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5/11

そして幸せは続く


 落ち着いたモスグリーンのデイドレスに白いコートを羽織る。

 鏡の前で何度も何度も確認するアリソルを、マルタは嬉しそうに見つめていた。


 無駄に早起きして、早すぎる時間に準備万端整ってしまった。

 うっかり駆けてしまいそうになる足を何度も押しとどめて、何とか淑女の体を保って階段を降りる。

「ああ、アリソル。今日も綺麗だ」

 だいぶん早いはずなのに、すでに階段下で待っていたエドモンド様が目を細めて見つめた。


「寒くはないかい?手袋は持ったかい?マフラーは‥‥」

「大丈夫です!マルタが全部準備してくれました」


 あの夜以来、彼の心配性が大暴走中である。

 彼の言うことを素直に聞いていたら、雪だるまぐらいに着こまされそうであった。


 彼に連れていかれた最初のお店は、王都でも人気のブティックだった。


「普段用と訪問用、それぞれ数着ずつ、彼女に見繕ってほしい」

 店に入るやいなや、そう店員に告げる彼に、驚いて声をあげた。


「デイドレスはもう十分にありますよ」


 けれどエドモンド様は、私の頭に手を置いて、優しく微笑んだ。


「俺が、買ってあげたいんだ。今更なのはわかってるけど。俺の買った服を着て欲しくて」

 彼はふふっと笑った。

「もはや全てが今更、だからね。開き直ることにした」


「それに、今君が持っている服はほとんどがマルメイ侯爵家から持参したものばかりだろう。俺にも少しは花を持たせてほしい」


 そう言われてしまうと断ることなど出来ない。

 勧められるがまま。クリームイエローのデイドレスに袖を通してみた。


「ああ、綺麗だ。貴方は明るい色も良く似合うな」


「あ、ありがとう、ございます‥‥。私は髪が金色なので、黄色やオレンジは似合わないかと思っていました」

 蕩けるような視線にどくんどくんと跳ねる心臓を押さえながら、何とか答えた。


「そんなことないよ。とても可愛い。うん。これをもらおう」


 彼は満足げに頷き、その後も次々と試着させては購入を決めていった。


「あの。エドモンド様。もう十分かと‥‥」

 恐る恐る切り出せば。


「そう?もっとあってもいいと思うんだけど‥‥。今日はこれぐらいにしておくか。ブーツや靴も買いたいしね」

「ブーツも、ですか?」

「うん。本当は夜会用のドレスも俺が買いたいんだよ?だけど、レンジャー夫人をないがしろにするわけにはいかないだろう?」


 そう片目をつぶる様子が気障でおかしくて、ついくすくすと笑ってしまった。


「そうですね、私のドレスを仕立てるのは彼女の特権だと言うでしょうね」

「だから、次のドレスは俺がレンジャー夫人と相談して作ることにしたんだ。いいだろう?」


 いつの間にそんな話がついていたのか、驚きながらも了承すると、彼はとても嬉しそうに笑った。


 その笑顔にまた顔が熱くなってくる。

 まずい。

 この状況はひっじょーに、まずい。


 その後の観劇も、レストランでも、彼は蕩けるような微笑みでひたすらニコニコと見つめ続けてくる。

 そして事ある毎に甘い言葉を囁き続けてくるのだ。


 その度に勝気な顔で睨み返してはいるものの、鼓動は跳ねあがっていくのがわかった。


 アリソルは、基本男性に免疫がない。

 こんな風に扱われたら、簡単にぐらッと来てしまう。


 それに最近思うんだけど。

 女性って、夫を好きになろうとする本能があるんじゃないだろうか。


 そうじゃなくてもただでさえ好みど真ん中の顔立ちの男性が、こんなにも優しくしてくれて気を遣ってくれて、‥‥愛を、囁いてくれて。


 惹かれない方がおかしいでしょう!


 ‥‥だけど。


 心の奥底がちくりと痛む。


 あまりの過酷さに自我を明け渡してしまった本当の自分は。アリソルは、どう思っているのだろうか。


 前世の記憶と引き換えに、靄がかかったように朧げになってきた小屋での過酷な日々。人格が違うからこそ今の私は耐えられて、笑えているのだけれど。

 本来の私は?

 彼と夫婦として歩んでいくことを望んでいるの?


 分からない。

 分からないからこそ、揺れてしまう。


 気づけばだんだんと無口になり、エドモンド様が話し続ける会話への相槌もだんだん小さくなり、せっかくのレストランでの食事が、だんだんと静かになってしまった。


 どうしよう。

 たまにはこっちから話題を振らないと。

 焦れば焦るほど穿った会話が出てこない。日ごろマルタやレンジャー夫人相手ならいつまだって一人でしゃべり続けて呆れられるほどなのに。


「アリソル」

 ふいに真剣な声で話しかけられ、ぴくりと身をすくめる。


 彼は熱のこもった目でこちらを見た。

「その。よければだが。今夜から、一緒の部屋で、寝ないか?」


 突然の申し出に思考は完全に停止し、ぽかんと口を開けたまま止まってしまった。


「いや!違う!決してそういう意味じゃないんだ!」

 驚きのあまり固まってしまった私の様子に、彼はあわあわと慌てて否定する。


「ここのところずっと、寒さが厳しいだろう?どうしても、アリソルが寒い思いをしていないか、悪夢にうなされていないか、毎晩気になってしまって。こっそりのぞいて安心したりしていたんだが」

「のぞく!!??」

「いや!ごめん!」


 ぎょっとすると、さらに言い訳を重ねるように額の汗をぬぐいながら彼は続けた。

「同じ部屋にいれば、この前みたいに体調を崩してもすぐに気づいてあげられるし、部屋をいつも暖かく保つよう俺が気を付けてあげることが出来る。‥‥ただ、心配なんだ」


 だんだんと語尾が弱くなって、しょんぼりと項垂れる様子はまるで叱られた犬みたいで。

 でもその表情に嘘はなく、真剣に私を心配していることが窺える。

 そう言われてしまうと、なかなか断ることが出来ない。

 先日もみんなに迷惑かけまくったのは事実だし‥‥。


「もちろん、一切手は出さないから」

 熱のこもった目で見つめられ、少し逡巡した後、こくんと頷いた。


「よかった」

 彼は明らかにホッとした表情で、肩の力を抜いた。


「そしたら、二人の部屋から続いている俺達夫婦の寝室に準備させるから」

「ああ、あの、貴方が女性をとっかえひっかえ連れ込んだ『そんなわけないだろう』冗談です」

 思わずふふっと笑ってしまった。

 最近こんな突っ込みと、返しの切れが良くなってきた気がする。

 ポンポンとした会話の応酬が楽しい。


 冗談だという言葉に安堵していると、彼はさらに言い募った。

「アリソルも見ただろう?あの部屋を。君の輿入れに合わせて改装したものの、一度も使われていないし、寝具も置いていない。そもそも俺はひたすらむさくるしい男どもに囲まれ続けた人生だからな!」


 わかってます、と微笑むとようやくホッとした顔をした。

「すぐに部屋の準備をさせる。最低限の寝具と暖炉はすぐに誂えさせるから心配はいらないが、殺風景なのは我慢して欲しい」


「問題ありません。殺風景には慣れていますので」

 我ながら言葉に棘がある。つい可愛くない口を利いてしまうのは許してほしい。


 帰りの馬車は、妙な緊張感に包まれていた。

 自然と無口になり、気まずい沈黙が二人を襲う。

 ちらりと隣を見ると、エドモンド様と目が合った。


 戸惑うような視線とともに、おずおずと彼の手が伸ばされ、膝の上に置かれた私の手袋に重ねられる。

 分厚い手袋越しなのに、ほのかな熱を感じた。

 どくどくと早打ちする鼓動まで伝わってしまう気がして、思わず下を向いた。


 彼は私の手をしっかりと握ったまま、馬車の窓の外を見つめ続けていた。



 ようやく屋敷に戻ると、すぐに湯あみを済ませられ、暖かいガウンを羽織って就寝の準備が整えられる。


 帰りの馬車からずっと緊張していることを自覚していた。

 手は出さないと、指一本触れないと言われたけれども。

 それでも、結婚以来初めて同じ寝室で寝るのだ。

 緊張するなと言うほうが無理だろう。


 震える手を押さえながら、部屋同士をつなぐドアをそっと開け、中に足を踏み入れると。

 そこは。


 ‥‥むっとするほど暑かった。


「‥‥エドモンド様?」

 首をかしげて彼を探す。

「ああ、アリソル。ちょうどよかった。たった今準備が終わったところだ」

 ベッドで何か作業をしていたエドモンド様が振り返る。


「これは‥‥」

「ん?アリソルが寒いといけないと思ってね。しっかり部屋を暖めておいたよ」


 得意げな彼に水を差すのはひっじょーに忍びないのだけれども。


「エドモンド様。先日私が震えていたのは体調を崩していたからであって、毎日こんな暑い中で寝ているわけではありませんよ」


「え。でも‥‥」

 戸惑う彼に対し。


「エドモンド様も暑いのではありませんか?」

 彼は必死の様相で答える。

「俺はいいんだ!アリソルが快適なら、それで」

「さすがの私も快適ではありませんよ。一度空気を入れ替えましょう。それから火力を弱めて、換気口も少し残したほうがいいですね」


 にっこりと笑って窓際に歩いていこうとする私を遮り、

「分かった。俺がやる。窓を開けたら冷たい空気が流れ込むから、アリソルはベッドに入っていて。毛布の中に温包を入れてあるから」


 エドモンド様はやすやすと私を抱え上げるとベッドに横たわらせ、首の付け根に少しも隙間が生まれないように、毛布でぎゅうぎゅうに包んでから、窓際に歩いていった。

「窓を開けている間、毛布から出ないでね」


 十分暖かいガウンも羽織っていますが?

 そう訴えたかったが、彼の真剣な表情に大人しく蓑虫になることにした。


 冷たい空気が一瞬部屋に流れ込む。ある程度空気が入れ替わると彼は窓を閉め、火力を調整し、小さな換気口を確保してからベッドに上ってきた。


「寒くないか?」

 額にかかった前髪をかき上げながら、今度は毛布で頭まで被せようとするのには思わず笑ってしまう。

 さっきまであんなに緊張していたのに。

 彼は本当に、私の体調だけを心配して、一緒に過ごそうと言ってくれていたのだ。


「エドモンド様」

 目を窄めてこちらを見つめるエドモンド様の分厚い胸板に、ちょこんと額を当てる。

「今日。とても楽しかったです。ありがとうございました」


「うん」

「こうやって私の身体も心配してくださって」

「大したことはない」


「‥‥幸せです」

 息を呑む音が頭上から聞こえる。


 私はふにゃりと笑った。

「おやすみなさい」


 一日出歩いた疲れと暖かい毛布の作用で、急激に睡魔が襲ってきたのか、こてんと額を預けたまま、あっという間に深い眠りに落ちていった。


 頭上から、ぐううっとうなり声が聞こえたが、深い眠りについたアリソルに届くことはなかった。


 ***


 それからも、エドモンド様の過保護なまでの甘やかしはどうやら途切れることなく続くようで。


「ほら、おいで。髪がまだ濡れているよ」

 夜にはお風呂から上ったばかりの私を手招きして柔らかなタオルを頭に乗せ、優しく包み込んでくれる。

「ちゃんと乾かさないと、風邪ひくから」

「貴方がローラを早々に追い出したからでしょう?」

 くすくすと笑っても彼はその手を休めることなく、

「アリソルと早く二人きりになりたかったからね」

 開き直るように堂々と宣った。


 思わず赤くなる頬を隠す様に俯きながら。

「‥‥とても、気持ちいいです」

 彼の緩やかな動きに身を委ねて素直に呟く。


 実際、彼の大きな手で優しく撫でられると、暖かくて気持ちよくて、とろんと眠くなってくるほど心地いい。


「日ごろ自分の髪なんてワシャワシャぐしゃぐしゃとしか拭かないからな。これでも結構緊張している」

 素直に暴露するエドモンド様に笑ってしまう。


 しかし、髪をかき上げた瞬間、彼の手が止まった。

「これは‥‥」

「あ‥‥」

 彼の視線が自分の首元に注視されていることに気づき慌てて抑えようとしたその手を、エドモンド様に捕らえられた。


 首元にうっすら赤く残る火傷の跡。近くで見ないと気付かないほどで、もう気にするほどのものではないのに。


 しかし、エドモンド様は眉を顰め尋ねた。

「‥‥火傷の、跡か?まだそれほど古くない」


「えっと‥‥」

 どうしよう。

 突然のことでどう答えていいかわからず、誤魔化す様にへらりと笑ったが、エドモンド様は真っ直ぐにこちらを見据えたままで視線を外そうとしない。


「誰に、やられた?」

 その声色は泣きそうな、懇願するような。


 私は小さくため息をついた。

「‥‥以前、スープは冷めたものを、とお願いしたと思うのですが」


 それだけで全て悟ったのだろう。彼の顔は情けないほどに歪んでしまった。


「‥‥うちの使用人にやられたのか?」

「‥‥はい」


 下を向いてしまったエドモンド様の様子が深刻過ぎて、慌てた私は必死で言い訳をするように話し始めた。

「カップに移されたスープなので、そこまでは熱くなかったはずなのですよ!ただ、すぐに冷やす水やお薬をもらえなくて。水膨れになった跡が少し残ってしまったんです」

 

 あ、しまった。墓穴を掘った。

 エドモンド様の眉は完全にハの字になってしまった。

「いや。ほんと、もううっすらで。化粧でほとんど隠せちゃいますし」


 あえて明るく言ってみたのに、返事が戻ってこなくて。

 恐る恐る振り返ると、彼は‥‥泣いていた。


「え、えど、もんど、様?」

 膝をついてうつむいたエドモンド様の肩が震えている。


「‥‥すまない、アリソル。俺に泣く資格なんてないのに」

 そういうと、彼はソファの前に回り込み、深々と頭を下げてしまった。

「どう償っても償いきれないのはわかっている。本当にひどい目にあわせてしまった」


 え?今?

 今ここで、いきなり懺悔タイム??

 涙ぐむエドモンド様とは対照的に、私は完全に混乱してしまった。


「顔をあげてください、エドモンド様。もう済んだことですし。今は痛くもなんともないんですから。それに、ほら。すっかり薄くなっているでしょう?多分もうすぐ消えますよ、これ」

「しかし!」

 彼は苦しそうに歪めたまま顔をあげた。


「それに、さすがにこの跡までエドモンド様のせいと言うのは無理があるかと」

「いや、俺のせいだ」

「違いますよ」

「俺のせいだ!」

「だから違いますってば!」


 ‥‥‥‥。

 ぶはっ!!


 二人で顔を見合わせたまま一瞬の沈黙の後、思わず揃って吹き出した。

「ふふ。ふふふふふ。エドモンド様、強情すぎです」

「それを言うならアリソルだって!」

「うふふ。痛い痛い。笑いすぎて背中が痛いです」

「普通腹が痛むんじゃないのか?笑いすぎて背中が痛いってどういう仕組みだよ」

「お腹とつながってるんですから背中だって痛みますよ」


 しばらくひいひいと涙を流しながら笑いころげ、ようやく落ち着きを取り戻すと、ふう、と今更ながらに姿勢を正した。

 すまし顔でエドモンド様を見れば、視線が合ってやっぱりまた吹き出してしまう。


「初めてですね」

「なにが?」

 くすくすと笑いながら言えば、エドモンド様は不思議そうな顔をした。


「けんか?‥‥言い合い?」

「あ‥‥」

 エドモンド様は虚を突かれたような顔をして、そして苦しそうに笑った。


「こういうのもいいものですね」

 私は嬉しくなって微笑む。

「言いたいことが言い合えるって感じで」

「え?今までのあれは、言いたいことじゃなかったの?」

 目を大きく開いて意地悪そうに笑うエドモンド様の顔は、とても嬉しそうだった。


「あれは‥‥。言い合うというより、単にやり返しただけですから」

 唇を尖らせてむくれたように言い放つ。

 それでもエドモンド様の瞳は優しく煌めいていた。


「それに、逆に考えれば、これ以外の大きな傷跡がないことを幸いと考えないと」

 静かに口にすれば。

「あたりまえだろう!あ。いや。‥‥、小屋でも侍女が蹴り上げていたか‥‥」

 いきり立つように否定した直後、急にぶつぶつと呟き始めた。

 あー、あれね。

 当時を思い出し、私は意味深に微笑んだ。


「あの時はエドモンド様に見せるためにわざと侍女に逆らったのです。日頃は出来るだけ逆らわずに流していましたから、暴力を受けることはかなり減っていましたよ。久しぶりすぎてあの侍女も力加減がわからなかったんでしょうね。あれほど強く蹴り上げられるとは思いませんでした」


 ちょっとした暴露のつもりでニッと口元をあげてみたけれど、エドモンド様はやっぱりつらそうな顔でこちらを見ている。


「あー、もう!!そういうエドモンド様こそ、手も腕も傷だらけじゃないですか」

 私はぐいっと彼の腕を取った。

 日ごろから剣を振るって鍛錬を欠かさない彼の身体中に細かな傷が残っていることは前から気づいていた。

「俺の傷は、自主的な鍛錬で勝手につけたものだから!」

「どんな理由でも、傷つけば痛いのは同じです」

 私はエドモンド様の筋張ってマメだらけのその手をそっと両手で持ち上げた。

「頑張っている人の、尊い手です」


「‥‥アリソルは、優しいな」

 ぽつりと彼がつぶやいた。

「は?どこがですか?」

 思わず強めの語気になってしまった。

「優しくないですし許してないですけど?」


 我ながら可愛くない返しに、エドモンド様は何故だか嬉しそうに目を細めた。

 え?今喜ぶところ?

 彼の趣味趣向が地味にナゾ。

 でも‥‥。

 まあ。嬉しいのなら、いっか。


 私もなんだか嬉しくなり、意味もなく微笑んだ次の瞬間、ふわりと嗅ぎ慣れた香りにつつまれた。


「‥‥もう二度と、貴方を傷つけさせない。誰からも」

 その言葉にこの大きな胸に、とてつもなく安心する。


 いつの間にか、この場所が落ち着ける場所になってきている自分がいる。


 まだ完全には心許せてないけれど。

 気づけばいつも支えてもらっている。

 こうして頼ることを覚えてしまった今、これまでどうやって一人きりで立って歩いていたのかも思い出せなくなってしまった。


 こてん、と大きな胸に額をつけると、とくとく…と鼓動が耳を心地よく揺らした。

 私はゆっくりと目を閉じた。


すみません。

いろいろ追記したらあまりにも長くなったので、話をわけます。

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