アメリスアード世界編シーン61
恐るべき怪物へと変化したアルミナ。
一体どうなる!?
俺達の目の前でレイラの魔神だったはずのバットスパイダーを奪い取ってしまったアルミナ。
モンスター化した彼女は果たして!?
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モンスター化したアルミナに恐怖し震えて見ている囚われの男たち。
アルミナはそちらに目を向けるとニヤリと笑う。
彼女は巨大な蜘蛛の姿で、彼らを見据えると。
「ふふ。いくわよ。」
シューッと吐き出す鋼の糸。
たちまち男たちを捉えると自分の元へと糸で手繰り寄せる。
そして。
アルミナは、一人の男の首にその巨大な牙を突き立てる。
ズぷりと刺さった身体から赤い血が滴り落ちる。
次の瞬間。
男は一瞬で肉片と変わってしまったのだ。
「まずいわ………。」
声を上げるシェリル。
「どういう事だ??」
「クロノ君…あれはね…魔神は本来はああして魔神具には囚われてなかった存在なのは分かるわよね?」
「ああ!ラブラの力でアイテムの中に封じられて魔神具になっていたんだよな?」
「そうそう!だから魔神具を扱うマジェストによりその力は抑えたりコントロールは可能になってるのが本来の魔神具よ?」
「つまり??」
「マジェストでもないアルミナが自分の身体と同化させたといったらある意味バットスパイダーの意思も遥かに強くなる!!そしてそれはアルミナが制御出来なくなった時点でバットスパイダーは本来の魔神として復活してしまう!って事!!」
「なにっ!!??それって??」
「このままでは面倒な事になりかねないわ!クロノ君!あなた…ラブラ様に呼びかけれないの??」
「確かにこれは封じた張本人に聞くのが一番早いかもな?」
すると聞いていた雷武が口を開く。
「お前…俺を戻してアイツを呼ぶ気なんだろ??」
「ああ…そういう事だ。さぁ!ラブラと変わってくれよ?」
すると雷武はニヤリと笑みを浮かべ続ける。
「お前…俺をここで引っ込めたら次は俺はまた出てこれるかわかんねーからな!?」
「なに??」
「俺にせよ…アイツ…ラブラにせよ、まだお前の声にすぐに応えれるようにはなってない事を忘れるな。」
その時。
「ふわ!はぁぁぁーーーーっ!よーーーく寝たわーーー!」
雷武の声を他所に欠伸をしながら声を上げてきたのはラブラだったんだ。
「「はぁぁぁーーーーっ!?」」
俺と雷武の目の前に姿を現したラブラは背伸びをする。
「おい!ラブラ!!今はそんな事はどうでもいいんだ!あの暴走しそうな魔神をなんとかできないか!?」
「んーーーーー???」
眠そうな目を擦りながら目を向けていくラブラ。
「ん??あ!!あの蜘蛛ね!!??んん??あれ??」
「どうした?ラブラ??」
「あれはもう…あのおばさんは…取り込まれてしまったわ。」
深刻そうな顔で答えたラブラ。
すると突然狂い出すバットスパイダー!!!
まさにその姿は魔神と言う名に相応しい姿。
「こいつは…このままだとこの屋敷…下手したら屋敷から街。そして他にも被害をおこしそうだな。」
そして次々と倒れている男達を食っていくバットスパイダー
その足から生えてる鋭い爪。
そして人を食べ…捕食していくその姿は当然昔存在した魔神。魔神バットスパイダー。
そして…ついにレイドとエレナの前まで到達したバットスパイダー。
狙いは。
その前で、苦しみもがいていたマイケルの姿。
バットスパイダーはどうやらマイケルに狙いを定めたようだ。
「ラブラ!!??俺に力貸してくれ!!??」
俺は鞘に触れる。
手には発現された刀の柄が収まっている。
「仕方ないわね…じゃぁクロノちゃんも私の血を引いてるんだからちゃんと覚えるのよ??」
「えっ!?」
俺は気づくとラブラが俺の身体に入っている感覚。
「今では肉体のない私は貴方を通してじゃないとこの技は使えないのだから。」
「ラブラ。」
俺の脳、心、そして身体はラブラの具現化した身体と重なる感覚。
これはあの竜人になる時とは違う感覚だ。
雷武との時は竜人…。
そしてこのラブラとの変化は。
『勇者』
なのだろうか。
魔神具を使うマジェストになりつつも俺にはこんな力が芽生えたのだった。
俺の身体はラブラと重なりそして。
バットスパイダーの攻撃はマイケル!そしてエレナ達にも迫っていく!!!
光を発す俺とラブラの姿。
そして。
「いくよ?」
ラブラはとあるアイテムを目の前に出す。
「勇者の血よ。私の力となり敵を鎮めよ。はぁぁぁーーーーっ!」
その瞬間!!!
バットスパイダーはその動きを停止する。
そして。
皆の目に映るあの巨大なバットスパイダーは。
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