしないと倒せない。一体どうすればいいんだ‥‥‥!?)



 その時である。ストーンラウンドが再び急に回転しだした。


 また襲いかかってくると判断した俺はすこし距離をとる。


 そして、再びものすごい速度で向かってきた。


 俺は緊迫した表情をしながらも、回避行動をとった。


 距離があったため、なんとかよけれた。


 ストーンラウンドの方は勢いそのまま、ダンジョンの壁にぶつかる。


 回転が凄まじいため、壁に食い込んでいる。


 

 今がチャンスだと思ったが恐らく攻撃しに向かってもまぶたを閉じられた状態ではどうしようもないと俺は判断した。


 (まぶたが開いている時に攻撃しなくては‥‥‥まぶたが開いているのは、ストーンラウンドが向かってくるとき‥‥‥ならば!!)


 

 俺がある考えを浮かんでいる時、ストーンラウンドは食い込んだ壁から脱出していた。


 そして、方向転換してこちらの方に体を向け直す。


 また突っ込んでくるようだ‥‥‥しかし、あの考えを試すチャンスだ。


 そう判断した俺は体勢を整えた。


 

 ストーンラウンドは体勢を立て直した後、回転しだし、こちらに向きってきた。


(きた‥‥‥先ほどの考えを試すぞ!!)


 俺はものすごく回転しながら向かってきたストーンラウンドを避けた。


 その直後俺は、素早く動きストーンラウンドの目を刺した。


 刺されたストーンラウンドは悲鳴をあげながらその場に落ちた。


 ストーンラウンドの瞳は、刺された影響で目に刀傷ができ、そこから赤い血が大量に流れている。


 

(どうやら攻撃に成功したんだな。でもこれだけでは、倒したとはならないか‥‥‥)

 

 俺の予想した通り、ストーンラウンドは再び体勢を整えた。


 しかし、回転しながら向かっていったのは俺がいない方向だった。



 どうやら目が潰れて俺がどこにいるのか確認できないようである。


 しかも、壁に食い込み、回転を止めたと言うのに、まぶたは閉じていなかった。


 どうやらまぶたを閉じると、激痛がくるためかまぶたを閉じることができないようだ。



(だが、ただ、瞳を刺しただけではあいつは倒せない‥‥‥どうすればいい‥‥‥)


 その時である。俺はある物を持っていることに気づく。


 それは導火線のついた爆弾だ。


 

 俺は爆弾を所持していることを思いだし、ある作戦を考えた。


 

 一方、ストーンラウンドの方は食い込んだ壁から脱出すると、再び誰もいない方向に進み、壁にぶつかった。


 再び食い込んだストーンラウンドを見て、チャンスだと判断した俺は、ストーンラウンドに向かっていく。



 ストーンラウンドが食い込んだ場所はすぐちかくであったため、すぐに着く。



 そして、俺は持っている爆弾をストーンラウンドの目に食い込ませた。


 その瞬間、ストーンラウンドは悲鳴をあげながら、たくさんの赤い血を垂れ流している。


 俺は、さらに、刀をストーンラウンドの岩盤のような固さの皮膚をきり火花を散らした。


 その火花は爆弾の導火線に着火する。



 俺は爆発に巻き込まれないようにするため、きた道とは逆方向に走っていく。


 

 一方、ストーンラウンドは近くに俺がいると判断して壁から脱出する。


 まずいと思った俺は、焦りながら、緊迫した表情で宝物庫の扉に向かう!!



 (早く爆発してくれ!!)


 俺は心の中でそう思いながら走っている。



 すると、ストーンラウンドが回転したと同時に火が爆弾に近づき、やがて火は導火線の根本についた。



 その時である。爆弾はものすごい音とともに爆発した。


 ストーンラウンドは粉々にふっ飛び、爆風にのせられて破片も飛んでいく。


 

 倒したと判断した俺は喜びで口元をにやつかせながら、巨大な宝物庫の扉の前についていた。


 果たして、次はどんな霊獣が出てくるのか想像すると楽しみで仕方ない俺だった。

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