Cookie & Biscuit
詩です。美味しいかも。
たっぷり入ったミルク
花柄のティーカップ
宝石のように輝いた苺
わたしはお姫様だったの、
多分ね
レールの上に、わたしを脅かす人はいないの
この道を外れなければ、かみさまは怒らないって知ってる?
だからわたしはミルクを零さない
たっぷりたっぷり
最後まで美味しくいただくの
馬さんと鹿さんと、仲良くしてた方が
きっとずっと生きやすい
みんなはシールをぺったり貼って
わたしにリボンを付けるの
にこにこ笑ったわたしが好き
なんでしょう?
「いいつけ」を守って
何も知らない顔で
大人になってもお子様ランチ
もちろんデザートは、たっぷり果汁のみかんゼリー
鹿さんに囲まれた、かわいいかわいい女の子
価値がなくなって、腐り果てても気づかないの
ねぇ、
男の子を呼び捨てにしちゃいけないなんて
誰が決めたのかしら
ミルクをたっぷり零して
じっとりしたグラノーラより
産まれたままの姿で食べてあげるのが美味しいの
赤ちゃんのままでいて
得をするよりも
内なる焔に身を焼いている方が好きなの
移り変わる世界が好き
昨日のわたしも
今日のわたしも
全部、全部、違うわたし
それぞれの他人を
いっこだけの陳腐な存在に押し込めるなんて、
それこそ、退屈でつまらない
チョコレートを舐めるより
相手の食べているケーキを丸ごと奪うのが好き
気持ちいい場所なんて
イチイチ聴くなんてヤブってもの
全部、探してごらんなさいよ
個性を潰して、ミックスジュースにして
飲みたいときに
吐きたいときに
自由にして欲しいのよ
この世界には
多くの人を納得させるための
「型」が溢れている
まるで、
ソレ以外になることは
許さないみたいにね
どんな姿をしていても
モスリンたっぷりの服でカレーを食べたって
外の世界を見なくたって
制服に包まれていなくたって
永遠に楽園の住人でいたいなら
全てを飲み干していなさい
美しいと勘違いしたまま
自らの刻を止めていればいいの____