アメリスアード世界編シーン66
シェリルの過去とは!?
俺達は改めてこれからやっていかなければ行けない事を、ヤシュアから実践を兼ねて教えてもらったのだ。
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そしてヤシュアは、もくもくと作業を進めているシェリルにまた声をかける。
「シェリル?」
「は、はい!ヤシュア様!?」
「どうだ??これだけの仲間達が揃った今…そろそろシェリル…お前の思いを今遂げてみてはどうだ!?」
「えっ?」
突然のヤシュアの言葉に止まってしまうシェリル。
俺もずっと気になっていたシェリルの隠れた表情に話を聞かせて欲しいと強く思ったんだ。
するとシェリルは立ち上がる。
「ちょっと…風にあたってきます!
その後で。」
そう一言残した彼女はその場を離れるのだった。
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「ふぅ~~~」
「あれ?シェリル??」
「えっ?クロノ君??」
俺が偶然夕方の風を当たりに屋上にくるとシェリルは俺よりも先にきて辺りを眺めていたようだ。
「ねぇクロノ君?」
「なんですか??」
「このアメリスアードってとても大きな国だと思わない??」
「ん…まあ確かに…この世界では大きい方ですよね?ってきいてます!」
「うん!まあそうね…その分、人もここには沢山いるしそうなったら生きる為に必要な物もあってさ。この国アメリスアードには医療も必要になってくる…そしてそれと同時に科学の進歩も他の国の追随も許さない程発展はしているの。」
「はい…ここから眺めてみてもこの国は近未来的な街並み…ロボット…なんてのもいてもおかしくはねぇよな。」
「そうね…私の父もそんなロボット研究の第一人者だったの。」
「マジか…ロボット……なのか。」
「ええ…ロボット…なの…それでね??」
「う………」
「う?うってなに??」
「か……………」
「はぁ??かってなに??」
「かっこいい!!!!!」
「はぁ???」
「おお!!シェリルの父さんってロボット作ってんのか??すっげー!!!マジかよ!!??」
「え???」
「いやぁ!!めっちゃあこがれる!!ロボットも見てみたいし!うん!シェリルの父さんにもあってみたいし!!なぁ!?シェリル?どこに行けば会える??」
「クロノ君!?あなたね!?ほんっとにいつもいつも人の話を聞かないで!!それで貴方の身になにかあったらどうするつもり??私の父みたいになったらどうするのよ!!!!!」
シェリルの大声の叫び声は辺りにコダマする。
そして彼女の大声に俺はつい固まってしまう。
シェリルの目からは大粒の涙が零れる。
俺はハンカチを渡す。
「えっ!?」
「なぁ…言ってくれる気になったみたいだな?」
真っ赤な顔のシェリルの怒った顔。
「バ…ばかっ!!お姉さんをからかわないの!!」
「さて!皆聞いてたんだろ?」
俺達の後ろから集まるメンバー。
「はぁ……ずるいなぁ…。」
そう言ったシェリルの覚悟は決まったみたいだ。
でもその時の彼女の表情はいつものピリピリした彼女からは想像つかないほど穏やかに見えたんだ。
そして彼女は口を開く。
◇
◇
◇
幼き日のシェリル。
彼女は彼女と父親の二人暮らし。
母はシェリルを産むと直ぐに他界したらしい。
とても美しく優しかった彼女の母親。
でも身体がどうしても弱かったのだ。
魔法に関する魔導協会。
その中でも少し変わった部門で働く研究員だったシェリルの父『ディック』。
彼は魔神具の研究をする傍ら自らロボット工学が得意だった為。
科学と魔神具の融合に誰より研究をしていたのだ。
そんな父をもっていたシェリル。
私の父はいつも夢に描きロボットを完成させる為に尽力していたの。
私は寂しさはあったけれど研究室に寝泊まりしてもいいと父からもその方が助かるといつしか研究室で暮らすようになった。
それからは父のしてる研究を見たり聞いたりして自分でもAIやロボットに興味を持ちはじめていったの。
父のいつも、私に言い聞かせてくれていた言葉。
「なぁ?シェリル?ロボットはたしかにプログラミングだけの命令しかきかない冷たい存在。に見られがちだけど…僕にはロボットからも愛を感じる!シェリル!ロボットが万が一悪に進んだとすればそれはロボットに司令を出す者の責任だと。」
私はこの言葉を胸にいまだにロボット研究には余念もない。
だから父のやってる事に凄くワクワクして興味持って父と同じ道を進むんだって思って生きてたの。
◇
私も学校にも通うようになり研究室だけにはいない生活にもなっていく。
そんなある時…父は研究室にも籠るようになっていったの。
父は食事もいつとってるのかと思っているくらいだった。
そして。
私があまりにも出てこない父の身を案じ中に入ると。
そこにいたのは。
◇
◇
◇
幼きシェリルの目の前には果たして。
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