アメリスアード世界編シーン67
シェリルの過去。そして。
シェリル事件の真相。
幼きシェリルの目に映ったのは。
自分の身体を機械化し…そしてそもそものボディが機械の魔神具が存在していた。
シェリルの目に映った魔神具。
それはまた特殊ともいえる魔神具。
そしてその使用者はなんと他の誰でもないシェリルの実の父親『トライデント』だったのだ。
父の様子がおかしいと感じ扉を開いたその先には魔神化した父。
「パ……パパ……パパーーーッ!!!!!」
シェリルは泣き叫ぶ。
「シェ……シェリル…か……。」
「パパ!一体何があったの??」
「ふふ…シェリル…こないだの私の地下発掘現場で発見した魔神具を確保し調査をしていたのだ。そしたらイタズラにこの魔神具はいつしか私の心の中に入り込み…そして」
すると突然パパは嘔吐する!!!
「ぐはっ!!!!!」
胃の中の内容物などほとんどなにも入ってない液体が吐き出されたかに見えるがそれは違う。
「パパ!!」
「はぁはぁ…シェリル…私が聞いていた話はね…魔神具というものは神の創りし魔道具と勇者様のお力で悪しき心を鎮し使用者の力を解放してくれる存在。使用者次第のこの魔道具を私も長年研究し続けてきて初めて私も魔神と契約できたのだ…だが。ぐふっ!!」
トライデントの口元を抑えた手から血が滴り落ちる。
「この魔神に私はちょっと騙されてたのかもな…」
彼は、そういうととあるスイッチを押す。
うぃぃーーーんという音と共に扉は開いていく。
すると見えてきたのは鋼鉄の大きめの足…そして徐々に見えてくるその者の全貌が。
私の目の前に見えたものは。
◇
◇
◇
扉がガシャリと開き切る。
鋼鉄の足、鋼鉄の身体、鋼鉄の腕と手。そして頭と一つ目の赤く光る目だ。
その姿は正にロボット。
父の身体は…そのロボットの中に吸収され。
自ら魔神具へと変化してしまったのだ。
魔神の名前は『魔道兵器』
そして魔神具は『キラーマシーン』
◇
◇
◇
「はぁはぁ……こいつは私が長年発掘し続けようやくここまで全身のパーツを拾い集め完成した魔神具なのだ。」
「パパ!!どうして……!!??」
「ん?シェリル??」
「私はこんなの作るためにパパが必死になってきたなんて。」
「シェリル??これは。」
「こんな!人殺しの道具を家庭を顧みないで作ってたパバなんて!!」
「シェリル!!??これは!!ちがう!!」
「大っ嫌い!!!!!」
バタンッと勢いよく戸を閉め出てくる私。
父があんな状態になったのにやり切れない状況になり私も落ち着かずに飛び出してしまっていたの。
そう…そして…この会話が私とパパの最後の会話になってしまうなんて。
この時は思わなかった。
「シェリル………。」
◇
◇
◇
「すぅ〜っ、はぁ〜〜〜っ。」
「クロノ……君??」
「シェリル??父さんはまだ生きてはいるのか??」
シェリルの顔は驚きの表情に変わる。
「えっ!!??」
「俺の足りない頭じゃ、あーしよう!こーしよう!って作戦なんて思い浮かばねーからさ!」
「だからなに??私はもうあの人とはなんの関係もないのよ??」
「会いに行こう!!!」
「えっ!?」
「お互い言いたい事言ってスッキリしたらさ!何か大切な事きっと見つかるかとしんねーしさ!?!」
「えっ!?でも私。」
その時…シェリルの腕にしがみつくサキノ。
「お姉ちゃんっ!サキノもいくね!」
「サキノちゃん?」
サキノはニコニコシェリルにしがみついている。
「今回は私も行く!シェリルの力に私もなりたい!」
「カルマちゃん。」
カルマもシェリルの事はやはり気になるみたいだ。
シェリルはふぅっとため息をつく。
「アンタ達も手伝うってきかなさそうよね??」
そこへ姿を現すジェイクとレイド。
「シェリル当たり前だよ。」
レイドはそういいきる。
「俺達はアメリスアードのマジェスト本部のメインキャストだぜ!?仲間のピンチは俺達が救う!!!」
「レイド……ジェイク……。ありがとう。」
「シェリル!?父親がいる場所へ案内できるか??」
俺はそういうとシェリルはとあるスイッチを入れる。
俺たちの目の前にはモニターが現れる。
ゆっくりと語りだしたのはシェリル。
「皆。本当に私の事でごめんね!先に謝っておくわ!!」
「いや!それより場所だ。」
「もう!ジェイク焦んないでよ!言わせて欲しかったの!!」
「このモニターに現れた場所は隣町の機械要塞工場地区『デトリート』だね?」
「ええ。ここが今私の父が自らの意思で存在している場所。『デトリート』の最高機関、その名は『マシン・デグリード』よ。」
「そこに……シェリルの父親がいるんだな?」
「ええ。ここで父は。」
シェリルの表情は暗く歪む。
「ロボットモンスターとして。生きてるの。」
◇
◇
◇
今はモンスターと化してるシェリルの父。
果たしてどうなるのか!?