アメリスアード世界編シーン69
遂に潜入したクロノ達。
目の前で起こった出来事に、思わず驚きの声をあげた俺。
なんと!
シェリルはこの世界のカードのハッキングを俺のリスナーのいる世界でもコントロールできるようになっていたようだ。
これは確かに俺も思わず驚きの声をあげてしまう。
「まあオンラインの中の話はオンライン上でどうにでもなるわ!まあ完全に物質的なものは無理だけどこれくらいならやり方で可能ね。」
「おお!なるほど!それはそれで凄いな!」
そしてシェリルとリスナー数名によるカード改ざんを果たした俺達は施設内を探りながら中に入らなければならない。
ここは世界政府の機関と言っても過言でもないのだ。
よって…ここの防壁は簡単に破れるのではないはずなのだ。
そしてここは機械…そうマシーンに守られし街。
故に、ここアメリスアードの最先端の科学集合地区とも言え、そして世界でも最先端の科学力を誇っている。
そして辿り着いた先は。
この街のスクラップ工場なのだ。
「ここは……!?」
俺が辺りを見回すと鉄くずのスクラップの山とそれを飲み込もうとしている巨大な高炉。
辺りには火花もパチパチと光り発生もしている。
するとシェリルが口を開く。
「正面からはさすがに警戒態勢は整い過ぎて虫一匹も通れないはず。でもここはこの街のスクラップを棄てている場所。ここを通り抜けて内部へ進入するわよ!?」
シェリルの声に俺達も頷く。
辺りは鉄とサビ、そして金属のこすれるシャリという金属音がなっている。
俺達はその、入り口という場所に立っていたのだ。
「シェリル!?でもここから入ったとしても俺達はどうして秘密裏に動かなきゃならないんた??堂々とシェリルの父を探しに来た!ではダメなのか??」
俺はそう問いかける。
シェリルは溜息をつく。
「ふぅ~そうね…確かにここは元私がいた場所ね…正攻法でいっても本来ならいいのかもしれない…でもね。ここには…あの男がいるの。」
「あの男??」
「ええ…元…父の部下だった青年……『ターメリック』」
「??」
◇
◇
◇
時同じくして。ここは魔導協会本部。デトリート。
「おい!そこのモニターを灰香炉へ向けてくれないか!?」
男がそう口にすると。
モニターは数名の人間を映し出す。
それはどう考えてもおかしな状況だ。
その灰香炉は誰も近寄ることは無い。
そこへこの分からないネズミのような人間達。
そう!そうカメラを監視していたのはここの現責任者である。この男。
『ターメリック』
そしてカメラへ映し出されているのはそう。
クロノ達一行。
うまくパスを入手し中に入れたのだが。
敵はそんなにあまくはなく。
こうしてあっという間にその姿をカメラに映し出されているのだ。
「このネズミ共は一体何者なのだ??」
「はっ!!ターメリック様!!とうやら灰香炉から扉を開け進入した模様。どうやら向かう先はここのようです!!」
そう。
迷うこと無くモニターのある本部へ向かえるのは昔ここに住んでいたシェリルの感とス
カイプテラの能力ゆえである。
そのシェリルが画面に映し出されると。
「その女をピックアップしてくれ?」
画面はシェリルをピックアップしていく。
「この女は……そうか……」
ターメリックの見たその女性。
青い髪と美しい整った人形の様なその表情。
それがシェリルなのである。
「くくく…博士……トライデント博士……。」
ターメリックがそう呟くと部屋の奥から何者かの目がキラリと光る。
「そうか…もしかすると…貴方を迎えに来たのかも知れませんね…するとこの状況は大変まずいですね…ならば…今の地位を手にしつつ…博士を実験体として温存し…厄介なこの娘を……お?そうだ!博士の娘を僕が面倒見ることにしよーか??」
コポコポっと部屋の実験室から音がしてくる。
そしてターメリックのその表情は怖いくらいに変わる。
「博士共々僕が面倒を見ようじゃないか!!??」
すると声を上げてきたのはモニターを見ていた研究員。
「ターメリック様!この者達から魔神の力を探知してます!コイツらは…マジェストの様です!!!!!」
「ほう!?マジェストはトライデントの娘だけではないのか!?」
「ターメリック様!そのようですね!反応は一つ、二つ、三つ、シェリルと他三人もマジェストの様です!!!」
「ほう!なるほど……な、仮説だが…どうやらシェリルは父親を仲間を引き連れ救いにきたらしいな…。」
「いかがなさいますか?ターメリック様??」
「まずはここまで辿り着くまでにボロボロになってから来てもらおうではないか。やれ!我がマシン兵器を投入せよ。」
「はっ!!??」
ターメリックの部下はとあるスイッチに手をかける。
「ターメリック様…いきます。」
「おせ。」
ポチっ!!!!!
◇
◇
◇
ターメリックの声により危険なスイッチが押されてしまった。
果たしてどうなるのか!?
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