アメリスアード世界編シーン51
レイドは宿敵であろうレイラとの戦いに。
何と!巨大な蜘蛛の巣にとらわれてしまったスカイプテラとアースドラゴン。
ジェイク、そしてシェリルは。
◇
◇
◇
「ぐううっ!!??」
「ああっ!!???」
ジェイクとシェリルの苦しそうな声が、屋敷内にコダマする。
「ジェイク!?シェリル!?」
レイドの叫び声。
しかし…巨大蜘蛛の主である女であるレイラは微笑む。
「ふふ…私の魔神…バットスパイダーの餌になりに来るなんて…一人は分かっているけれど…あなた達は一体何者なの?」
「くっ!?分かっている?一体誰の事をいってるんだい??」
レイドのその言葉に…レイラは微笑んでいる。
「そう…それは君よ…レイド・メリーエル君。」
「!!???」
レイドは名前の全てを知られている事に…驚きが隠せないようだ。
「ふふ…どうしたのかしら?メリーエルって名前に凄く反応しちゃってるけど??」
「うるさいな…僕はいつだって冷静だよ…。」
「そう??それにしては手に力が入ってるようだけど??それも気のせいかしら??」
するとレイドは深呼吸を始める。
「すーーーっ、はぁぁぁぁーーーーーっ。」
「おや?深呼吸なんてしちゃって…一体どうしたっていうの??」
「貴女には関係ない話さ…それよりいくら女性だからって僕が何もしないとでも思ったのかい??」
すると…レイラは笑みを止める。
「レイラさん…でしたっけ?僕はいつだってジェントルマン…そう…紳士を目指してるのでね?特に女性には僕か怒るわけないんだよね?だけどね?」
「だけどどうしたのかしら??」
「僕の仲間を傷つけるなんて!!これは…絶対許さないよ。」
レイドは怒りの形相でレイラに叫ぶ。
「どうやってそれをしようというのかしらね?私の蜘蛛の巣には一、二、三体も魔神がかかってるけどね?。」
「レイラさん!!僕は紳士だから女性を敵だとは思わない…でも僕をあまり怒らせない方がいい…。」
「面白いわ…じゃあこんなのはどうかしら??」
「なにをしようって??」
「何かをするわけでなないわ…昔話を聞いて欲しくてね。」
「昔話?」
レイドはそう聞き返すとレイラは語り出す。
◇
◇
◇
昔昔ある所に。
一人息子を授かった貴族がおりました。
その貴族はこのアメリスアードでは有名な貴族でした。
その貴族の主であるフェルナンデ公爵夫妻は一人息子をそれはそれは大切に育てていました。
一人息子は家庭にも恵まれ、すくすくと成長していきます。
ところが…そんな彼を悲劇が襲うのです。
それは彼が年齢にしたら十五~六の頃。
学校を終え家へと帰ってくると。
そこまで話を聞かされる俺達。
するとレイドの表情は徐々に青ざめ始める。
「いい?続けるわよ?」
レイラは再び語り始める。
「ただいま!!」
自宅の巨大な扉を開くと。
いつもは誰かお手伝いさん達の声や働いてる生活音そしてその声が聞こえていたはず。
そして僕のこの声にも誰かしらの声がかけられるはずだった。
そう…いつもはそんな日常だった。
その日までは。
彼は中に入っていくと厨房に寄ってみようとする。
しかし彼が厨房に近づくにつれ…鼻に鉄さびのような匂いがしてくる。
彼は恐る恐る厨房を覗き込む。
すると彼の目の前には戦慄の光景が広がっていたのだった。
「えっ!!!?????」
そう彼の目にはおびただしい血が辺りに飛散し、そして地べたには血溜まりがあちこちに出来ている。
「はぁ…はぁっ!!うわぁぁぁっ!!」
彼はその場を離れ他の部屋へと向かう!!
彼の向かった先は食堂。
いつも皆が楽しく笑い談笑し素敵な時間を過ごす場所。
彼はそのいつも楽しかった場所に辿り着く。
「はぁ…はぁ……誰か!!??」
彼が叫ぶもそこにはまたもやおびただしい血溜まりが。
そして倒れて動かなくなった顔なじみの者達の姿。
「あ…ああ…………………。うっ!!!」
再び走り出す!!
彼は屋敷の二階を目指し階段を駆け上がる。
二階には彼の部屋もあり…そしてそこには彼の大切な両親の部屋も。
バァンッ!!!
「父さん!!??母さん!!??」
彼は両親の部屋の扉を開けるとそこに立っていたのは一人の女性。
よく見ると彼女は赤のドレスを身にまとっている。
「貴女は一体…誰なの??」
「ふふ…私はね……。」
彼女は笑いだす。
「うふふ…ふふふふ…」
笑いだした女性の上半身をよく見ると…ドレスの白い部分が見えている。
「あ……ああっ!!??」
「どうかしら??初めは真っ白なドレスだったはずなのに…深紅に染まったこのドレス…素敵でしょう…さぁ私の仕事はここで終わりよ…貴方に見られてしまったけど…。」
「えっ!?」
ずぷり…彼は背中に何かの痛みを感じる。
そして彼はそのまま倒れ…そして女性は満面の笑みでその場から去りました…とさ。
◇
◇
◇
「そ…それって……………。」
レイドから青い闘気が立ち込める。
そして…その手には一本の槍が。
◇
◇
◇
静かに怒るレイド。
果たして。
お読み下さりありがとうございました!
世界レベル犯罪者レイラ……彼女の語る誰かの話とは??