アメリスアード世界編シーン68
シェリルの話に一同は。
シェリルの父『トライデント』博士
現在も機械要塞マシンデトリートで研究者の一人として働いているという情報しかシェリルも知らずにいた。
それは本当なのか?
ヤシュア達マジェスト協会としてもトップに働きかけ色々探ろうとすれば探れるはずなのだが。
実は。
古くから存在する世界の魔導協会は自分達の専門分野でもある魔法の力で魔神達を抑えようとしたのだが……魔神達の圧倒的な力により…どうしても魔神達の力を使用し同等の力を得れるマジェストの力が必要になってしまったのだ。
それにより魔導協会の地位は世界で今や二分割されたと言っても過言ではなかったのだ。
それ故…魔導協会は表向きでは平穏を装っているが…マジェスト達を敵視しているのだ。
その中でシェリルの父である「トライデント」博士は魔導協会の魔導協会支部に属していたのだ。
その為…博士が興味のある魔神具の研究は思う様にできずひっそりと行っていた。
それが面白くない魔導協会は博士を隔離していたのだ。
そして魔族である魔神の力を借りるという事は認めたくないと考えた魔導協会は科学の力を利用し科学と魔法力を使った人工的な魔神を開発しその為の魔神兵器つまり…ロボットを開発するよう博士に命じたのだ。
そしてその研究を始めたトライデント博士だったが…一人娘シェリルを残したままいつしか研究に没頭しはじめ…気づいた時には自分を機械兵器の一人と化してしまったのだ。
シェリルは父のその姿を見て。
そして、そのまま施設には戻れなくなったのだ。
そしていつしか父の知り合いのいたマジェスト本部で幼きシェリルは暮らす事になった。
◇
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「これが私がこれまでに集めた情報と父の話よ。そして魔神具の事。私の父『トライデント』は魔導協会の暗躍、魔神具の為モルモットにされたのかもしれない。」
シェリルはそういうといつの間にか目に涙を浮かべていたんだ。
「シェリル……。」
「うん……ごめんね。」
「シェリルのお父さんを先に助けなきゃだね!」
「お姉ちゃん!私も手伝うからね!」
「カルマちゃん!?サキノちゃん!?」
カルマとサキノの声にシェリルの目から涙が零れる。
「そういやシェリルのここのマジェスト本部にいた父さんの知り合いって誰なんだ?」
俺は…ふとそんな疑問にかられ質問してしまう。
するとシェリルはニヤリと笑みを浮かべる。
「貴方もよく知ってる人よクロノ君?」
俺はこの時ピンッときた。
そう!その人って…………。
ヤシュアも目で合図してきた。
なるほど。
この老人とは一体何者なのだろうと思う俺だったんだ。
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そして。
ここアメリスアード。
この世界では大きな国の一つでもある。
だから夜は夜できらびやかなネオン街にもなるこの巨大な街。
中でも夜になるとそのネオンと工場の光を飾るこの地。マシンデトリート。
ここに立っているのは。
カルマ。サキノ。そして案内役と言ってもおかしくないシェリルの四人だ。
「いい?クロノ君!?これから向かうのは私が元住んでいた父が居るであろうと思われる場所よ?」
シェリルが指さした先には魔法の六芒星がメインで記された建物が立っていたんだ。
「あれが。」
「魔導協会の本部??」
「ええ…あれが…アメリスアード魔導協会の本部。父がいるであろう建物です。」
そう、俺達四人の目にうつってるであろう。景色は暗い中に煌びやかに彩られた世界ではある。
「うわぁぁぁっ!!すごいいい。」
「本当に凄く素敵だわ!」
「ん?そうなのか??」
「んもう、?お兄ちゃんはだからいつまでたってもモテないんだよ?」
「うるせぇなサキノ?」
「はぁ…本当にこういうとこよねぇ?クロノは………。」
俺を見る二人の視線が痛い。
なんてことを考えているとシェリルは、一点を見つめていたんだ。
「シェリル??」
「いい?クロノ君!カルマちゃん!サキノちゃん!これから説明する話をちゃんときいてね?」
「実はこの街はこんなに煌びやかな光景だけれども…ロボットで支配している街でもあるの。」
「えっ!!??」
「この街の治安維持なども全てロボットによるコンピュータ化されているの。そしてこの街に入る為にも入街許可という物が本来は必要なのだけどそれに登録してないと未許可滞在とされてしまうわ!」
「ん??まぢかよ?じゃあ街に入れないじゃねぇかよ??」
「そこは。」
シェリルは胸元から一枚のカードを取り出す。
ガガガ………。
『ん?く!クロノ!!』
この緊張感の中突然リスナーからのコメントがはいる。
「お?どうしたんだ??」
『クロノ!今シェリルお姉様が胸からカードを出しただろう??』
「ん?ああ!そういえば??」
『それ!俺が予約する!!』
『はぁ??ふざけんな!俺が先だ!!』
「はぁ??なんなんだよこんな時に……。」
すると。
「あ!君たち?どぉ?うまく作れたかしら??」
『もちろん!そのカードは完璧にコントロールできますのでどこのパスにでも使ってください!!』
「さすが!クロノ君のリスナーさんだわ!またお願いね!」
『イェッサー!!』
「はぁぁぁーーーーーーっ!!??」
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お読み下さりありがとうございました!