アメリスアード世界編シーン48
敵の情報を知る為動いていたエルザック。
はたして?
エルザックのバラコンダ。
遠隔で敵情視察中だ。
「では。」
エルザックは、バラコンダからの映像を俺達の目の前に映し出していく。
徐々に見えてくるバラコンダの視点。
すると…そこに見えてきたのは何処かの建物だった。
「この映像はここから数十km離れた『バーヘント』という街から少々離れた場所にある大きな洋館…。」
俺達の目に映ったのは洋館の入口。
見上げていくと綺麗な三階建ての洋館。
すると…ズズズと動き出すバラコンダ。
やがて、バラコンダは庭の方に進んでいく。
「玄関から入るのは今は出来ませんので回り込んで中の様子を見ていきましょう。」
エルザックはそう言うとバラコンダは動き出していく。
一部屋一部屋人間の気配を感知する部屋は覗いていく。
そして…動く事数分。
「ここの部屋から数名の誰かの気配がします。」
バラコンダは部屋の中を覗いていく。
すると…その部屋の中の様子は。
中には数名の男達が見える。
「これは??」
リオのその言葉に口を開くのは…エルザック。
「この部屋にいるのはかつてのアイドルグループ『テイルズ』のメンバー…そして。」
「もしかして……」
そこで声を上げたのはエレナだった。
「リオ様!!」
エルザックが叫ぶと映像の部屋の中に誰かが入ってくる。
「ふふ…ふふふ………ここはいいわね…よくこんなにもいい男ばかり集まったわね…。」
バラコンダの映像の前に現れたのは、お金持ちそうな何処かの女性。
「あれは…。」
「あの者は『バーヘント』の資産家『アルミナ』この地で名高い女資産家…そして美青年誘拐事件の真犯人です。」
すると、バラコンダの視点が辺りを更に映し出していく。
そしてとある人物に辿り着く。
「『マイケル』!!??」
「マイケル。」
エレナさんもレイドも知った顔に驚きの声を上げる。
すると『アルミナ』は喋り出す。
「あーらぁ!!皆!機嫌はいかが??」
マイケル初め…中に軟禁されている青年達は力無く『アルミナ』を見つめている。
「あら…どうやら段々にこの私への忠誠心が芽生えてきたようね…さぁ…ではこれからご飯としましょうか?さぁ…いつものようにわたしへの忠誠心を見せて!」
一人の男がゆっくりと立ち上がる…そしてフラフラと『アルミナ』へと近づいていく。
そして彼女の前にひれ伏していく。
「『アルミナ』様……いつもお美しいです。」
男はそう言うと顔を足元へと近づけていく。
そして彼女の足にキスをする。
ニヤリと笑う『アルミナ』。
その顔はとても醜悪なものだ。
「いいわ…徐々に自分の立場をわきまえてきたようね。」
すると『アルミナ』はパチンっと指を鳴らす。
そこへ一人の女が入ってくる。
女は男にパンを一つ差し出すと。
男はパンを手に取りガツガツと食べ出す。
「ははっ!はーっはっはっは!!いいわね!じゃあ他にご飯が食べたい子は私に同じく忠誠心を見せなさい。」
「はいっ!!!」
更に一人の男が返事をする。
そして次々と『アルミナ』への忠誠心を見せていく。
「ひどい………。」
エレナさんはぷるぷると震えながらその映像を見ている。
すると映像はマイケルの元へと向けられる。
「マイケル!!??」
エレナさんは叫ぶ。
すると、マイケルは見たところ誰よりもやつれているように見える。
「ふふ…どうしたの?マイケル??そろそろご飯食べないとあなた本当に死ぬわよ?」
『アルミナ』がそう言うとマイケルは震えながら口を開く。
「ぼ…僕達は貴女に…何をしたんだ…こんな事…もうやめてくれ!!!」
言葉に力が感じられないマイケル。
だが…その言葉に笑みを浮かべる『アルミナ』
「ふふ…マイケル…私はね…美しいものが好きなの…美しい物、美しい花や美しい景色!そして!美しい男!!」
下卑たその表情にマイケルも恐怖心が止まらなかっただろう。
「マイケル…貴方もいずれ…心から私のモノにしてみせるわ。」
◇
「あいつ…」
そう言い部屋を飛び出そうとするエレナさん。
止めるレイド。
「エレナ…僕も行くよ…。」
「ちょっと待って!!」
そこで声を上げるリオ。
そう俺達が見ていた映像に遂に登場したのは。
こちらを見ているお手伝いであろう女。
「まずいわ!!エル!急いでバラコンダを!!??」
「うぐっ!!??」
エルザックがバラコンダを解除しようとしたその時。
「エル!!??」
「く…お嬢様…」
膝をつき苦しみ出すエルザック。
エルザックのバラコンダはお手伝いに化けていた『レイラ』の魔神により捕らえられてしまったのだ。
魔神を捕らわれ動けず苦しむエルザック。
「いかん…このままではエルザックもあやつの餌食になってしまう。」
「僕は行きます!ヤシュア様!!」
「よし!俺もいくぜ!」
レイドとジェイクも飛び出していく。
「まったく…私をおいていくなんて…後で活、入れなきゃね!!」
シェリルも二人の後を追う。
「お兄ちゃん…。」
「クロノ…。」
俺に不安そうな顔で目を向けているカルマとサキノ。
「カルマもサキノもあの敵は色々ヤバそうだ…今回はここでエルザックとリオ達を見ててくれないか??」
「うん!気をつけてねクロノ!」
「お兄ちゃん!しゃがんで!」
サキノの声に俺はかがむ。
すると。
ちゅ!
「な??」
「えっ!?」
「ええっ!??」
カルマに続きリオも驚いている。
「行ってらっしゃいお兄ちゃん!」
「ああ!行ってきます!!」
サキノに不思議な目を向けてる二人にも挨拶をし。
俺はレイド達の後を追ったんだ。
◇
◇
◇
敵情視察に行ったエルザックのバラコンダは捕らわれてしまった。
そして救出に向かうメンバー。
一体どうなる!?
お読み下さりありがとうございました!